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 COLUMN

skate columnSNOW COLUMN 2009/9/9

 

KUWAPHOTO.COM(桑野智和)
埼玉県出身・在住、ホームマウンテン/群馬、スイス
20歳でスノーボードに出会って、滑る楽しさや独特なカルチャーに魅せられフォトグラファーを志す。以来、各専門誌やメーカー広告媒体へ作品提供を行ない国内外へTRIPを繰り返してきた。自分の好奇心に忠実に行動しフォトグラファーの枠に捕われずボードブランド立ち上げやアパレル輸入に関り、近年は尾瀬国立公園のガイド業などにも取り組んでいる。
現在はスノーボードと撮影とガイドを通じた環境活動を模索中。
所属&活動サポート:
SURGE SNOWBOARDS、PRYTHM outerwear、SPORTFULL、
snowpark尾瀬戸倉、片品山岳ガイド協会、UNKNOWN livemag、HOMEY
HP:http://www.kuwaphoto.com
1回目 2009/8/5 『夏も山へ行こう!!』
2回目 2009/8/19 『STYLEってナンダ?』
3回目 2009/9/2 『旅はいいもの』
4回目 2009/9/9 『メッセージ』

『メッセージ』

スノーボードをしていると、よく耳にする言葉があります。
『サーフライクな』 『スケートライクな』
サーフィンはスノーボードより歴史も古く、
サーフィンの様な乗り味を雪山で楽しみたいという発想から
スノーボードが生まれました。

 
(pic/ 新旧様々なノリ味があって辞められません。パウダーが降るとみんなでサーフボードにも乗ってます♪)

また、リスキーなストリートレールなどを攻める時はスケートのテイストが重視されます。
カッコいいライダーの動きを褒めるとき、サーフライクな感じ、だとかスケートライクな動き、といいます。
それはサーフィンとスケートはカッコいいという前提でみんな言ってますよね。
では、逆ってあるんでしょうか?
『今のイイじゃん、スノーボードライクだね!』って言ってますか?
んーー?あまりないかも。。。
でも、最近になって少し聞くようになったのが一つだけあります。
それはピストです。
競輪用の自転車フレームをカスタムして街乗りにするのがブームになっていますが、
ブレーキ時のペダルの踏み向きがスノーボードのレギュラーやグーフィーに当てはまるそうです。
また、曲がる時のスキッドというタイヤの滑らせ方が、
スノーボードのスラッシュに感覚的に似ているらしいです。
(あまり詳しくないので間違ってたらスイマセン。)
だから、街を走るときはスノーボードでフリーランしている様な気分にもなるらしく、
ボーダーは他の人たちよりコース取りがヤバいそうです。

再び戻って、サーフィンは歴史が長く高年齢層の方も楽しんでいるので、
ひょっとするとスノーボードを若い世代中心のモノと捉えてるかもしれません。
スケートはと言うと、トリックの難易度が高くてトンガッたイメージです。
実際のところスノーボードはココ数年で急速に成長をした業界である反面、
商業化や一般化をし過ぎてしまい格好良さが失われている部分もあると思います。
だからスノーボードライクっていうフレーズが広まらないのではないでしょうか。
しかし、スノーボードだってカッコいいです!!そして楽しいです!!
自然を感じれて、仲間が増えて。。。。まだまだ発展の余地はあると思います!!
発展を続ける上で、他ジャンルのスポーツもスノーボードからインスピレーションを受けて、
互いにカルチャーやトリックが一緒に育っていければ最高だと思います。
スノーボードからの『メッセージ』って一体なんなのでしょうか?
高さ?回転数?いやいや、自然と触れ合える点?仲間と騒げる点?はたまたファッション性?
今ははっきりとわかりませんが、このカルチャーの良さが多くの人々に受け入れられて
『スノーボードライク』=『スノーボードからの強いメッセージ』が広まっていけば良いなぁと願っています。

ちなみにココ10年を振り返ると、自分にとってスノーボードはライフスタイルそのものになりました。
パウダーが降り積もれば、街中じゃあり得ないぐらいの雄叫びをあげながらスプレーをまき散らしていたし、
自分や仲間が怪我をしたら気分が落ちます。
良い時もあれば、悪い時もある。
ほんと、山の天気と一緒。
でも、とにかく楽しみたい。楽しみ続けたい。
そういうキモチが強かったから続けて来れたと思います。
実際のところ大した事はしてこれてませんが、
スノーボードを通じて自分が学んだ事をメッセージとして記したいと思います。
『いろんな国の人と絡もう』
ボードを通じて世界10カ国以上を訪れる事が出来ました。その結果、分かった事。
日本の常識は1億人/50億人の常識。つまり1/50でしかない事実。
特に島国ニッポン。英語がしゃべれないニッポンジン。
ワーホリに行っても、大会のパーティーでも何故か日本人で固まって過ごしてしまう。
そんなのはもったいない。
せっかくボードという共通言語を使えるんだから色んな人と絡んでいった方が人生オモシロい!
『日本を誇ろう』
今まではビデオシーンに出てくる様な明るいリゾートやスティープでビックなバックカントリーに憧れ、
海外の良さばかりが目立ってました。
近年、外国人ライダーが訪日する機会が増えて
自分もアブシンスフィルムやバートングローバルライダーとセッションする事がありました。
彼らの口からは驚く言葉がありました。
それは『サッポロヤバい!』『ニセコスゴい!』『ロッポンギ、アキハバラー♪』などなど。。。
世界中でも札幌ほど大雪が降る場所に大都市があるのは珍しいそうです。
ニセコほど大量で軽い雪が降る場所や、天神平ほどバフバフシュートがある所も無いとか。
英語が通じなくても六本木は楽しく、
秋葉原の様に高品質な日本製電器が溢れている場所は他にはないそうです。
日本人は綺麗好きで、礼儀正しく、寿司をはじめとする日本食が脚光を浴びてます。
今、ボクらが憧れていた海外の人々は、同様に日本に強い興味を抱いている。
つまり、日本もそう捨てたもんじゃないワケです。


(pic/ アブシンスフィルムクルーと針葉樹の下でchill♪)

『エコを考えよう』
スノーボードは雪が無くなったら楽しめません。
雪は、奇跡的なメカニズムで特定の地域にだけ舞い降りる自然からの贈り物。
ただ、このメカニズムが数百年間の人間生活によって壊されています。
このメカニズムはとっても複雑で膨大なスケールです。
果たして、CO2を減らすだけで温暖化がストップするのかも疑問です。
同じく猫も杓子もエコ、エコ、エコで玉石混合なエコ活動も疑問です。
でも、確実に雪は減っているんです。
何が温暖化に有効か、はっきりとは解明されてません。
でも、最高な遊びを無くさない為にも。
未来のキッズにだってスノーボードを楽しんでもらえる為にも、みんなでエコを考えていきましょう。


『ヨコに繋がろう』
インタースタイルのHPにもバナーが貼ってありますが、
SAVE THE TOMODACHIというキャンペーンをご存知ですか?
難病にかかってしまった一人のヨコノリ人間を助ける為に
沢山の人がボランティア活動をし、 巨額の募金が集まりました。
私も個人的に面識はありませんでしたが、共感し自分に出来る小さな事で活動に参加させて頂きました。
そして驚きました。
サイトを拝見するとその後、御本人は適切な手術を受けて成功!頑張ってリハビリに励んでおられる様です。
沢山の人からちょこっとずつでもキモチが集まると、大きな力になるんですね。
今までそんな話は滅多にあるもんじゃないと思ってましたが。。。
感動です。
サーフ、スケート、スノーボードというのはヨコに進む乗り物。
なので、しばしばそのネットワークをヨコのツナガリという風に呼びます。
ヨコに乗って、仲間と楽しみを共有する。この繋がりはスゴいんだなって実感した出来事でした。
自分にもヨコノリを通じて一生モノという仲間が出来ました。
山で一緒に滑った仲間。
写真の仕事で頑張った仕事仲間。
旅で出会った仲間。
彼らとはスノーボードを履かなくなっても関係は続いています。
ボクにとってこれ以上の宝はなく、通じ合っていける仲間は今後も大切にしていきたいと思います。


最後に。
若輩者ではありますが、自由にコラムを書かせて頂き楽しかったです。
4回分のコラムを書かせて頂きましたが、ぜひご感想をお聞かせてください。
みなさん、ありがとうございました。
次回は、ショップオーナーでありながら
国際ジャッジ、ブランドディレクター、音楽イベントオーガナイザーでもあり
山滑りも大好きなアニキ、新美育穂さんです。
コラムを通じて、マルチプレイヤーの脳みその中身が垣間見えるかもしれませんねー。
(ハードル上げときました。笑。)
新美さん、よろしくですー!



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1回目 2009/8/5 『夏も山へ行こう!!』
2回目 2009/8/19 『STYLEってナンダ?』
3回目 2009/9/2 『旅はいいもの』
4回目 2010/9/9 『メッセージ』
 
 
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