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skate columnSKATE COLUMN 2014/3/5  

松井 立(RYU MATSUI)
ブルーカラースケーター、スケートキャリアは21年目。
サポートはASIANWAVE,VANS,MO'BETTERPANTS,BLISSなど。
ブログは http://asianwaveskates.blogspot.jp/
千葉北西部発のムーブメントは「COMPOSITE」
http://kashiwaskate.jugem.jp/
1回目 2014/2/17 『はじめましてとキッズの一言』
2回目 2014/3/5 『HAVE YOU SEEN GUM ?』
3回目 2014/3/19 『スケボー雑誌という名のサプリメント』
4回目 2014/4/2 『人生は一度きり』

『HAVE YOU SEEN GUM ?』

第2回目です。
ろくでもない話にお付き合いをお願いします。
いきなりですが、スケートボードのトリック名って面白いと思いませんか?
ロック&ロール、オーリー、フリップ、グラインド、ボンレス、ケイブマン、マドンナ、
ショーン・ペン、ガイ・リッチー、フィリップス66、キリスト、ロケット、フロッグ、
インバート、エッグ・プラント、ラップ・オーバー、セックス・チェンジ、サランラップ、
キャバレリアル、ヒッピー・ツイスト、マック・ツイスト、ハリケーン、シュガーケーン、
タイタニック、バリアル、トレ、レーザー、ドルフィン、ブリザード等々、
名前を挙げていけばこのコラムの制限文字数をクリアしてしまいそうな勢いで
トリックは進化し生まれ続けています。
同じトリックでも地域、国によって呼び名が違ったり、
また同じ名前でも少し違う動作だったりと
例外も確認されていますが、ほぼ共通認識として通用するものが大多数でしょう。
そこで今回は自分がある信頼できる筋から入手した
日本独自の名前を持つトリックの命名由来を紹介しようと思います。
そのトリック名は「ガム・チョップ」。
ランプを後ろ向きに上がり、コーピングオーリーをして
デッキのボトムをコーピングにかけるトリックです。
浅くかけて素早く抜いたり、
深くかけてそこからトラックをロックさせて複合トリックにしたり、
海外では「フェイキーロック」や、「フェイキーディザスター」等で認識されている、
ランプスケーティングには欠かせない基本トリックなのですが、
日本では「ガム・チョップ」で認識されていて、
「フェイキーロック」等の正式名?で呼ぶ人はあまり、というか少なくとも自分は聞いた事がありません。
何故、「ガム・チョップ」という名前が定着してしまったのか?
それは時代を遡る事、30年以上前の話。
時代のトレンド?、「スケートボード」を紹介するカルチャー誌の記事が発端だったらしいです。
当時のスケートトレンドは「ランページ」。
ボトムのフラット部分がほぼ無いに等しいU字型のランプでした。
時代背景も軽くイメージしてみて下さい。
インターネットなど皆無、電話帳を開いてもスケートボード輸入代理店を探す事すら難しい。
加えてスケートスポットも人口も、今現在とはとても比較できない環境で、
スケートボードに関する記事を書くのは至難の業だったのではないでしょうか?
結論から言うと、「ガム・チョップ」の写真が誌面に初めて掲載された時、
写っていた人物(ガム・チョップをしている人物)が
「GUM」だか「GAM」とプリントされたTシャツやらを着ていたという事らしいのです。
そしてその写真のコメントには
「ガム君による(コーピング)チョップ!」と書かれていたとか、、。
そこから当時のスケーター間でトリック名が駆け巡り、
「ガム君のチョップ」→「ガムのチョップ」→「ガム・チョップ」と
時間の経過と共に現在の名前に進化していったようです。
「後進で、デッキのボトムをコーピングにかける。」
というスケートボードの動作を「チョップ」というニュアンスで
伝えたライターのセンスが、30年経った現在でも
スケートシーンに生き残っているという、この奇跡!
何か変な名前だと思っていましたが、ここまでくると
「ガム・チョップ」に愛着すら沸いてきます☆
もし、「GAL」というプリントだったら「ギャル・チョップ」と呼ばれていたのかな!?
ちなみに、「エレベーター・ドロップ」、「インター・フェイキー」も
同様で、日本では市民権を得ていますが
海外では、ほぼ通じないらしいので、ご注意を。
HAVE YOU SEEN GUM ?
こないだ、あなたに「昔、スケートしてたんだよ~」なんて
話しかけてきた年配の方が「GUM」君だったのかも知れない、、。
信じる、信じないはあなた次第です。
ではまた次回、ありがとうございました。

skate column松井 立(RYU MATSUI)
1回目 2014/2/17 『はじめましてとキッズの一言』
2回目 2014/3/5 『HAVE YOU SEEN GUM ?』
3回目 2014/3/19 『スケボー雑誌という名のサプリメント』
4回目 2014/4/2 『人生は一度きり』
 
 
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