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コラム

亀岡祐一『第3回 変化と資本』

2018/09/05 tag: 亀岡祐一

スケーター初期での一番の変化は、ハンドレールをセクションにした事だった。
初心者には全てが刺激的だったが、ある程度あれこれ出来てくると余計にビデオに出て来るトリックが凄い事に気付かされる。オーシャンサイドの大会のビデオを観ていたら、当時大好きだったNATAS KAUPASが大会中、セクションじゃないはずのハンドレールにトライしていた。

kameoka photo

飛びすぎて失敗してるのだけれど、それをGONZが観に行くシーンが印象的だった。まだ誰もハンドレールなんて出来ない時代。正にイマジネーションスケーティング。
ちなみにこの大会では、ERIC DRESSENがモンゴープッシュだったり、JOHN LUCEROがスタイリッシュだったりするので興味がある人はOCEANSIDE STREET ATTACKで検索してみてください。魅力的なスケーターと魅力的なトリックが沢山出てます。
これ観ると、もしかしたら今の方がスケートボードとしての幅って狭くなったのかなぁ?と感じる部分もある。みんな自由にやってるし、「え?この時代にもうこれやってたの?」というものもある。何より選曲が自分で出来たというのは、自分の好みが現せていい。
特に若いスケーターが観たら新しい発見があるかも。

変化が絶えないスケートボードだけど、怪我も絶えないのがスケートボード。
NATASに影響されてハンドレールを攻める様になったのが確か中学3年生の秋辺り。3〜4段に着いたちょっと高めの太いレールで、最初に入るのが半端なく怖かった。それでも思い切って突っ込んだら出来る様になるんだから、若いというのはとても素晴らしい。
勢いと自信があるというのは素晴らしい事だけれど、時に地獄へ誘う時がある。
「ハンドレールいけるじゃん!」
という自信は、それまでそうじゃなかったハンドレールを遊び道具として視る様になる。痛みを知らないと恐怖心も薄いものだ。
ある夜、みんなで某駅前に滑りに行った。そこに5段のステアがあり、キンクの着いたハンドレールがあった。

kameoka photo

まだ板のノーズが短い時代。高さは腰より少し上。先には20センチほどのキンク部分。ここまで読めばスケーターなら股間にむずむずしたものを感じるはずだ。
飛んだ瞬間に抜けた前足を空中で確認しながら、キンクを含めた最後の50センチほどを蟻の門渡りグラインドメイクしそのままKO負け。20分ほど地面とキスをしながら、宇宙と交信してるかの様な気分だった。確認すると玉がひとつ見当たらなくて、「あぁ、亀岡家終わった」なんて思ったけど、数日後に下りてきて復活。親父に謝らなくて済んだ。

初めてスケートで痛い思いをしたのはなんですか?覚えてない?
俺がスケート始めたのが脛に傷のない時代。その脛を強打したのが一番最初の痛みだった。何かの拍子に前足が板からずり落ち、乗った後ろ足が弾いたテールは前足の脛へと痛みをしっかりと伝える役目を果たした。まぁスケーターには良くある話だ。
転倒を避ける為に着いた左手の母指は、伸展強制されて側副靭帯が切れたまま。
グリッチョ(足首の捻挫)も頻繁にしていたので足首のスナップは落ちてるし、外脛骨は飛び出てる。手を着きすぎて手癌(手のヒラのしこり)も慢性化して硬くなってる。スケートではこの辺りかな。
その他、肘が横に曲がったり肩を脱臼し肩甲骨が砕けたり、歯が唇貫通したり胸椎圧迫骨折したりと色々あるけれど、一番思い出深い怪我といったら先ほどのレール。急所とはよく言ったものだ。最強の痛みだった訳だ。

今、資格を取る為に学校へ通い、人の身体や怪我について勉強してるのだけれど、やはり若さというのは回復面でもかなりのアドバンテージがある。
先ほど書いた前半の若い頃にした細かい怪我は、ほとんど医者にも行かず自分で治した。その当時はなんとなく親にも言いづらく、ほっとけば治るだろう程度に考えていた。でも今ではしっかり治しておけば良かったと少し後悔している。特にグリッチョはしっかり治した方が良い。
おかげで私は鋭かったフリップは自信のないものになり、無駄な痛みや不便な可動域に困る事になった。腱が断裂したり裂離骨折したものは、素人の保存方法じゃあまず治らない。
そして体力的なものも大事だ。20代後半〜30代前半の復活型スケーターに多い事だが、若い頃の感覚のまま衰えた身体でやるとほとんどの場合怪我につながる。ちょうどこの辺りの世代は、衰え始めた自分に気付かないもしくは認められてない人がいるから。40歳くらいになるとそれを受け止められているから、パッドを着用したりして意外と酷い怪我はしない。まぁそれでも怪我してしまうのが老化の怖いところなのだが・・・。
楽しくスケートするのも普段当たり前の生活が出来るのも、健康という資本が身体にあるから。なので若い人はほどほど無理しましょう。オジさんはここぞという時だけ。ケアしっかりして、死ぬまでスケートしたいもんですね。

 

亀岡祐一プロフィール
1973年生まれの横須賀出身在住うみかぜ公園率80%のスケートボードインストラクター。
ダブルフェイス代表。夢は大きく歩みは遅く。学ぶ事教える事が楽しくて仕方ない年配スケーター。

 

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