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 COLUMN
skate columnSKATE COLUMN 2008/10/8  
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Tomokazu Wura
1977/12/6
Pro Skateboarder&Expertise Skateboards-Director
3度の全日本チャンピオンやオーリーマガジン、スラッシャージャパン、トランスワールドジャパン、ゲートなどでベストスケーターオブザイヤーを受賞。スカパー282ch(skateboarders)のday in the lifeというコーナーでナビゲーターを務める。PanasonicのCMにも出演するなどメディアでも活発に才能を発揮している。
1回目 2008/9/24 『ドッチ派=which way your type』
2回目 2008/10/8 『AMOR BARCELONA』
3回目 2008/10/22 『SK8TERS PROBLEM』
4回目 2008/11/5 『SK8TERS PROBLEM vol.2』

『AMOR BARCELONA』

今回は俺が世界で1番好きな街の話をしたいと思います。
スペイン、そこは人口約4350万人、4つの王国の紋章が入った旗(ROJIGUARDA)通称(血と金の旗)と呼ばれる旗が表す様にカスティーリャ人、ガリシア人、アンダルシア人、カタルーニャ人、バスク人などで構成されている。
いわゆる戦闘民族だ。
ま~遠い昔の話で今現在は陽気で細かい事を気にしない楽観主義者ばかり、
日本とはコインの裏表の様に対照的な国だ。
そんな国の中でも一際輝きを放っているのがバルセロナだ。
地中海に面していて世界中の人間がバカンスを楽しみに来る観光地で、
もちろんスケーターも世界中から集まって来てる、
サマータイム中は石を投げればスケーターに当たるほどで、
ロス、サンフランシスコにも負けず劣らず今やヨーロッパを代表するスケーターのメッカとなっている。
もともとアメリカよりヨーロッパの文化に興味があった俺は2005年の6月トランスワールドとMO3の協力のもと
1回目のバルセロナを経験する事となった。
ツアーメンバーはハッシー、ドンチャック、ジマ、モッサン、グラフィティーライターのHUZE、
みんな気の知れた仲間だ。
今回はそのツアー中に俺が書いた文章を紹介しよう。
題してAME BARCELONA!!!
>>>>>AME BARCERONA text by Wura
曇り空に包まれた母国を後に、振り向く事を知らない旅人の潜在意識は、すでに遠くを眺め、希望の光がそれぞれの胸を焦がしていたに違いない、愛と情熱、そして太陽を司る国、スペイン、歓迎する様な白夜が人々を眠らせない、そして俺達の時間軸を確実に破壊した後、社会復帰不可能な日々が全てをいざなった、芸術に包まれた街はある一定のモラルを哲学的に促し、その反面では個々の自由が素晴らしく解放されている、そして全ての建造物には歴史がすり込まれ、それは彼等の誇りと共に眩しいほどの存在感を放っていた。1つ目の夜、魔法の白夜も過ぎた頃、街には灯りが入り、短い夜を求め、多くの人種が広場に吸い込まれていった。
まるで濁流をせき止めたかの様なその広場が、極東の物好き達の脳みそに溢れんばかりの栄養を送り込み、更に感覚を深めていった。その後、毎晩の様に広場に足を運び、財布の紐をゆるめていた事は言うまでもない。いきなりにして生涯最高の広場との出会いだった。広場で友人になったALIは筋金入りの女好きで俺達クルーに広場のルールや、スペイン語の手ほどきをしてくれた無限大にクールな人物、彼無くして今回の旅を成立させることは出来なかっただろう。そしてもう1人、今回のクルーの一員であり、そのアクティブな言動で俺達を導いたジマ、格別の行動力と最大限のコネクションで、無限大の可能性を現実と融合させた張本人。この旅を通して彼から学んだ事は数知れず、リスペクト極まりない人物である事はここで述べておきたい。
されどここは異国の街、愛と太陽の裏側には漆黒の闇を利用して、現実以外を切り捨てた物乞いも少なくはない。
この街もまた表裏一体で、心なくした物に人々はおろか神々ですら振り向かない。彼等は貪りの深い人、言葉巧みな人、へつらう人、そして浪費を辞めない人である。いずれにしてもこの街では気を付けないといけない人達だ。
多かれ少なかれ毎日のトラブルを消化しながら俺達クルーは成長を重ね、地中海を眺めながら月と太陽にはさまれて踊った日々を、あの街の風、あの街の匂い、あの街の太陽を決して忘れる事は無いだろう。
最後にマクバの主であるダイキ、ルイパシン、カメラマンのイバン、ホテルのフロント係のアレック、イバンの幼なじみのチェリート、最後の夜に一曲弾いてくれたバスティン サラバンジ、今回のツアーメンバー、彼等に大きな感謝と敬意を送りたい。心からありがとう。
俺は1回目のBARCELONAでこんな文章を書いた。
自分の中の何かが音を立てながら変わっていくのを感じてペンを握りこんな文章を書いた。
まだガキだった頃、まわりの大人は俺によくこんなことを言ってた、
“WURAもアメリカに行けば何か変わるよ!”
俺は耳にタコが出来るぐらいその言葉を聞いて未だ未知の世界に心躍らせアメリカに行ったが、
自分の中で何かが変わっていくのを感じる事は出来なかった。
でもあの街に行ってあの時まわりの大人が俺に言ってた事が分かった様な気がする、何かが変わる。
それは世界が一つになる様な感覚。
まー元々世界は一つなんだけど、上手く言えないけど、
スケーターとしてというより人間として一つになる様な、
なんとも不思議だけど、とても力強い、そんな何かです。 
そんな感覚をくれたBARCELONAにはこのツアーの後も何回か足を運んでるけど、
ずっと昔から知っていた様な、どこか懐かしい空気と、最高の仲間がいつも歓迎してくれて、
ある意味、帰りたいと思うほど俺にとっては思い入れのある街です。
機会があれば是非行って欲しい街NO.1です。
関西人には特にお進めです。
気質が似てるので10分で友達が出来て30分でビール飲みながら肩組んで歩いてます!(笑)
ちなみにサマータイム中に行けばPM21:30ぐらいまで太陽が沈まないのでSK8三昧!
ビーチも歩いて行けるし、食べ物も美味!
だけど注意点がいくつかあってモスクワ経由で行くのは絶対にダメ!
チケットは安いけど地獄の12時間トランジットや、預けた荷物の中身が幾つか減ってるなど最悪。
あげくの果てに先日ニュースを見てたらそこの航空会社の飛行機が墜落してるじゃ~あ~りませんか!
乗員、乗客含め88人全員が死亡という悲惨な墜落事故でした。
名前は出せないけどロシアの飛行機には気をつけろ!行くならイギリス経由をお進めします。
ということで読者の皆さん、前回のおバカなコラムは楽しんで頂けてでしょうか?
今回はBARCELONAについて話をさせてもらったんだけど、最後まで読んでくれたかな?
そして俺のコラムも残すとこ2回。ちょっと寂しいぜ~!
次回はスケーターという人種がブチ当たる数々の現実を赤裸々にお伝えしていきます!乞うご期待!
PEACE OUT YO~!
PS
え~報告です。今年のTRANS WORLD JPN AWARDでリーダーズチョイス(読者投票)で
BEST SKATER OF THE YEARという栄誉ある賞をいただきました。
この場をかりて、いつも手厚くサポートしてくれているスポンサーや仲間、家族に一言いわせて頂きます。
いつも俺を支えてくれて心から感謝です、
みんなのサポートがあって今ここに立つ事が出来ると実感する今日この頃、
9歳でSK8に出会いみんなの支えで怪我を含めいろんな壁を乗り越えてきましたが、
今後もPRO SKATE BOARDERとして、自分の運命を受け入れ、潔く散りたいと思います。
大きな感謝と敬意を込めて BIG UP YO~! 
Tomokazu Wura >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


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1回目 2008/9/24 『ドッチ派=which way your type』
2回目 2008/10/8 『AMOR BARCELONA』
3回目 2008/10/22 『SK8TERS PROBLEM』
4回目 2008/11/5 『SK8TERS PROBLEM vol.2』
 
 
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