interstyle magazine
 COLUMN
surf columnSURF COLUMN 2013/12/4  

劔持 良輔(mo3)
1974年生まれ 平塚市出身、在住。mo3store、gallery FRESCO代表。
横乗り系のショートフィルムを上映する日本初の映画祭「横乗日本映画祭」の主催者。
スポンサー:Katsu Kawaminami SURFBOARD  EQUIPMENTAXXE classic
AREthTRACKER TRUCKSredimo3storeGREEN Gravity Ground
主な出演作品:velvet moa2、Hiratsukanian THE GOOD NEWS、Livenaturaly 3、
BAJA amigos、Hiratsukanian  the white van、
TGH  THE GREAT HIGHWAY、Spring Session、AREth(出演予定)
幼少の頃にスケートボードに出会い、海に近い環境からサーフィンに打ち込み、
自然とスノーボードも楽しむようになる。
1回目 2013/12/4 『今を生きる』
2回目 2013/12/18 『垣根を越えろ』
3回目 2014/1/8 『出会い、そしてつながろう』
4回目 2014/2/5 『映画祭の未来』

『今を生きる』

このコラムの依頼を受けたのは、第二回横乗日本映画祭の最中でした。
このタイミングでお話をいただいたのだから、やっぱり映画祭のことを書こうと思います。
今回は横乗日本映画祭を開催しようと思ったきっかけについて。
2012年、NPO法人グリーングラビティーグラウンドから
身体に障害のある方のサーフィンをサポートしてほしいと頼まれた。
元々サーファーだったその方は、病気が原因で心肺停止となり
一命はとりとめたが、全身麻痺に。
その後の懸命なリハビリで、何とか日常生活を送れるまでに回復したが、
海に入ることは叶わずにいた。
「いつか海に戻りたい」と願う彼を支える人たちは、海に入ることが
更なる回復につながると考えていた。
この声かけにボランティアのサーファーが集まり、医療面などの体制も整え海へ。
ペースメーカーをつけた身体でライフジャケットを装着し、
両肩を抱えられながら海に入る。それは無謀とも言える挑戦だった。
波のサイズは膝程度でも、支えがなければ立っていることも難しい状態。
誰もが緊張と不安でいっぱいだった。
しかし、1本目の波をとらえたところで、すべてが変わった。
サーフボードの上で腹這いになり、波の上を走っていく、
しかも、全身でしっかりとボードをコントロールしながら。
正直言って、驚かされた。
動かなかった身体にサーフィンをしていた頃の感覚が蘇るのが見えた。
海に戻りたいと強く願う気持ちが、彼の全身に信号を送っているようで、
「奇跡って、こういうことか」、鳥肌がたった。
数本で体力の限界だったが、その間に彼は確実に前進していた。
何よりも、波の音や海から見る景色、テイクオフの感覚、五感のすべてで感じる喜びにあふれていた。
まさに、今を生きていた。
ふと、サポートしている自分は今を生きているか、考えさせられた。
自分が生きている証を残せているだろうか?
自分がやるべきこと、本当にやりたいことって何だろう?
横乗り一筋でやってきて、色々 な人と出会ってきたし、たくさんの魅力も知っている。
自分の映像作品も作って、横乗りの楽しさを自分なりに伝えているつもりだ。
でも、もっと多くの人と人をつなげたい、もっと横乗りの魅力を知ってもらいたい。
そのために、自分のできること、やるべきことを考えた。
その結果が「横乗日本映画祭」というイベントだった。


surf column劔持 良輔(mo3)
1回目 2013/12/4 『今を生きる』
2回目 2013/12/18 『垣根を越えろ』
3回目 2014/1/8 『出会い、そしてつながろう』
4回目 2014/2/5 『映画祭の未来』
 
 
Copy right © INTERSTYLE Co.,Ltd All Rights Reserved.