interstyle magazine
 COLUMN
surf columnSURF COLUMN 2013/3/19  
加藤忠幸
ビームス バイヤー
ビームスのメンズカジュアルを担当。本人のライフスタイルでもあるサーフとスケートへの
知識とセンスで、そのカテゴリーのバイイングを一任されている。自身で発行するジンも魅力的で
業界内の支持者も少なくなく、メディアでのコラム連載等、サーフ&スケートカルチャーの啓蒙に
日々精力的に活動している。また、バイイングの傍ら、家業の農業も手伝い地元鎌倉で地域に密着
したローカルな活動も行っている。
1回目 2013/2/18 『サーフィンは、自由でかっこいいものだから』
2回目 2013/3/6 『アイム ウォント トゥー マイ サーフボード。』
3回目 2013/3/19 『デビル西岡』
4回目 2013/4/3 『SSZ』

『デビル西岡』

この業界に居て、この人を知らないなんて言う人は、まず、いないであろうと断言したい。スーパーレジェンド゙西岡昌典、多くの人はデビル西岡と呼ぶ。日本のスケート、サーフの黄金期を築き挙げたひとりであり、日本だけでなく世界でもデビルマンの悪行、功績は知れ渡っている。恐るべしグレートな人だ。
自分も物心ついたころには、自然とデビルマンの記事や写真を多くの雑誌やイベントで見かけていた。その写真に写ってるスケーターやサーファーというと恐ろしくカッコイイスタイルを持ったハードコアな方々ばかり。当時、その中に堂々とカメラを持ち自由にシャツターをきれる人物は日本には数えるくらいしかいないと思うのだが。まさにデビルマンはその中の一人である。
まだ、サンディエゴでASRというアクションスポーツの合同展示会があったころは、自分はよく、デビルマンを見かけた。ワイルドなサングラスに、いつもインデペンデントのキャップやタンクトップを着ている。当時も今も、日本で一番インデペンデントのアイアンクロスが似合う人がデビルマンだと感じている。その会場には、全身タトゥーだらけのいかにも悪全開の人やTシャツが、ハチ切れんばかりのムキムキなGUY人がいる中、デビルマンも、負けじと、かなりイカツイ感じで歩いていた。実はデビルマンが一番オッカネェー感じを出していた。そう感じてしまうのも、地元の先輩たちからはデビルマンの武勇伝(高速道路をスケートでプッシュしていた、ダニー○○○を引っ叩いたり、仲間が旅先で資金難なった際、支援のためフランス軍の傭兵となってナイジェリアに派遣され戦闘のための訓練を送ったなどなど)を聴かされていたので、なおさら怖さが増していた。
今までデビルマンが手掛けた雑誌、フォーカスやネイションやサイボーグなど、いつものヤバいアングルの写真と訳わからない文章、かなりぶっ飛んでいるとしか言いようがない。というか、ぶっ飛びすぎて、誰も、着いて行けないぐらいの内容が先行してしまう。が、西さんのアートを初めて見たのが、VOLCOMのアートショウ二枚のコラージュ作品は自分には、かなり響いた。いや震えた。西さんのアートの側面を見る機会はそうないのだが、俺はスゲーと感じた。いろいろなアーティストの作品を見たが、西さんの作品は本物だと感じた。ある意味狙って作品を創っていない。自分は特にアートの勉強してきたわけではないので、偉そうなことは言えないが、今、なんかこうすれば、こうなる。こうすれば、ウケる的な計算された化学反応的な哲学や思想で成り立っているものではなく。マジで、いろいろなことを経験し、学んで来てからの本物のスタイル。西さんだから表現できる、成り立つアート作品。俺は世に騒がれ高額な値段で売買されている作品となんら変わらない。というか、確実に西さんの作品が放っているモノはリアルであり、説明困難なところにまで行っていると感じる。最近になっ80年代に大日本印刷の協力を得て製作に着手した「ARTWORK」の西さんの作品を見てさらにその思いが強くなった。

正直、自分は、西さんの事を語れるほどの、人間ではありませんが、つい、西さんの作品を見たら、誰かに伝えたくて仕方がなくなったので書いてしまいました。そんなデビル西が、片足、膝から下切断という局面にぶち当たっている。今まで、デビルマンがやって着たことは、良いか悪いかは置いておいて、間違いなく歴史に残ることをしてきたし、歴史に残るスーパーレジェンドなのだ。そんなデビル西を振り返る、再評価するタイミングではないかと、つくづく感じている。


surf column加藤忠幸
1回目 2013/2/18 『サーフィンは、自由でかっこいいものだから』
2回目 2013/3/6 『アイム ウォント トゥー マイ サーフボード。』
3回目 2013/3/19 『デビル西岡』
4回目 2013/4/3 『SSZ』
 
 
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