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 COLUMN

snow columnSNOW COLUMN 2016/12/21

 

保坂亮馬
1978/01/02 38歳 東京都出身/青森県在住
幼少の頃からスキー、高校から留学先でのカナダでスノーボードを始める。16歳の時にカナダのローカルショップでショップライダーから始まり、その後は日本で様々なブランドからサポートを受け、2010年に青森県へ移住。八甲田山をベースに北東北地区中心に撮影などの活動や地域密着で大会やイベントをプロデュース。
また2013年からベースである青森で”R&S”という名でハンドメイドボードや雪板を制作しながら一年中滑ることを考えている。
出演DVD:2012年/八甲田-風と樹氷の山,2015年/cardanchi 9
R&S FB page: https://www.facebook.com/RS-580142778739814/
AK457 blog: http://ak457.jp/info/hosaka/
VIMEO: https://vimeo.com/user59638531
Sponsor:TJBrand/ AK457/ Fimbulvetr/ OUTDOORTECH/ R&S
1回目 2016/12/21 『自然から得る』
2回目 2017/1/6 『お住いの地域のショップ』
3回目 2017/1/18 『フリーボーディング』
4回目 2017/2/1 『snow』

『自然から得る』


なぜ八甲田を選んだかというと山はもちろんの事、生活するための環境でした。人の体に必要な水。自分の住んでいる環境は、水がとても美味しく、水道水からそのまま飲める。その美味しいお水で、畑で野菜を作る。朝、起きて畑から野菜を食べる分だけ採る。夏はそんな生活を過ごしていますが、冬になるととてつもない西風が吹き、豪雪の中での生活へと一変します。
そして、もう一つの理由は山、海、街がコンパクトにあるのが自分の思春期に住んでいた、カナダ バンクーバーにとても似ているところでした。最近ではカナダに足を踏み入れてないですが、心の中では深く記憶に残っている、いわゆる”第二の故郷”的な。
今住んでいるところは、街ではなく標高約200mの山中で、近くにはスキー場があり更に上には八甲田山。昼間は八甲田、ナイターはスキー場、どちらも悪天候で最悪ならば歩いて10分のところに地形がある斜面もあり、コンディションに応じて場所を選びギアのテストや地方から来ていただいたお客さんと滑ったり。
そんな日々を送りながら、6シーズン目。移住する前までは、ひたすら八甲田山中を歩き続け、滑り続け、撮影に適した場所探し、撮影隊が来れば天気が悪い日が多い八甲田山で撮影。
それまでの活動の集大成が2012年に発売したDVD八甲田-風と樹氷の山でした。トリック云々とかではなく、地域に密着した映像で、時間もかけたし一つの山に対して色々な滑り手も様々な楽しみ方で出演し、とても気に入っている作品となりました。

八甲田山には、今の自分があるというくらい学ばさせてもらっていて、今から20年前に遡るのですが、自分はニュースクール世代と言いますか当時はフリーライドというよりフリースタイルに興味があり、板のセレクトをデザインはもちろんフレックスに重点を置いていました。
それから十数年が経ち、八甲田山との出会いは、山全体に風で出来た地形と緩斜面に加え豪雪地帯。それまでは一本の板でどうにかなると考えていた自分は、雪質や降雪量に合わせて板を変えていかないと全く歯が立たない時や楽しめない事に気付き、自然の動きに合わせ板をチョイスするようになりました。
そんな日々を繰り返していくうちに、自分で板を作りたくなってしまう衝動にかられ、80年代の板(サーフテイスト)にコンベックスを入れ自分なりにアレンジしたり、90年代にクールだったフリースタイルボードをパウダーボードにしてオリジナルボードを作ったり。雪が降ればそれらをテストする、今では1年中シーズンインみたいな日常が仕事だったりするのですが。

数年前に始めたボード製作において、”深雪”での滑走力を考慮してたので”流線型”は意識していて、ノーズロッカーの角度とフラットボードにアウトライン(ノーズよりもテールの幅がある板)で試作し、実際に滑走したところショートテールとはいえ芯材の厚みのせいかトーションがなかったので、ターンをする際にノーズ側のブレンドゾーン(ノーズとエッジの間)の引っかかりに満足いかなかった自分は、当初から考えていた3Dボードに着目した。
3Dと言っても流れはいいが力強いエッジングも欲しかったので、ノーズの面とテールの面の中心は3Dで、板のバランスと雪を掻き分けるために両端が横に張り出した形状にし、力強いエッジングとトーションも生まれ、雪の抵抗も軽減された。
様々なシチュエーションでの上からの滑走映像を何度も見て、雪の流れ方や板のしなり具合など、足の裏で感じた記憶を織り交ぜて日々研究しプレス機自体の調整したり、悶々と寝れない日々が続く。



最近では八甲田の他にもう一つ自分の場所を作る準備をしていて、そこで得たものを今行っているものに集約させてアップグレードできたらと考えてます。




snow column保坂亮馬
1回目 2016/12/21 『自然から得る』
2回目 2017/1/6 『お住いの地域のショップ』
3回目 2017/1/18 『フリーボーディング』
4回目 2017/2/1 『snow』
 
 
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