interstyle magazine
 COLUMN

skate columnSNOW COLUMN 2011/11/16

 

小泉保
東京都出身。
「スノースタイルパーク」を展開する(株)ボードスマートの代表取締役。
広告業界に25年、外資会社の日本に於ける広告コミュニケーションの立案、実施、検証を数多く手掛けた。シック(カミソリ)の「キレテナ~イ」、ティファール(鍋)の「取っ手の取れ~る」、ディズニービデオ「アラジン」は大ブレーク。そして、外国タバコ「KOOL」を担当したことが、後にスノービジネスに従事するきっかけとなった。2006年4月、日本で唯一、スノーボードパークを企画、造営、運営、広報、集客促進する専門会社「ボードスマート」を設立、現在に至る。
1回目 2011/10/5 『日本で唯一、スノーパーク専門会社の立ち上げ』
2回目 2011/10/19 『あればいい…ではなく、差別化、集客促進要因』
3回目 2011/11/2 『課題は新しいアイデアの母…サーフライドパーク』
4回目 2011/11/16 『「スノースタイルパーク」で働くディガーは専門職』

『「スノースタイルパーク」で働くディガーは専門職』


こんにちは!
ボードスマートの小泉保です。 
「スノースタイルパーク」 では、企画やレイアウトはプロデューサーが責任をもち、
一方、ディガーは造成や保守管理を行います。
そこで今回は、スノースタイルパークで働く 「ディガー」 についてお話します。

質問です ・・・・ ディガーって、具体的にはどんな仕事をする人達?
ディガーの語源は dig 穴を掘る、だからdigger は穴を掘る人 ・・・・ 
雪をスコップで掘ったり、盛ったりしてキッカーを創る ・・・・ 何となくわかりますよね。

スノースタイルパークで働くディガーも、スコップを手に仕事をしますが、
実はもっと大きい責務、
ひとことで言えば(スキー場のスタッフとして)お客様とのコンタクトポイント、
つまり接点を担うようにシステムを作っています。

次の質問です ・・・・ あなたが一人の客としてスキー場に行った時、
何人のスキー場スタッフと、どんな会話をするでしょうか? 
リフト券を買うとき、リフトに乗車するとき、レストランで注文するとき ・・・・ 
言葉でのやりとりはあっても、会話ではない ・・・・ 
そうです、お客様とスキー場スタッフは、ほとんど会話をしないのが現状です。
スノースタイルパークで働くディガー達の責務の1番はスノーパークの保守管理ですが、
次に大切なのは、来場したお客様との積極的な会話です。
スノーパークは、パンフレットに記載され、ゲレンデにあればいいのではなく、
その施設が、多くの、かつ初心者から上級者まで、皆、安全に楽しんでもらってこその成果です。
よく観察していれば、お客様がスノーパークを楽しんでくれているかどうかは、ある程度はわかります。
しかし、小さな不満や要望はお客様から、友達のように、自然に、打ち解けてお聴きしなければわかりません。
スノースタイルパークは、ここで聴ける小さな一言を、毎日反省会を行い、保守管理に反映させています。
ディガーとお客様との、コミュニケーションのとりわけ濃い活動が、「毎日パークレッスン」です。


「毎日パークレッスン」は、5年前、ボードスマートが日本で初めて取り組みました。 
スノーボードレッスンではありません、ですから、板の履き方、滑り方は教えません、
では何をレッスンするか ・・・・ 
初心者にはスノーパークのマナーから、どう恐怖心なくスノーパークに入っていくかを、
初級者には簡単なレールの擦り方、ゆるいキッカーの飛び方を、
中級者以上には、どうラインをとったら面白いかなど、
1時間、¥1,000でレッスンします。 しかも、そのレッスンの講師はディガーです。
ディガーは、毎日、スノーパークを保守管理していますから、スノーパークの隅々を知っています。
毎日パークレッスンを通じて、参加者がスノーパークの楽しさを感じ、掴み、この小さな喜びが、
今シーズンまた、来シーズンまたと、スキー場にリピートしてくださる一助になればと願っています。



このように、リゾートバイトや単純な肉体労働ではなく、
スノーパークの専門職としてディガーを処遇することは、(株)ボードスマート設立時の基本的な考えです。
(株)ボードスマートは、「スノースタイルパーク」 で働くディガーと、まず、雇用契約書を結びます。 
雇用契約書では法定労働時間を規定し、労災保険に加入し、賃金を規定します。

雇用契約を結ぶということは、(株)ボードスマートの「本気」を理解してもらい、
同時にディガーの、スノースタイルパークで働く 「覚悟」 を約束する意味をもちます。
この雇用契約書には、スノースタイルパーク安全管理マニュアル、作業手順書を添付しています。


労働条件の規定と、スノースタイルパークで働く以上、何を守らなければならないか、
この約束があてこそスノースタイルパークの維持管理ができますし、
同時に、スキー場が安心して我々にスノーパークを任せてくれるのです。
契約書やマニュアルなど、堅苦しいかもしれませんが、
この点こそ、仲間が集まって自分たちの好きなようにスノーパークをつくるのと、
万が一に備えをもち、目的はひとつ、スキー場の来場者を増やし、お客様に楽しんでもらいたいと、
株式会社が事業としてなすこととの違いであると思います。

スキー場は長らく装置産業 ・・・ ゲレンデ、レストハウス、リフトなどの施設を用意し、
お客様の来場を待つ産業、でした。 
一方、スキー、スノーボード人口の減少など不況はスキー場にも深刻となり、
一転、積極的にお客様を呼び入れる策を講じなければならなくなりました。
スキー場にも、顧客満足やブランド、リピートしてもらう仕掛けなど ・・・・ 
マーケティングが必要になっています。
もはやスキー場は長年の先入観を棄て、
今、ここに来てくださっている客層を見極め、また潜在している顧客層を模索し、
彼らに何を提供したら喜んでもらえるかを考え、実施すること、これが避けて通れなくなっています。 
スキー場のマーケティング課題の解決策のひとつとして、ボードスマートは、
客層や地形を反映し、安全で怪我や事故の起こりにくい高品質なスノーパークの企画、運営に加え、
集客促進や顧客満足調査、そしてこのような教育されたディガーを派遣するパッケージ、
「スノースタイルパーク」 を提案しています。

今迄4回、私のコラムをお読み頂き、ありがとうございました。 
シーズンはもうすぐそこ、どうぞ事故や怪我なく楽しいパーク遊びを楽しんでください、
5箇所の 「スノースタイルパーク」、
川場スキー場、ノルン水上スキー場、ダイナランド、武尊牧場スキー場、アルツ磐梯でお待ちしています。 
では!

snow column小泉保
1回目 2011/10/5 『日本で唯一、スノーパーク専門会社の立ち上げ』
2回目 2011/10/19 『あればいい…ではなく、差別化、集客促進要因』
3回目 2012/11/2 『課題は新しいアイデアの母…サーフライドパーク』
4回目 2011/11/16 『「スノースタイルパーク」で働くディガーは専門職』
 

 
Copy right © INTERSTYLE Co.,Ltd All Rights Reserved.