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 COLUMN
surf columnSURF COLUMN 2013/5/8  
瀬筒雄太
親父の影響で10歳からサーフィンを始める。
半年後に中村清太郎君のライディングを見て衝撃を受け、ロングボードと出会う。
それからプロを目指し14歳の時にJPSA公認プロロングボーダーの資格を得る。
その後は千葉・太東に移住し国内外のコンテストに精力を傾けるも、
その最中でサーフィンに対する価値観が変わり、20歳の時に日本のツアーを退く。
現在は海外のトリップやフリーサーフを楽しむ傍ら、
プロ活動としてJoel Tudorが主催するDuct Tape Invitationalに参加。
1回目 2013/4/17 『ロングボードの持つ魅力』
2回目 2013/5/8 『第1回とのギャップ。アップエンドダウン。』
3回目 2013/5/22 『9’6』
4回目 2013/6/5 『From Bali』

『第1回とのギャップ。アップエンドダウン。』

前回はロングボードの魅力について語ったわけですが。第2回は「ギャップ。」前回書いたことがあまりにも世間体でそれらしかったので、今回は違う部分を書いてみようと。日々メンタルは上昇・下降の繰り返しですから、二面性を持った意見というのは当然で。読者のかたもオープンな思考で、その文字ひとつひとつから人間性を感じてほしいです。
振り返ることに共通して、いつも思うことですが。自分の足跡や残してきた軌跡というのは、きれいであって卒なくまとまっているほどつまらないものです。踏み外しながらはみ出しながら残してきたものは、自分の想いと気持ちが詰まっています。かけがえのないものです。前回の文章を読み返すと面白いくらい笑えてきちゃって。笑 自分の書いたものではないくらい、「セヅツユウタ」っていうコピーライターが居たのか、と思うほどの内容です。だから―。
前回がアップだとしたら今回はダウン。陽から陰への転換移動。アウトからインへ。相対的な流れにおいてのトリムは、サーフィンの中では絶対的で。それに道具や波・場所は選ばない。そこにどう向かうかという自分の立ち位置があるだけ。ただロングボードで突っ立っているだけでも、スピードのトリムは欠かせない。板を動かさなくても良い。波のパワーを少しも逃さず、サーフボード全体で受けて、足でしっかりと踏込み、前へビュンと飛び出す。シンプルでありながら最高の快感。同調。このシンプルな動きに魅せられて人はズブズブとサーフィンにのめり込む。日々パドルアウトする。時には何かを投げ打って、捨て去って見向きもせずに。生涯パドルアウト。そんな人の背中は大きく、笑顔はとても美しく。ヒトとして生きる、本当の豊かさに直面する。
本当の意味で生きていくこととはなんなのだろうか?サーフィンはシンプルに教えてくれる。歩む道に迷った時も、歩むべき道を見出してくれる。そして迷わせてくれる。その中でトリムすることは、まさしく波を乗ることで、生きる事と同じく、素晴らしいことで。対人間・対友人・対恋人・対家族・対動物・対植物…対となるものに向き合う術を教えてくれる。
波は自由。気ままにブレイクするその様に、パドルして乗ろうとするわけだから、からっぽで純に向き合わなければならない。上手く乗りこなすためには。でもどうだっていい。ひとりひとりが純に波を乗り、快感を得て、その素晴らしさを獲得できるなら。それだけでひとつの自己完結になる。
志半ばで倒れていく人たちの想いや気持ちを汲み取って、自分らしく生きていく。
まだ見えぬ将来を思ってサーフィンの素晴らしさを伝えていく。
ただそこに生きた証があることが、とても綺麗で素晴らしい。
そう思いたい自分と思わせないようにする自分との葛藤。
日々パドルアウトするように、日々チャレンジし続けたい。
自分なりのスピードで。
サーフィンってそう思わせてくれる。
スタイルなんて言葉はクソくらえだ。
そんなのいちいち考えて出す暇があったら
前に前に自分自身を出していこう。
いつやるの?今でしょ!

surf column瀬筒雄太
1回目 2013/4/17 『ロングボードの持つ魅力』
2回目 2013/5/8 『第1回とのギャップ。アップエンドダウン。』
3回目 2013/5/22 『9’6』
4回目 2013/6/5 『From Bali』
 
 
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