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skate columnSKATE COLUMN 2015/1/7  

Leo Takeishi / 武石レオ
スイッチスタンスでのステアーやカーブトリックを武器に、九州を拠点に活動するテクニカルスケーター。ストリートもパークもそつ無くこなす実力派。フロリダで開催される世界のアマチュアスケーターの登竜門、タンパ・アマへの参戦や自身ら主宰のスケートクルー "FLC" 名義でDVDをコンスタントにリリースするなど現場重視の精力的な活動を続けている。
1回目 2014/12/17 『スケートボードの魅力』
2回目 2015/1/7 『スケートボードと撮影』
3回目 2015/1/21 『スケートボードと環境』
4回目 2015/2/4 『スケートボードの本場』

『スケートボードと撮影』

あけましておめでとうございます。
無事に新年を迎えましたが、皆様お正月はいかがお過ごしだったでしょうか?

スケーターにとって正月はある意味掻き入れ時。
セキュリティも甘々で撮影に行くスケーターが多いと思います。
僕も今年で15年目のスケートボード歴に突入致しまして、
正月からの撮影は毎年恒例で今年も行って参りました。と、言いたかったのですが、
今年の年越しは全国で大荒れの天気で福岡も悪天候の年越しだったので
正月の撮影は行けずでしたが、先日改めて行って参りました。
今年を占う最初の撮影はしっかり映像を残して流れに乗っていきたいですね。
今回はこの撮影について、自分史と共に書きたいと思います。
ここ最近はスマホや一眼レフなどで手軽にHD映像の撮影が出来るようになりましたが、
僕が初めてビデオカメラを使ったのは高校一年生の頃で、
DVテープを使った撮影でパソコンや編集技術もなく、
見よう見まねで撮影をしてはテープの上から重ね撮りして、
ビデオデッキを二台使いアナログで編集をしていました。(笑)
まだKICKFLIPやBOARDSLIDEが初メイク出来た頃の映像でスキルもまったくないのに、
それを重ね撮りで編集して自信満々に福岡のOUTSIDEというスケートボードショップに持って行き
スポンサーミーとして見て頂いたのは今でも懐かしい思い出です。
ちなみにOUTSIDEは後のショップスポンサーになります。
僕は今では自称家電スケーターってことでPCやカメラ、家電が大好きなのですが、
中高生の頃は全く知識もない状態でのスタートでした。
ただ撮影に関しては撮られる側としても、撮る側としても好きだったので、
今でもスケートボードの映像を撮るのは得意としていて、
上京したり海外に行った時はライダーとしてもフィルマーとしても動けたので
若いうちから挑戦していて良かったなと思える部分でもあります。
当時はまだ画面比が3:4の時代でしたので
普通のハンディカムビデオカメラに何万円もする魚眼レンズを装着して撮影していました。
そしてちょうど成人した頃に上京し、スケートボード雑誌に掲載して頂いたり
大手メーカーとの契約もしたりと、環境にも恵まれたおかげで、
スケートボードで稼いだお金で貯金も貯まりSONYのVX2000をやっと購入しました。
あの日の感動は忘れません。(笑)
本体だけで2~30万はして魚眼レンズも10万前後だったのでかなりの出費でしたが、
自分の映像だけでなく、仲間やスポンサーライダーとしての活動、自分達で主宰するFLCのDVD製作など、
故障することなく活躍してくれたので本当にビデオカメラには感謝ですね。
そのあとVX1000の色味や音の拾い方、魚眼率の素晴らしさに魅かれ
魚眼レンズでの撮影はVX1000で行い、望遠の映像はVX2000で撮影するという形で落ち着きました。
それからHD撮影の時代に突入して
自分達で主宰しているFLCのDVD第三弾「FIND MIND」を発売した以降は
今日までHDで撮影をしているのですが、
正直なところVX1000の質感には敵わず、VX1000で撮りたいなと思うこともあります。
今でも海外の一部の有名スケーター達はあえてVX1000を用いて撮影するほど
スケート界に大きな影響を与えた名機として崇められています。
自分的にもVX1000が大好きなのですが、
10年後20年後に少しでもきれいな映像で観れたらなと思い
今はHDの撮影に拘りHDの良さを生かした撮影を心がけています。
スケーターのPR方法としてはやっぱり映像が一番わかりやすく伝えられるので
最近ではYouTube以外でもSNSなどで動画投稿が当たり前になってきて、
HD時代に突入してからの撮影機器の進歩や撮影の手軽さの勢いは凄まじいですね。
海外でも、今まではビデオとして販売していたタイトルも
Webを使った広告の一環として無料で観れたり、発売前に限定で1日だけ観れたり、
あの手この手を使った販促や、素人が撮ったヤバい映像などを有名なサイトがピックアップしたりと、
本当の意味で実力社会というか透明化してきてる部分もあるし、
上手いスケーターも世界中にはゴロゴロいて
SNSを開けば毎日のように新しいトリックやヤバい映像を見ることができ、
動画の飽和状態と言った感じでしょうか。
難しいトリックで魅せるのか、
スタイルで魅せるのか、
作品で魅せるのか、
あるいはすごい機材を使って魅せるのか、
注目されるには人と違った何かが必要な時代ですね。
日本でもプロライダー、スポンサーライダーを目指して
YouTubeやSNSでの動画投稿が当たり前になってきましたが、
有名になり注目されるにはどういうスタイルを出していくかというテーマやコンセプトも
考えながら撮影するということも大事なことですかね。
僕自身の拘りとしてはメイク後の着地、手の動き、天気やスポットの雰囲気で撮り直しをして、
自分の納得のいくメイクとカメラワークの一体感と
自分が見てかっこいいと思えるフッテージになるように心掛けています。
これからスポンサーを探したり、プロを目指すスケーターにはなにかヒントになればと思います。
まあ言うのは簡単ですが、
僕も日々の撮影は試行錯誤しながらやってるので
初心を忘れずこれからも撮影に打ち込んでいきたいと思います。
2015年もよろしくお願いします。

skate columnLeo Takeishi / 武石レオ
1回目 2014/12/17 『スケートボードの魅力』
2回目 2015/1/7 『スケートボードと撮影』
3回目 2015/1/21 『スケートボードと環境』
4回目 2015/2/4 『スケートボードの本場』
 
 
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