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surf columnSURF COLUMN 2013/7/17  
takuya tappy yoshikawa
12才から、サーフィンを始め、ファーストシェイプは17才。
途中でグラフィックアートを学ぶためにアートスクールへ。
十年のブランクの後、三十才の時にボードビルディングの道に戻り今に至る。
revelation surfboards.owner shaper
devotion skate mfg.owner
rage surf boards. guest shaper
patagonia. guest shaper
1回目 2013/6/19 『ガレージビルダーの功罪』
2回目 2013/7/3 『好きなことをやり続ける』
3回目 2013/7/17 『ピートとの出会い』
4回目 2013/8/7 『相棒』

『ピートとの出会い』

初めてピートことデーン・ピーターソンに会ったのは、8年前になるかな。
もともとカリフォルニアのマリブ出身の彼はスコット・アンダーソン(マリブのシェイパーでオリジナルドッグタウナーの内の一人)のボードで育ったという生粋のロガー。Seedlingやその他いろいろなサーフムービーで彼のことは見ていたし、すごくスタイルのあるサーファーだなと思っていた。カリフォルニアを離れてオーストラリアのヌーサヘッズに移り住んだという話も何となくは知っていたね。
あれは多分、その時South Coastというブランドの板に乗っていたピートがプロモーションの為に日本を訪れた時だったと思う。当時僕は太東海岸にあるサーフショップの専属でサーフボードを作っていたんだけど、彼がたまたま店に来てくれて、そこに飾られていた僕の板をすごく気に入ってくれた。そこですぐに板を作ろうという話になり、僕はピートに、South Coastのシェーパーであるイアンはウチのメインライダーである小川徹也に板を削ることになった。ピートはカリフォルニアの普通の兄ちゃんて感じで、すぐに仲良くなったのを覚えてるよ。
彼の日程的に板は渡せなかったので、その後グラッシングをして彼の住むオーストラリアに送ったんだ。
それから1年くらいは特に連絡は取っていなかったのだけど、ある時雑誌に小川徹也のクイーバーということで、サーフボードを5、6本載せた。それを見たオーストラリアのピートから板をつくってくれないかっていう連絡があったんだ。その時には彼はSouth Coastとの契約を終えていて、次に乗るサーフボードのシェーパーを探していたみたいだったね。
もちろん僕の答えはYes。すぐに彼は日本に来て、一緒に板を作ったり、ご飯を食べにいったり、スケートをしたりみたいな感じで、ビルダーとその板に乗るライダーという関係以上にいい友達になったよ。
彼のボードに対する要求は並々ならぬものがあって、必ずボードのシェイプには立ち会うし、すごく細かく数値を指定してくる。僕自身オーダーシートにあんなに数字を書き込んだことは今までなかったんじゃないかな。
彼の要求というのはすごく高いんだけど、僕にとっても学ぶことがたくさんあったし、なにより彼とボードを作りあげていくことが楽しかったね。
そんな感じでピートが1年に一回日本に来たり、僕がオーストラリアに行って板を作るような関係が続いたんだ。その過程で、彼のパートナーであったベリンダ・バグスや、彼が目をかけていたハリソン・ローチにも頼まれて板を作ったりしたんだ。
残念ながらその後、僕も日本で独立したりして彼との契約は解消してしまったんだけど、その数年前から写真を生業にしようしていた彼の努力が実って、いろいろな雑誌や広告で彼のたまらん写真が載っているのは見ていたよ。やっぱりセンスのあるやつは何をやってもセンスがあるよね。
気になる人は是非を見て欲しい。http://danepetersonphotography.com/
そして今年。すでに世界のトップロガーになったハリソンから連絡が来て、彼が今乗るDeus Ex Machinaにボードビルダーとして加わらないかという話をもらったんだ。Deusは今とても面白い動きをしているチームだし、ボブ・マクタビッシュ、リッチ・パヴェル、クリス・ギャレット、ジェフ・マッカラン、ニール・パーチェス・Jrといった世界に名だたるビルダー陣に参加して仕事できるのは光栄なことですごく楽しみだよ。
今こうやって振り返ると、友達との出会いで今の自分があるっていうのをすごく感じるね。こいつと繋がっておけばあとあと得になりそうだとかそういう利害関係は全く考えてなかったんだ。ただ自分がおもしろいと感じることを追求して、それに共感を示してくれる友達が増えていくことが純粋に嬉しかったんだよね。
そうそう、最近またピートから連絡が来たんだ。
あいつもDeusには加わっているし、今やフォトグラファーとして世界をシュレッドしている彼と、またおもしろいことをやれたら最高だよ。
surf columntakuya tappy yoshikawa
1回目 2013/6/19 『ガレージビルダーの功罪』
2回目 2013/7/3 『好きなことをやり続ける』
3回目 2013/7/17 『ピートとの出会い』
4回目 2013/8/7 『相棒』
 
 
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