interstyle magazine
 COLUMN

skate columnSKATE COLUMN 2014/12/4

 

立石 和 (たていし ひとし)
日本とブラジルのハーフ。29歳。兄弟(男女男男)の末。
熊本出身、三重県在住。妻一人子供二人。
大成していないのに、人生に勝利する一歩手前の存在。
スポンサー:IFO SKATEBOARD、ムラサキスポーツ鈴鹿、FLC、ホーネットウィール
1回目 2014/10/15 『Hello, World!』
2回目 2014/11/5 『悩ましい』
3回目 2014/11/19 『生きることが楽しくて仕方が無い』
4回目 2014/12/4 『動機 行動 実績』

『動機 行動 実績』

私の仕事はパソコンをピコピコしてシステムを開発することです。
システムとは、客の業務を効率良くこなすためのツールの集まりや仕組みを指します。
システム開発は「~なシステムを開発する」という内容の依頼書を受け取ったところからスタートします。
依頼書の内容は把握しますが、そこからいきなり実際の開発に入ることはまずありません。
まずはシステム開発を依頼するにいたった背景を客から可能な限り聞き出します。
依頼書には開発動機の概要しか記載されておらず、
開発するシステムと客の業務内容のつながりが完全には見えないことが多いからです。
入手した情報と資料を基に業務内容の正しい流れ、不要な作業、抜けなどが見つかります。
同時に開発予定のシステムの必要機能も見えてきます。
開発動機が必要な理由は新規開発のためだけではありません。
動機を知ることで、既存システムやデータの流用が可能なケースも出てきます。
これは、別作業である各業務を正しく連結できることを意味します。
会社とは、多くの作業をつなげる流れの土台です。
昔は手作業で作成した紙でつながっていましたが、今はシステムに登録したデータでつながります。
つながりにシステムを用いることは、つながりをPC(機械)まかせるということです。
PC(機械)は「正しく命令された場合に限り」命令された処理をほぼ100%正しく、高速に実行します。
正しくない命令に対しては、正しくない答えを高速で出すか、停止します。
誤解答と停止、どちらも地獄です。(ここでは深くは触れませんが。)
整理します。
客がほしいのは、業務を効率化するためのシステムです。
システムはPC(機械)で動作しますが、そのためには正しい命令が必要です。
命令とは、客が現在手作業で行っている漏れのない完璧な業務内容です。
業務内容は、業務の動機(目的)のために存在します。
私の仕事はシステムを開発することです。
がしかし、上にあげた理由により、客の動機を正確に理解することが必要になるわけです。
こちらが客の動機を必要とする理由を、客に理解してもらうのは難しく、
度々「いいから言ったとおりのものを作ってくれ」となります。
これも一つの正解です。
客にとっては、業務内容に必要なツールの作成を依頼しただけであり、
「あんたの業務内容本当に正しいの??」なんて専門家でもない私達に言われる筋合いはないのです
(本当は必要だからこちらも聞くのですが)。
しかも調査時間も開発費用に上乗せするわけですから、
業務効率化で節約したいところに無駄な金を出せるか、と。
実は、私にとって動機の把握は必須ではありません。
依頼のままにツールを作成すればいいだけであり、これはとてもとても楽な仕事になります。
依頼の不備による仕様変更は、追加費用での改善・開発となるため、
追加のお仕事を頂いただけの扱いとなります。
一般的な会社であれば、信頼を勝ち取るためにより良いシステム開発に努める必要がありますが、
私にはそれも必要ありません。会社が働いた時間分の給料を支払うという幸せな構造だからです。
会社の構造そのものへのこちらの質問や要望は全スルーなので、
個人の頑張りなどきっと会社にとっては誤差の範囲なのだろうと予想しています。
それでも私は毎日、客の心の理解に努め、効率化と正しさを追及し、
それを命令(1か0の二択の連続)に置き換える作業を10年くらい行っています。理由は内緒。
とにかく、常に私の頭は動機の追及で満ちています。
そのため、理屈で物事の正誤を判定する能力はおそらく多くのスケーターよりも秀でています。
では、精神世界に飛びます。エイ!!
人の動機を追及していく中で、自分の動機も追及し尽くすと、
おもしろいことに「動機不明」に行き着きました。
動機の頂点は「脳が出す理解不能な欲」でした。
前回私が書いた中にある矛盾がここです。
頂点ぎりぎりで理解できる動機と「脳が出す欲」が一致しないケースがあるということです。
きっとその二つの間にはもっと細分化できる中間があるはずなのに、私の能力では見つけることができません。
間違いではない。でも答えが二つ残り、どちらかを選択しないといけない場合があります。
ここまで理屈っぽく書いておいて、あれなのですが、
二択が残った場合私は常に「脳が出す欲」を優先し、せっかく考え抜いたもう一方を捨てます。
そして全てをリセットし「脳が出す欲」をベースに動機と行動の再構築を行います。
私の前のコラマーである清水潤氏が「常に難しい選択肢を選ぶ」と書いていましたが、
私の勝手な解釈では、私が上に書いた考えと同じ原理の気がします。
私は行動の根本「動機」を選択欄におきました。
清水氏はきっと動機からくる行動そのものを選択欄においているのかな。
おそらく私達が選んだ選択肢は同じものになるはずです。
同じ原理の選択手法を、万人に理解できる方法で表に出した清水氏と、
自分にしか理解できない方法で表に出す私。
(皆に好かれる清水と、皆には好かれない私・・・
みんなに好かれたいと思っているわけではない清水と皆にすかれたい私。
清水のくせに。清水のくせにぃいいいい。)
おっと危ない。最後はきれいに終わりたい。
きっとスケーターにはもっと異次元な回路で答えに到達できる人種もいるはずです。 
そんな方々にもぜひ会って話を聞いてみたいですね。

skate column立石和
1回目 2014/10/15 『Hello, World!』
2回目 2014/11/5 『悩ましい』
3回目 2014/11/19 『生きることが楽しくて仕方が無い』
4回目 2014/12/4 『動機 行動 実績』
 
 
Copy right © INTERSTYLE Co.,Ltd All Rights Reserved.