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開催:2025年2月12日(水) 〜 2月13日(木) 会場:パシフィコ横浜詳細 »
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コラム

堀井良輔『第2回 寝ても覚めても夢。』

2024/03/06 tag: 堀井良輔

寝ても覚めても夢。
目が覚めると薄暗い仏間から朝の光が差している。
例えこれが夢であろうとも毛布とホットカーペットは僕の体を包んで温めてくれている。
ここは一体どこなんだ。
隣のベッドには昨日仲良くなった友達が気持ち良さそうに眠っていた。
テーブルには茶碗に入った日本酒と煙草が入った缶ビールが転がっている。
そうか絵の個展で話しが盛り上がりその流れでここに辿り着いた事を思い出す。
くしゃみをすると右のアバラはまだ悲鳴を上げている。
友達を起こさないように静かに昨夜のパーティーの片付けを済まし冷蔵庫に残っていた缶ビールを喉に流し込み煙草に火をつける。
朝日にアサヒを飲みながら煙を光りにくぐらせる。
そうだ昨夜は久しぶりに肩までお風呂に浸かりプッハ〜と冷えた体も解けてお風呂上りにビール パッカ〜 グビグビ プッハ〜と流し込んで最高に気持ちがよかった。
そうこうしていると友達が目を覚ましてきた。
おはよう昨日寝れたん?大丈夫か?
昨日、ご飯を食べて風呂入ってビールと日本酒をガブガブ流し込んで仏像になってたで。
そう言って笑いながら美味しい柚子茶を用意してくれた。
今日は雨で仕事も無いしギャラリーに一緒に車で行こう。
本当に何気ない気遣い優しさに感謝でしか無い。
こうやって僕の絵の個展は友達と13時丁度にハートランドの瓶を鳴らして始まったのである。
いらっしゃいませいらっしゃいませありがとうございますいらっしゃいませ。
また新しい出会いが口を開けて待っていた。
個展に来て頂いた方達と沢山の楽しい話しをした。
気がつけばあっという間に時間は過ぎさり僕は一人ギャラリーを後にし帰りのバスに乗り込んだ。
公共交通機関に揺られながら外の景色を眺めているとふと自分がやっている事が何なのかやってきた事は何なのか自問自答する時がある。
朝台所でぐずっていた僕を椅子ごとぶん投げた父親の記憶から僕の人生の記憶は始まっている。いつも父親からは何か脅迫をされているような感覚を抱きながら生きている。優しい人なんだと思ってはいるけれど夫婦喧嘩も多く食器が飛んで割れたり台所全体に割れた食器が散らばり包丁が床に刺さっていたり母親が毎日のように泣いていたりと趣味の悪い本とかテレビ 映画を見過ぎた人達のやりそうな世界感である。知らんけど…
物心がついた頃には父親の影響でスノーボードやスケートボードとサーフィンなんかにも接していてた。
興味のない義務教育で先生と友達とのコミュニケーションを学び小学生の時にハードブーツでカービングを学び大嫌いなアルペン スノーボードの大会の合間に兄貴と雪遊びをして親に怒られたりしながらフリースタイルの楽しさを学びイジメはダサいと中学生で学び親に恩も糞も返せないまま意味の分からない人生観の中で高校を卒業させてもらい気が付けば実家のお店を手伝うようになって優しい店長から仕事を学び人見知りも治り心開ける仲の良い友達も出来てクラブ遊びをしたりしながらアンダーグランドな音楽に夢中になってアレやったりコレやったり根無草のようにフラフラ地元から消えたり北海道に住んでみたり地元に帰ってみたりアメリカ人の友達を尋ねてアメリカをふらついてみたり。
駄目だアメリカの旅を思い出すたびにベンドに行った際にできた傷口が痛む。
英語の喋れ無い僕に対してティム•エディーと言うスノーボーダーは英語も喋れないのに何でここにいるんだ?って小馬鹿にしながらペラペラと流暢な英語で差別的な表現をしてきた事を思い出す…あれが冗談だったとしても嫌なやつだ。言葉が暴力になる事を知らないなんてもう2024年…その頃は2020年…2019年…そもそも誰なんだよ…横浜(インタースタイル)では馴れ馴れしく親しげに英語で喋り掛けてきたけど…友達に絵を届けにベンドに来たのだけれど…なんだよここはどこなんだよ…部屋を見上げたらパタゴニアってバナーが貼ってあるけど…綺麗な宿に野蛮そうな何処の馬の骨かもわからない西洋人スノーボーダーが集まってピザをむしゃむしゃ仕事みたいにタダ飯を食べながらガブガブ酒飲んで食って喋って騒いでるけど…僕は石巻で食べた鯨のステーキが食べたい。
玄関の靴ぐらい綺麗に並べろよ。
つまんないしUberで直ぐ帰った記憶がある。
ラグナ•ビーチで歩道を歩いていると車からコーヒー投げてきたやつもいたな…まぁいいや。
東洋人を見たら差別したいよな。
僕にも勇気があれば差別とかする人達の事を差別したいと思った。
いつか喰らった糞は糞にして綺麗に流さなきゃな…
日本人である限り日本に遊びに来たアメリカ人にはなるべく優しく接してあげたいものだ。
嫌な記憶は僕のレコードの針を飛ばすから嫌いだ。
だけどこういったノイズもたまにはいい。
自然で美しい。
さておき昔親から車でお前は将来なにがしたいんだと聞かれた事を思い出した。 気がつけば37歳、一緒に夕陽を眺めて遊んだ友達や兄弟は新しい家族や命を抱えて新しい生活をおくっている。事故で亡くなった友達の影はもう無くあるのは長く伸びた自分の髪と影だけ…何も変わらない僕は叶わないのかも知れない夢に今日もビール片手にしがみついてる。
そもそも僕の夢ってなんなんだろ?
基本的に絵を描いているが…
多数を求めることなのか?
資本主義社会が生み出した幻想に従うべきなのか?
最近まで家無し拾ったジーパン ブリブリ ペンキまみれ財布の中身はカードと自販機で使えない新500円やぞ…アホか。
多数に認めてもらいたい承認欲求を満たす為だけに絵を描いて販売をして稼いだありがたいお金と時間を世間に評価してもらう為に費やすのか?
いやいや違う違うそんな事無いそんな事無いきっと絵の魅力は一人一人の心の奥のもっともっと奥にある繋がりにある気がして仕方ない。
だから毎日のようにお金が続く限り展示中はギャラリーに立っている。
この身体があるうちに人と人の間にある目には見えない愛や思いやり暖かくて柔らかい感情のエネルギーを身をもって感じたい。
実際に今回も感じれている。
今までの経験を活かし自分が出来ることを精一杯に出来るだけ打ちかます。
大自然に感謝し何よりも自分自身に素直に無心に無心にもっともっと無心に何かに没頭して没頭して没頭し続けていたい。
そこに僕の夢があるような気がして仕方ない。
今の僕の夢は自分自身になる事なのかもしれない。
こうして今は文を書く事に没頭している。
後は…泥水から芽を出し咲く綺麗な花がある。
その花が咲いた時に綺麗と思える心を持ち続けたい。
いろはにほへと ちりぬるを。
全宇宙の生きとし生けるものが覚醒し思いやりを持てますように…
あなかしこあなかしこ

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