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 COLUMN
surf columnSURF COLUMN 2014/7/2  

田原 啓江
2001年JPSA公認プロサーファーとしてデビュー。
ツアー優勝経験もある息の長いトップ選手として活躍中。
女の子為のサーフィン大会やイベントも開催し、選手のみならず後進の育成にも努める。
1回目 2014/6/18 『メンタルを鍛える』
2回目 2014/7/2 『フィジカルを鍛える』
3回目 2014/7/16 『感性を磨く』
4回目 2014/8/6 『積極的に生きる』

『フィジカルを鍛える』

こんにちは、田原啓江です。
1回目のコラムは「メンタルを鍛える」でしたが、2回目の今日はフィジカルについてお話したいと思います。
サーフィン以外のトレーニングをしている方、また始めようとしている方、まったくトレーニングに興味がない方も読んで頂ける内容を心がけました。読んで頂けると嬉しいです!!


さて一般にプロスポーツ選手としては、自分の体重と同じ重量を扱うスクワット(数セット)が出来ることが最低限のフィジカルの強さの目安だと聞いています。
しかしながら。たとえどんな重量を上げられたとしても、競技のパフォーマンス向上に結びつかないトレーニングは「やった感」だけの満足で、個人の自信にはつながるものの、本来のフィジカル・トレーニングとしては失敗といえるのではないでしょうか?
競技イメージが広がる形でのフィジカル・トレーニングをすることが重要です。
実際のサーフィンの競技中や練習の間は、意識は自分から外(フィールドの動きや目標物、例えば波など)に意識が向いた「外的集中」の方がパフォーマンスは上がるそうです。
つまりは、競技中や練習中は何も考えずにやった方がよろしい!!
海の中で「あーして。こーして。・・ここを修正して。」は・・実は私もやっていましたが、周囲の状況に噛み合わないばかりで実際のところはナンセンスだそうです(笑)
上達の鍵はやはり、「陸上」にありそうです。自分のイメージに近い形で体を動かしながらのトレーニングを行うことをお勧めします。

そしてもう一点。
最大のパフォーマンスを発揮するために見逃せないテーマであり、最近特に研究が進んでいる「自立神経」について取り上げたいと思います。
多くの方がご存じだと思いますが、自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。交感神経は、血管を収縮させ血圧を上げる、心拍数を速める、発汗を促すなどアクティブな働きをします。一方、副交感神経は、筋肉を緩めたり、血管を開かせたりなど、興奮状態をトーンダウンさせる働きをします。
適度な緊張の目安としては、交感神経と副交感神経の比率が3:2というものです。この比であれば、スポーツでも何でも最大のパフォーマンスが発揮できるとされています。ストレスや不安により交感神経が高まり過ぎると、
筋肉が緊張し過ぎた状態になってしまい、パフォーマンスに妨げが出てしまうというわけです。
副交感神経は、交感神経の高まりを押える働きを持っているのですが、男性では30歳以降、女性では40歳以降に機能が下がってしまうというデータがあります。
しかしながら、ある程度のコントロールは可能で、ヨガをはじめとする一定のトレーニングで効果があるとされています。
ご存じの通り、人間の体には無数の筋肉がありますが、そのすべての筋肉が意志の力でコントロールできるというわけではありません。筋肉の基本的な性質を知っておくために、随意筋と附随意筋という筋肉の区分について簡単に説明してみます。
随意筋とは、簡単に言うと、自分の意思で動かすことができる筋肉です。例えば腕の力こぶの部分に当たる上腕二頭筋など。
これに比べ、附随意筋とは、自分の意思によって動かすことが出来ない筋肉で、心臓や胃の筋肉などがこれにあたり、なんと自律神経によってコントロールされています。
しかしながら、この「呼吸」は自律神経が司る中で、唯一意識的に調節が可能です。
ヨガの呼吸法が、自律神経のコントロールに有効に働くはこのため。呼吸を使えば、自律神経に意思を持って働きかけることができるのです。
日常の試合の前や会議で自分が発表しなければならない場合でも、ある程度の呼吸法のトレーニングは有効なようです。
緊張や不安なときは鼻から大きくゆっくりとした呼吸を心掛け、逆に気持ちが乗らず、やる気が湧いてこない時などは呼吸を短く強く区切ってパッパッと行う。
せっかくのフィジカルの強さが無駄なく発揮されなければ、残念なことですね。
鍛え上げることと共に、その方向性や発揮の仕方も重要になります。
参考にして頂けたら嬉しいです。

さて、まったくトレーニングに興味がない方々。
海は息抜きの場と捉えている方々。
そんな方にもやはり私は、海に足を運んで頂きたいと思います。
日頃溜まったクヨクヨ、イライラも、海から昇る朝日を30分程度浴びるだけで自律神経にかなり有効に働きます。
どんな呼吸法にも、トレーニングにも勝るのが自然の力。

自然の中で生命力を取戻し、鋭気を養ってください。
自然に前向きな気持ちになります。
人間は生物界でも最高位の生き物。
人間本来、そんな強さを持って生まれてきました。
朝日に包まれると常々・・・私は、そう実感してやみません。
よく「心・技・体」と言われますが、それぞれ別のものでしょうか?
私は「強い体に強い心が宿る」ように、密接にリンクした一体のものだと考えます。

なので、私から皆様へ。
フィットネスのお勧めでした☆

surf column田原 啓江
1回目 2014/6/18 『メンタルを鍛える』
2回目 2014/7/2 『フィジカルを鍛える』
3回目 2014/7/16 『感性を磨く』
4回目 2014/8/6 『積極的に生きる』
 
 
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