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surf columnSURF COLUMN 2016/1/20  

ヒゲ散歩(奈良英司)
発足15周年を迎えたTOKYO発ブランド”73R”を有する、SEVEN THREE FACTORY代表。
1973年TOKYO生まれの、TOKYO育ち。サーフィン歴は、意外にもう26年。
左利きのグーフィーフッター。TOKYOブランドを世界へ向けて発信中。
http://www.73-r.com/
1回目 2015/12/2 『ヒゲとサーフボード』
2回目 2015/12/16 『ヒゲ散歩』
3回目 2016/1/6 『ヒゲとTATTOO』
4回目 2016/1/20 『ヒゲとTOKYO』

『ヒゲとTOKYO』

泣いても笑っても、ヒゲのコラム最終回。

最終回までたどり着いて、よかった!
文章考えるなんて、基本やらないんで、
もっと続いたら、どうしようかと思った(笑)。

それなのに、毎回読んでくれて「面白い」とコメントをくれたり、
SNSでシェアしてくれたりした皆さん、ありがとうございます!
おかげで、ゴーストライターも喜んでおります(笑)。



さて、最終回くらいは、
しっかり自分のブランドの宣伝でもして終わろうかと(笑)。

宣伝っていうか、こだわり?
こだわりっていうか、願い?
みたいなもので、締めたいと思います。



そもそも、俺らのブランド73Rは、
2015年が15周年だったんだけど、
まさか15年も続けるとは思ってもいなかったから、
ブランド立ち上げ当初は、単純に着たいもの、欲しいと思われるもの、
そんな漠然とした服作りで、どんなブランドにしたいとか、特になかった(笑)。
ただ、年をとっても一生涯カッコイイ感じ、っていう思いはあって、
for life gold(これも意味とかより字ヅラ優先だった)をテーマにしてた。

特に強く意識していたワケじゃないけれど、
自然とイメージしていたのは、やっぱり“DOG TOWN”なんだろうと思う。
洋服だけでなく、遊び、仲間、不良、女、カルチャーが、
あの時代の彼らの場所には全部詰め込まれていた気がするし、
カリフォルニアで1つの時代を確かに作った。
そんな刺激は、俺の中に刷り込まれていたから、
自然とそこを目指していたっていうのは、間違いない。

それと、自分でブランドを始める前に働いていた、
池袋の“バックドアサーフ”も、それに近いものがあった。
今となっちゃ、30代以下の人たちは全く知らないと思うけど、
TOKYOサーファーの勢いが凄い時代があって、
“バックドアサーフ”はそんなTOKYOサーファーの代表的ショップだった。
個性的でオシャレなヤツがどんどん集まる、めちゃくちゃな所(笑)。
ファッション、遊び、仕事、俺もそこでいろいろ勉強させてもらった!
73Rもそこから始まった。
そしてあの当時は、ほんのちょっとだけ、
TOKYOサーファーとして、仲間たちと一世代のカルチャーを作ったつもり(笑)。

そう考えると、
“DOG TOWN”も“バックドアサーフ”も、
いわゆる“コミュニティ”だった。

今はそんな時代じゃないんだろうけど、
俺らが若い頃は、“遊び”と“サーフィン”を両立して、
両方思いっきりやるのが当たり前だった。
“お金”と“睡眠時間”は、なく、
“遊び”と“サーフィン”に全力。
絶対、早死にすると思ってた(笑)。
遊びとファッションには、常にアンテナ張って、敏感に動いていたね。
それが大事だと思っていたし、それを楽しんでた!

そういうヤツらが集まるコミュニティが、
当時TOKYOにたくさんあったことは、
カッコイイ先輩たちに感謝してる。
いい時代だったな、と、つくづく思う。

「じゃあ作れば?」と簡単に言われてしまうかもしれないけど、
面白いヤツらが集まるコミュニティは、簡単には作れない!
作ろうとしたからって、できるものでもない!
時代とか、流行とか、カリスマ的なヤツの登場とか、
いろんな偶然みたいなものがいろいろ合わさって、
ああやってカタチになるんだろうと思う。


と思っていると、嬉しいことに、
「73Rってブランドだけど、もはや“コミュニティ”だよね」と、
言われることが、たまにある。
これは、目指していることだけに、そう言ってもらえて有り難い!
確かにうちにはサーファーだけじゃなくて、ファイターとか、
スノーボーダーとか、DJとか、クリエイターとか、
とにかくいろんなヤツがいる。
警察官とかだってサーファー多いし、よく店に来てくれる(笑)。
これもTOKYOだからなのかもしれないけど、この15年で、
とにかく多種多様な面白いヤツばっかり集まってきてくれたと思う。
今では何か困ったら、誰かに電話すれば、大抵のことは解決する(笑)。
これからももっといろんな人と繋がって、
型にはまらず、いろんな人と話したり、遊んだり、仕事したい!
洋服を通して、もっと面白いコミュニティにできたらいい。


とりあえず、15周年終わって、
この先をいまだ妄想中で、正解が見えない状態だけど、
東京オリンピックまで、突っ走るしかない!

それまでに、この“TOKYO”にもっとこだわりたいとは思う。

東京オリンピックでサーフィンやスケートボードが、
正式種目になるかもしれない。なったらヤバイ!
それを考えると、もうそろそろ、TOKYOを押し上げたい。

みんなCALIFORNIAブランドとか、BYRON BAYブランドとか、
インポートもの好きだろうけど(僕も好き!!笑)、TOKYOブランドって着ないのか?
CALIFORNIAとかBYRONの人たちとかが、ローカルブランドを応援して、
みんなでこぞって着ていたり、使っていたりしたものが、
1つの流行のようになり、スタイルとなり、世界各地に広がっていく。
そんな動きを、TOKYOからはできないものなのか?
ここ数年はNYサーフの勢いも凄かったけれど、
TOKYOサーフって、なんで世界に広げられていないんだろう?
日本の雑誌には海外ブランドばかりが載っているけど、
日本のブランドを、もうちょっとでも応援してくれたらなー(笑)。
せっかく東京オリンピックで、初の五輪金メダルを目指して、
世界中からサーファーたちが集まる可能性あるのに、
そのときTOKYOにあるものは、海外のどこかから持って来たものばかりじゃ、
なんかそれって、カッコ悪くないか?TOKYO。


TOKYOサーフがよりカッコイイものになっていくよう、
73RはいちTOKYOブランド、そしてコミュニティとして、
まだまだアンダーグラウンドレベルかもしれないけど、
頑張ります!
みんなで一緒に、盛り上げましょう。
よろしくお願いします!!
TOKYOから世界に発信していきますよ。
っていうか、発信中!(笑)





X973
東京都中野区江原1-46-12 江原ジュールカースル#103
TEL:03-5906-3229
www.73-r.com

Text / Nao Shilin Anzai(editor・bikini addict)




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1回目 2015/12/2 『ヒゲとサーフボード』
2回目 2015/12/16 『ヒゲ散歩』
3回目 2016/1/6 『ヒゲとTATTOO』
4回目 2016/1/20 『ヒゲとTOKYO』
 
 
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