interstyle magazine
 COLUMN
skate columnSKATE COLUMN 2015/2/4  

Leo Takeishi / 武石レオ
スイッチスタンスでのステアーやカーブトリックを武器に、九州を拠点に活動するテクニカルスケーター。ストリートもパークもそつ無くこなす実力派。フロリダで開催される世界のアマチュアスケーターの登竜門、タンパ・アマへの参戦や自身ら主宰のスケートクルー "FLC" 名義でDVDをコンスタントにリリースするなど現場重視の精力的な活動を続けている。
1回目 2014/12/17 『スケートボードの魅力』
2回目 2015/1/7 『スケートボードと撮影』
3回目 2015/1/21 『スケートボードと環境』
4回目 2015/2/4 『スケートボードの本場』

『スケートボードの本場』

あっという間に4回目を迎えたインタースタイルのコラム。毎度お読み頂きありがとうございます。
4回ではまったく足りないのですが、僕がスケートボードに対して大切に思うことについて
過去3回のコラムで書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。

僕のコラムの最終回は、スケートボードの本場アメリカについて、
スケートボードを楽しんでる人やプロを目指すスケーターに少しお伝えできればと思います。

その前に一度自分史に戻るのですが、僕は中二で福岡市の郊外でスケートボードを始め
前回のコラムで書いたホームスポットで練習し、
高校生になってからは福岡市の中心部に移り20歳から22歳までは東京で活動し、
今に至るという一言で表すとこんな感じなのですが、
このスケート歴15年の間にアメリカには少ないですが3回行くことができました。

1回目は17歳の頃でまだスポンサーもついておらず、
たった一人であてもなくL.Aに1~2ヶ月ほどスケートボードの旅に出かけました。
僕にとっては本当にこの旅が一番の良い影響であり、
これまでスケートボードで活動できた証だとも思っています。
この時はホテルも予約せず行ったのですが、
まずLAX(ロサンゼルスの空港)で迷いました。
英語も喋れず、途方にくれてると、
たまたま仙台から別の便できた大学生くらいのスケーターと遭遇し、奇跡的に助かりました。
まずこの時感じたのは自分が動けばまわりが変わるということでした。
自分が積極的に動いて壁にぶち当たっても神様が助けてくれてるという、ポジティブな発想に至りました。
若かったというのもあるので安易な考えかもしれないですが(笑)。

そんな感じで17歳のアメリカの旅が始まり、
現地でいろんなスケーターと友達になったり、
L.AのDOWN TOWNにあるSKATE SHOPにお世話になったり、
旅の最後でお金がなくなりそうな時にはスケーターの家に泊めて頂いたり、
いろんな驚きや発見、感動など大切な事がたくさん詰まった旅になりました。
そしてスケートボードの歴史や本場を知ることもでき、シンプルに世界レベルを体感でき、
国技として当たり前のように生活の一部となってるスケートボードの文化を知ることができ、
スケートボーダーとして一皮剥けたというか、
真のスケーターになったというか、
あくまで主観なのですが、そんな気持ちになりました。

やはり何をするにも本場を知る(カルチャーショックを受ける)ということは
大事なことなんじゃないかなと思っています。
フランス料理人を目指すならフランスに一度は行くべきですし、
サッカー選手になりたければヨーロッパやブラジルに行くべきなんじゃないかなと。
ただプロを目指す目指さない問わず、単純に旅というのは自分を成長させてくれるものであり、
世界から見ればいかに自分がちっぽけなのかを教えさせてくれて、
そして一番は楽しいものであるということに変わりはないです。
そんなわけで福岡でも仲間や後輩達、
プロを目指すスケーターにはアメリカへのスケートボードの旅の良さを伝えてますし、
僕の後に続けと仲間や後輩達がアメリカに行ってくれて嬉しい限りです。

僕も日本で今も活躍する先輩プロスケーター達がアメリカに行ってる姿を雑誌やビデオで見て、
アメリカには絶対に行かなきゃという気持ちがスケートボードを始めた頃からありました。
海外で活躍された日本人プロスケーターは若い世代に夢や希望を与えてくれて本当に憧れの存在で、
僕もそういう先輩プロスケーターの背中を見ながらすべってきたという感じです。

そんな貴重なアメリカでの初経験から約5年ほどした22歳の頃に、
フロリダ州タンパで毎年開催されているコンテスト「Tampa AM」出場を決意、
それが2回目の渡米になりました。

もともと大会は好きで、当時日本でのプロコンテストでは
入賞回数が多かったので少なからず結果を残せる自信があり
自分のスポンサーであるEXPEDITION ONEのアメリカの本社を通して出場権を得て出場してきました。
結果は約120中の29位で予選落ちでしたが、
今活躍する超有名ライダー達とコンテストを通して
すべれたのは何物にもかえられない貴重な経験になりました。

その後5年くらい経ち3度目の渡米で再度L.Aに行ってきました。
5年飛びなのでスケートボードのスキルだけじゃなく、
使う機材やブランドの入れ替わり、
デジタル社会になり世代の移り変わりも見えたりと、
10代の頃の見え方とはまた違った見え方もできました。
またEXPEDITION ONEのライダーとして10年になり
本社に挨拶に行けたりととても貴重な経験ができました。

今の時代はYouTubeを使って映像を配信したり
常に新しい映像をチェックできたり、
SNSでは有名人と繋がることが出来るので、
アメリカに行ったことなくても行った気になってしまいがちですが、
まだアメリカにスケートボードをしに行ったことがないスケーターは
是非自分の足を使って肌で本場のスケートボードを体感してほしいなと思います。

人それぞれ感じ方や経験はそれぞれですが、
自分のスケートボード人生や自分の生涯にとってはプラスになるし、
僕もまた5年内にはアメリカに行こうと思っています。

全4回、僕のコラムをお読み頂きありがとうございました。
今後もよろしくお願い申し上げます。

skate columnLeo Takeishi / 武石レオ
1回目 2014/12/17 『スケートボードの魅力』
2回目 2015/1/7 『スケートボードと撮影』
3回目 2015/1/21 『スケートボードと環境』
4回目 2015/2/4 『スケートボードの本場』
 
 
Copy right © INTERSTYLE Co.,Ltd All Rights Reserved.