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| COLUMN |
 SURF COLUMN 2013/8/7 |
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takuya tappy yoshikawa
12才から、サーフィンを始め、ファーストシェイプは17才。
途中でグラフィックアートを学ぶためにアートスクールへ。
十年のブランクの後、三十才の時にボードビルディングの道に戻り今に至る。
revelation surfboards.owner shaper
devotion skate mfg.owner
rage surf boards. guest shaper
patagonia. guest shaper |
| 1回目 |
2013/6/19 |
『ガレージビルダーの功罪』 |
| 2回目 |
2013/7/3 |
『好きなことをやり続ける』 |
| 3回目 |
2013/7/17 |
『ピートとの出会い』 |
| 4回目 |
2013/8/7 |
『相棒』 |
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『相棒』
最後の回で触れたいのは、このコラムでもちょくちょく名前が出てきたロングボーダーの小川徹也のこと。テツとはもう10年以上一緒にやってきてるね。
クラシックロガーとしてはその昔から第一人者で、今でもシングルフィンのログに乗らせたら世界にもひけを取らない。
身内のことをあからさまに取り上げるのもどうかとも思うのだけど、とにかく面白い男なのでご紹介したい。
もともとは川崎の出身で、十代の半ばにはいわゆる札付きの「不良」。渋谷を根城に遊んでいて、そんな流れで鑑別所数回と少年院、最後には拘置所まで経験したみたいだね。
半身を覆っている文身の経緯をテツが話したことがある。鳶をやりながらも悪いことばっかりやっていた20歳のころ、それまでに両腕にごっそり入れていたワンポイントタトゥーを、 叔父であった鳶の頭領に「どうせだったらちゃんとしたもの彫り物入れろ」と和彫りで上から覆うように言われたからってことらしい。ものすごい昭和なエピソードだよね。
でそんな時、突然地元の先輩のつてを頼りに小笠原に移住する。今では世界遺産にもなり東洋のガラパゴスとして有名になっている小笠原だけど、その当時はまだまだ開発もされていなくて素晴らしい自然に囲まれて暮らしたらしい。そこでサーフィンと出会ってロングボードの魅力に取り憑かれ、３年間小笠原で過ごした後、地元に戻り20代後半で千葉に移住した。
そこでロバートオーガストのライダーになると、30歳でプロトライアルを初めて受けて合格。その年のルーキー・オブ・ジ・イヤーにもなってたかな。
俺とはその翌年に出会い、一緒に板を開発しだしたんだけど、確か３本目のテスト段階の板でJPSAで準優勝してくれたよ。
アウトロー丸出しのやつなんだけど、競争意識が強いからコンペティターとしても才能があった。ロングボードのコンペシーンにおいて、薄くて短いペラペラの３本フィンの板がどんどん主流になっていく中で、あくまでシングルフィンのクラシックなログにこだわりながら、その後何年もトップシードを獲得していたよ。
ともかく話を聞いているといろんなエピソードのある男で、長年一緒にいるけど、まぁ日本のミッキー・ダラって感じだよ。
長くやってると、関係がいいときも悪いときもある。工場ではほぼ毎日顔を会わして一緒に遊びながら仕事をしているんだけど、プライベートで会うってことはあまりない。たまに漫才コンビが同じようなことを言っているのを聞くんだけど、そんな感じかもしれないね。
自分とはまた違う裏道を歩いてきていて、今でもたまに困ったことをするけど、そういうのも含めてあらゆる意味で「クラシック」なやつだね。
今テツはファクトリーマンとしてボードビルディングを俺と一緒にやっているんだけど、生来の器用さが物を言って飲み込みが早い。ラミネートも最近はこなすようになって、正直驚きだよ。
先週紹介したDeus Ex Machinaのメインライダーであるハリソン・ローチが４月に来日した時、ハリソンと瀬筒雄太とテツで海に入ったんだよ。今や世界の最先端にいるハリソンや雄太はもちろんうまかったんだけど、すごいことにテツも見劣りしてない。
アメリカなんかだと、タイラー・ハジキアンやミッチ・アブシャー、ジョエル・チューダーなんかの40歳前後のサーファーがいろいろな方面でまだまだ活躍しているし、日本でもコンペシーン以外のプロサーファーのあり方があってもいいと思うよ。
テツも今年で42歳になるし、もうひと花咲かせてほしいっていうのが、長年の相棒としての正直な気持ちだよ。
では４回にわたり、コラムに付き合って頂きありがとう。
どこかで会えたら一緒に遊びましょう。
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