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 COLUMN

snow columnSNOW COLUMN 2017/1/18

 

保坂亮馬
1978/01/02 38歳 東京都出身/青森県在住
幼少の頃からスキー、高校から留学先でのカナダでスノーボードを始める。16歳の時にカナダのローカルショップでショップライダーから始まり、その後は日本で様々なブランドからサポートを受け、2010年に青森県へ移住。八甲田山をベースに北東北地区中心に撮影などの活動や地域密着で大会やイベントをプロデュース。
また2013年からベースである青森で”R&S”という名でハンドメイドボードや雪板を制作しながら一年中滑ることを考えている。
出演DVD:2012年/八甲田-風と樹氷の山,2015年/cardanchi 9
R&S FB page: https://www.facebook.com/RS-580142778739814/
AK457 blog: http://ak457.jp/info/hosaka/
VIMEO: https://vimeo.com/user59638531
Sponsor:TJBrand/ AK457/ Fimbulvetr/ OUTDOORTECH/ R&S
1回目 2016/12/21 『自然から得る』
2回目 2017/1/6 『お住いの地域のショップ』
3回目 2017/1/18 『フリーボーディング』
4回目 2017/2/1 『snow』

『フリーボーディング』


ここ最近雪不足と言われてますが、
嬉しいことにスノーボードを年齢問わず始める人たちが周りで増えてきて、
きっかけも雪板のおかげでもあるのかな?!
先日もレッスンを行い、
リフトを乗り降りするためのスケーティング、滑走中やターン時での上半身の体勢維持、
後ろ足で板のトーションを利用するボードコントロールなどから始め、
転ぶ姿は痛々しいですが徐々に出来るようになる過程を見ると嬉しいですね。

スノーボードの歴史は、80年代に生まれサーフスタイルからスケートスタイルと時代を経て、
現在に至りグッズやスキルを含め進化を遂げました。
1986年に福島のスキー場に行った時に、
リフト下を楽しげな笑顔で横向きに滑る人たちの記憶がうっすら残っていて、
それから数年後に始めたスノーボード。
時代は90年代初頭で当時見た配色の強いウェアーとは全く違い、
土管のような太いパンツにダボっと大きめなジャケット。
俗に言う”ニュースクール世代”。
ターンだけではなく、地形で飛んだり雪面から斜めに突き出た木に当て込んだり擦ったりと、
サーフスタイルというよりスケートスタイル。
もともとスケートもかじる程度ですがやっていた自分には衝撃的で興奮したのを思い出します。
それからは近所のショップで見つけたVHSを幾度も観て、
スキー場で友人や先輩とグラブエアーのスタイルを見せ合い、
いい地形を見つけるとそこへ行き、キッカーを作りスピントリックを見せ合ったり。
その日々の繰り返しが仲間を増やしていき、後に”firstchildren”が誕生しました。
当時のスノーボーディングは、自由気ままで決められたカテゴリーもなく、本当に楽しかった。
いや、今でもそのスピリットは健在なのですが。

スノーボードを始めて数年が経ち、
カナダで感じていたスノーボーディングとはかけ離れるような世界観にカルチャーショックを受けた。
自由きままなスノーボーディングと思いきや、
ハーフパイプに偏りすぎている日本のスノーボードカルチャーがそこにあり、プロ資格だの何だの、と。
”そんな肩書き”に全く興味がない自分は、その流れには乗らずに、
道無き道を辿ると夏のカナダで雑誌デビューを果たし、
それからは各国に撮影とシビアでありながら楽しいプロスノーボーディングライフを送れて、
当時サポートしていただいたメーカー、雑誌社や一緒に旅をしたライダーには
今でも感謝の気持ちを忘れられない。が、メディアもそれからはジャンプ系に偏り始め、
自分の大怪我の一件もありメディアから一時遠のいた矢先に、八甲田山との出会い。
キッカーをやりつつも、フリーライディングの魅力に当初カナダで培った経験が蘇りキッカー作りをやめ、
自然地形で飛ぶことに変えて以来再び自分らしさ、元々のスノーボーディングを思い出した。

今現在スノーボード業界で賑わっているのが、
”back to 80s”本来のスノーボードの基でもあるサーフスタイル”スノーサーフ”という言葉をよく耳にしますが、
同時にパウダーブーム、バックカントリーブームは流行なのか、必然なのか。
自分のホームでもある八甲田山でも、10数年前とは変わり若い客層も増えてきていて、
ボードもノーズが尖り、テールが割れてる形状をよく見るようになりました。
一時期賑わいを見せていたジャンプは年々キッカー自体の規模が大きくなり、
トリックの難易度も上がり、一般の人たちが入りにくくなるという現状の中で
スノーサーフスタイルは、ターンがメインなので入りやすいのでしょう。

40年の歴史が一周した現在、この先にあるのはなんなのか。
自分が思うに、個々がもっとライディング含め、
スタイルに対して”オリジナル”を出してもっと楽しいスノーボーディングライフを送るためには。
その答えは80sだけではなく、一世風靡した時代”90s・ニュースクール”にもあるのかな?と考えています。
雪が多かろうが少なかろうが、楽しかった時代。






snow column保坂亮馬
1回目 2016/12/21 『自然から得る』
2回目 2017/1/6 『お住いの地域のショップ』
3回目 2017/1/18 『フリーボーディング』
4回目 2017/2/1 『snow』
 
 
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