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 COLUMN

skate columnSNOW COLUMN 2009/9/15

 

新美 育穂(にいみ いくほ)
1973/02/25生まれ
愛知県刈谷市のSHOP『SIDECAR』のオーナー、IJC国際PROジャッジ、JSBA技術審判員A級、日本スノーボード協会 FS部員、東海スノーボード協会理事、健康運動実践指導士、
日本赤十字社水上法救助員、他にも音楽イベント「feb」やOn Snowイベント「Natural Reaction Laboratry」を主催。
SIDECAR HP : http://www.sidecar.co.jp/ 
Blog : http://sidecarblog.jugem.jp/
1回目 2009/9/15 『ジャッジとスノーボードの関係』
2回目 2009/10/7 『雪と温暖化』
3回目 2009/10/21 『No Music No Life』
4回目 2010/11/4 『ドライパウダー』

『ジャッジとスノーボードの関係』

前回までのコラムを書いていたKUWAくんから、少し前に電話がかかってきた。
以前からPARTYやSURGEスノーボードのことで親交もあった彼だが、
いきなり「ちょっとお願いがあるんですが、、、。」と。
話を聞いてみると、このインタースタイルのコラムの件だった。
昨シーズンまでの雑誌「TRANCEWORLD SNOWBOADING」へのコラムもやっと終わったところで、
今度はこっちかい!みたいな。。。
今まではライダー以外でこのコラムの担当はないようなので、
まあ、お話を頂けるのも光栄な話、全4回どうぞお付き合いお願いします。
初回となる今回は、冬の間にしているジャッジとスノーボードの関係てきなことを書かせて頂こうかと、、、。
20代前半に、チームを作る際に知識としてあってもいいかと思い、
最初にJSBAの技術審判員C級という資格を取ったのがはじまり。
当時はハーフパイプの種目がほとんどだった時代で、
インバーテッドと呼ばれる縦回転が禁止されていた時代で、
今に比べればホントに技術的には比較にもならない時代だった。
山崎勇亀がちょうどプロに転向する頃で、冬場は毎週の様にどこかの大会でジャッジをしていた。
数年後、東海地区でジャッジをしていた僕をJSBAの本部のスリースタイル部(以下 FS部)からお誘いがあった。
たしか1998年位だったと思う。
その頃のFS部のメンバーと言えば、GENTEMSTICK「玉井太郎氏」、
GENTEMのオリジナルメンバーでもあり現JSBAFS部長の「石井慶氏」、
スノーボードの歴史とも言える「石原繁氏」、
北海道SCRAMBLE U.S.Aのオーナー「西田好一氏」、
大阪でプロスケートボーダーの「塩谷眞吾氏」、
湘南のサーファーでもあり八甲田を知り尽くす「岡本典彦氏」、
第1期女性プロの「和田 千鶴氏」などそうそうたるメンバーが在籍し、
当時のスノーボードコンペシーンを牽引していた。
そしてFS部に所属することによって、
同時にInternational Judge Commission (以下IJC)というジャッジの国際資格を取得することになり、
大きな大会でのジャッジがスタート。
「TOYOTA BIG AIR」や「BURTON NIPPON OPEN(現ASIAN OPEN)」、
SLOPE STYLEなどの国内の大会に加え、海外でもジャッジをすることが多くなった。
IJCの絡みで、アメリカ、スイス、イタリア、ドイツ、オランダ、カナダなど
色々な国にジャッジとして派遣され、
世界各国のジャッジと約1週間の生活を共にしながら、
クオリファイからスーパーファイナルまでのジャッジをこなしていく。
時には過酷なフィールドもあり、寒さと集中力と戦いながらジャッジすることもあれば、
RIDERからのクレームを受けることもある。
ジャッジテントに「Ross Powers」や「Jim Rippy」「Daniel Frank」などが怒鳴り込んできたこともあった。
US OPENのスロープスタイルでは、マイナス10℃でテントも暖房もなくジャッジしたり、
自分の憧れていたRider「Terje Haakonsen」をジャッジすることもあった。
IJCでのジャッジは自分自身のパフォーマンスを今まで以上により向上させてくれるのはもちろん、
それ以外の部分でも世界各国の情勢、温暖化の状況などを知ることができ自分の価値観も大きく変化していった。
ジャッジという物は人間が人間を評価するもので、タイムや順位で明確に結果がいつも同じ訳ではない。
その為、個々のジャッジングについて、いつでもシビアに評価される。
もちろんRiderの中には自分の生活や未来がかかっている奴もいるし、その結果には大きな責任がかかっている。
その為、いままでにはいくつもの感動や悲しみの場面も見てきた反面、
一生懸命やっていても非難されジャッジをやめていった人もいた。
スノーボードは体操のように型にはまった物ではなく、元々がより自由奔放「style」が表現されていた。
昔は今まで以上にstyleという言葉もよく耳にしたし、
昔のジャッジ基準には「style」を評価する項目も盛り込まれていた。
もちろん今でも「style」を気にしている奴らも多いし、コンペシーンでも評価していない訳でもないが、
ちと、昔ほどの重みが無くなっている気がする。
この間、BURTON GLOBAL OPENの初戦「NZ OPEN」をNET LIVEで見た。
ShownWhiteがW.cork→W.corkのルーティーンで優勝した。
技術的には次のステージへ突入し、
また今後もスノーボードのコンペシーンはどんどんレベルアップしていくだろう。
技術の向上はもちろんすばらしいことだし、それがなければ魅力もなくなっていくだろう。
しかし忘れないで欲しい、今後もスノーボードの本質を。

過去いった数多くの大会から一部の写真をpick upしてます。
2001 Junior World Chanpionship@ Italy

2003 BURTON NIPPON OPEN@石内丸山

2004 BURTON US OPEN@USA

2007 Toyota Big Air@札幌

 

 



snow column新美 育穂(にいみ いくほ)
1回目 2009/9/15 『ジャッジとスノーボードの関係』
2回目 2009/10/7 『雪と温暖化』
3回目 2009/10/21 『No Music No Life』
4回目 2010/11/4 『ドライパウダー』
 
 
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