interstyle magazine
 COLUMN
surf columnSURF COLUMN 2016/1/6  

ヒゲ散歩(奈良英司)
発足15周年を迎えたTOKYO発ブランド”73R”を有する、SEVEN THREE FACTORY代表。
1973年TOKYO生まれの、TOKYO育ち。サーフィン歴は、意外にもう26年。
左利きのグーフィーフッター。TOKYOブランドを世界へ向けて発信中。
http://www.73-r.com/
1回目 2015/12/2 『ヒゲとサーフボード』
2回目 2015/12/16 『ヒゲ散歩』
3回目 2016/1/6 『ヒゲとTATTOO』
4回目 2016/1/20 『ヒゲとTOKYO』

『ヒゲとTATTOO』

2016年になりました。
おめでとうございます。
俺らのブランド73Rは、
2015年がちょうど発足15周年という、記念すべき一年だったので、
なにかと忙しくさせていただきました。
どうもありがとうございました。
それを経ての2016年。
気持ちも新たに、面白いことを探していきたいと思っていますので、
是非、お付き合い、よろしくお願いします。

さて、前回も言いましたが、
よそ様から見れば、俺って「あのヒゲの人」。
もっと言うなら「あの、タトゥーいっぱいのヒゲの人」かも(笑)。
なので今回は、そんなタトゥーについて書いてみようかと。
説教臭いことを言うつもりはありません。
あくまで自己満の世界なので。

今では格段に一般的になったタトゥーだけど、
例えば10年くらい前のサーフィンの大会なんかでは、
上半身裸で歩いていたら、
「入れ墨出して歩くな!」と、けっこう怒られたもんです(笑)。
フツーにビーチを歩いているだけなのに、いい大人が怒られる。
元々、サーフィンは不良かナンパな奴がやるものだった、はず?
なのに、日本ではタトゥーが入っていると、
それはついひと昔前まで、もっと別物の扱いだった。

海外で見るタトゥーは、なんて言うかもっと、
自分の個性を出す、1つの方法であるように感じるのに。
それが、日本だと、
昔から“入れ墨”の文化があることもあってか、
単純にファッションと、とらえられないのは確か。
悪いっていうか、怖いっていうか、
イメージ?固定観念?が先行しすぎなんですかね。

俺はハナっから、ファッションとしてタトゥーを入れました。
初めて彫ったのは、高1くらいのとき。
俺の高校時代なんで、本当にけっこう前の話(笑)。
背中の肩周りに手のひらサイズくらいで入れたんだけど、
もちろん学校にバレたら退学!っていう時代だったから、
夏はよくテーピング貼ってたな(笑)。
ただ何か入れたかったという、単純にカッコつけで、
そのタトゥーに、意味なんて特になかった。

それから数十年の間に、
気まぐれにタトゥーを増やしてきたけど、
そもそも、何がキッカケだったかって考えたときに、
やっぱり中学時代からサーフィンやスケートをやっている友達や先輩がいて、
自分自身もサーフィンやるようになって、
周りにいつも、海外のサーフィンビデオや雑誌があったからかな、と。
それに当時は、音楽もメロコアやスカ、ロックな感じが流行っていたから
そんな影響もあったなと、思う。

海外のサーフィンビデオとか雑誌って、
やっぱりカッコよくて、刺激的だった。
タトゥーも、ファッションっていうか、もう“スタイル”だった。

だから俺も、まったくもってその感覚で彫ってきた。
意味だの、どうこうではない!
人それぞれ、タトゥーに関しては考え方いろいろだと思うけど、
俺は今でも、ファッションだと言い張っています(笑)。

そして73Rのアイテムにも、
俺のタトゥーの半分以上を彫ってくれた、
彫蓮先生の和柄をひとつの“デザイン”として取り入れていて、

ウエットスーツは特にお気に入り。


サーフボードやスケートデッキにも、同じ和柄を採用しています。
ちなみに彫蓮先生とは、
アムステルダムで開催されるタトゥーコンペに2年連続で参加したことも。

と、ここまで言っておいて説得力ないけど、
今タトゥーを入れようか、どうしようか迷っている人。
まだちょっとも彫ってないなら、俺はオススメしません(笑)。
世間ではタトゥー禁止の場所が、逆にどんどん増えてきているからね。

ま、それでも入れたいと思うなら、とことん入れたほうがいい!
ちょこっととか、ワンポイントだけとかって考えるのはやめたほうがいい!
1も100も彫ったら一緒だから。

とことん好きなように彫る。
で、タトゥーが見えることによって、
嫌な気持ちになる人がいそうな場面では、
モラルとして、ちゃんと見せないように心がける。
そういうことも引っくるめて、
自己満の世界だから。

まぁ、そうやって見せないように心がけても、
タトゥーがっつり入っているのが知られているなら、
「あの人、怖そう」みたいなイメージは抱かれるんですけどね。結局。
でも、それはそれで、悪い気はしない。
不良に憧れる的な感覚ね!(笑)

むしろそういう感覚の奴らが当たり前に周りにいるから、
サーフィンって面白いはずだし、
昔からスポーツの中で唯一、タトゥー含め、
ファッションと繋がり続けてきたのがサーフィンで、
だからサーフカルチャーってカッコいいんだと、
思うんですけどね。持論ですが(笑)。
Text / Nao Shilin Anzai(editor・bikini addict)

surf columnヒゲ散歩(奈良英司)
1回目 2015/12/2 『ヒゲとサーフボード』
2回目 2015/12/16 『ヒゲ散歩』
3回目 2016/1/6 『ヒゲとTATTOO』
4回目 2016/1/20 『ヒゲとTOKYO』
 
 
Copy right © INTERSTYLE Co.,Ltd All Rights Reserved.