interstyle magazine
 COLUMN

skate columnSNOW COLUMN 2014/10/1

COLUMN INDEX

Photo by Tsutomu Endo
丸山 隼人(bubbles)
1971年新潟生まれ、91年からプロとして活動。
3D地形のスロープデザインを多数手がけ「THE WALL」「GENTEM BOWL SESSION」
などのBOWLイベントを通じて、日本のライディングカルチャーを伝えている。
現在は白馬「HAPPO BANKS」の監修に従事。
夏場は長野県野尻湖、日本海を中心にSUPのツアー、
スクール「LAKE SUP NOJIRIKO」http://slopeplanning.com/sup を開催。
スポンサー:GENTEMSTICK, patagonia, Sal Protection, DOVE WETSUITS,
HESTRA, ZEN NUTRITION, SNOW SHAPAR
1回目 2014/8/27 『自己紹介』
2回目 2014/9/2 『オフ』
3回目 2014/9/17 『とあるBANKSの日』
4回目 2014/10/1 『その先』

『その先』

もう10月になる。いつも10月って何をしてたか。
滑るとしたら早いところで立山、志賀の渋峠もあったな。
春の立山よりは秋の方が多く、何度か滑りに行った。麓はまだ紅葉してる時季だったかな。
初めて行った時のメンバーはmellow’sとSTORMYの合同クルー。この時、初立山で初滑落した。
ノーズに2つ穴を開けて紐を通し、腰に縛って引き摺るスタイルを教わっただけの駆け出しがポールもアイゼンも持たずにノコノコ付いて行った末、雄山を目指す先頭メンバーが稜線の向こうに消えて間もなく、パコパコなブーツのつぼ足でそれ以上登れなくなったところで何とか近くの岩場に取り付き、紐をたぐり寄せ板をキャッチしたところで足が滑って落ちた。
何百メートルも滑った、様な気がしたけど実際は100mも落ちてない気もするが、岩のすぐ脇をかすめた時は肝を冷やした。頭が下になろうとするので体勢を戻そうと必至なのだが、結局頭から行ってしまう。
シュー、、、。
ボトムまで行って止まった目の前に山スキーのオジさんがいた。
「滑ったねー」「岩危なかったなぁ」
「はい」
「気をつけてねー」
「はい」
無事だったけど結構怖かったので次に行く時にはアイゼンを買った。
10月に行った渋峠は、一足早く雪を観に行ったみたいな記憶だが、あまり滑った憶えが無い。忘れたんだろう。
どちらかと言うと春の方が印象深い。スノーシェッドを飛んだりログに当て込んだり。そういう頃だったから。
そういえば厳冬期にも行っている。ストーミーチーム、JPや崇がいた。
誰だったかな?アタックしてトラックほどの大きさの崩れた雪庇と一緒に斜面を落ちて行ったの。見てて怖くて笑った。
スノーボードの記憶はどちらかと言うと怖い思いをした時の方がやや鮮明だ。
気持ちいい時の記憶ももちろんあるのだが、全体的におぼろげで、輪郭は溶けて無くなったみたいな感じ。
それに比べると怖い記憶は感覚がリアルで、想像して鼓動が速くなったりアドレナリンが出るような感じでドキドキする。
最近で言うと(と言っても10年前だが)ジャクソンホールの崖だらけの斜面やクリフの上で足が震えたのを思い出す。腰がガクガクだった。
あれはもう無理だろうな~と思いつつ、また行きたいと思う自分もいる。克服したいと思っているのか、次行ったら案外平気なのか。
まるで怖いのが好きと言ってるようだけどそんな訳じゃ無くて、死と隣り合わせとか、命知らずとかって言うのは全然お断り。
ちょっと怖いくらいを技術や気合いで克服し、レベルアップして行くのがわかり易く楽しくて気持ちいいのだろう。
そうしながら身につける技術や感性によって、それまで見えなかったものが見え出すからやめられなくなる。
何の世界でもそうなのだろうが。
この冬も「ちょっと怖いその先」を見てこよう。

Photo by Hiroyuki Yamada
Photo by Hiroyuki Yamada



snow column丸山 隼人(bubbles)
1回目 2014/8/27 『自己紹介』
2回目 2014/9/2 『オフ』
3回目 2014/9/17 『とあるBANKSの日』
4回目 2014/10/1 『その先』
 
 
Copy right © INTERSTYLE Co.,Ltd All Rights Reserved.