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skate columnSKATE COLUMN 2015/3/4  

菊池真吾
北海道札幌市出身、1985年12月21日生まれの29歳。菊池真吾と申します。
今は西東京で、犬3匹と猫1匹、スケーター4人に囲まれて生活しています。
日本を代表するドメスティックブランド、Lesqueに拾っていただき、
最高の仲間と最高のスケートボードライフを満喫しています。
スポンサー:Lesque skateboards, Fourstar, Venture, Gold, The bearing, Do grip,
ムラサキスポーツ札幌, EDIAS skatepark, TEAM NAOTO
1回目 2015/2/10 『初めまして』
2回目 2015/2/16 『Que』
3回目 2015/3/4 『スポンサー』
4回目 2015/3/18 『彼女』

『スポンサー』

こんにちは。
2月18日に行われたQueの試写会にご来場頂きありがとうございました。
立ち見は一切禁止と言われていたのですが強行突破をし、
おかげさまで定員の250名を遥かに上回る400名近い方に観て頂くことができました。
定員を懸念して来るのを断念された方々、すみませんでした。
観ることができなかった方、また観たいと思って頂けた方、
DVDは4月中旬発売予定です。
あくまで予定です。笑
もう少々お待ちください。

3回目の今日はスポンサーについて書きたいと思います。
僕なんかが偉そうにあーだこーだ言うと怒られそうですが…。
まずスポンサーがつくということにかなり勘違いをしている方が多い気がします。
上手ければスポンサーがつく、大会でいい成績を残せばスポンサーがつく、タダで物がもらえる… 
そもそもメーカー側はサポートするライダーに何を求めているのか?
僕が思うに
「こいつをサポートしたらこのブランドの人気が上がって、売り上げが伸びる」というのが一番だと思います。
スポンサードライダーとはいわば広告塔。
宣伝効果のない人、周りにいい影響を与えられない人、向上心のない人をサポートする必要はありません。
もちろんスキルも必要ですが人間性、人気、かっこよさ、行動力、向上心などが必要なのかもしれません。
ただスケートが上手い人はたくさんいます。
でもいつも同じ場所で滑っていてその人を知る人が全然いなかったら宣伝効果には繋がりません。
どんなに上手くても映像や写真にそれを残さないと、幅広い人に知ってもらうのは難しいでしょう。
どんなに上手くてもすごく嫌な人だったら
その人に憧れて、その人が使っているギアを使いたいと思う人はいないでしょう。
どんなに上手くてもかっこよさがなければその人に目がいく人は少ないでしょう。
どんなに上手くてもパークでしか滑れない人に魅力は感じないでしょう。
どんなに大会でいい結果を残してもかっこよさや、人柄は伝わらないでしょう。
どんなにスキルもあってかっこいいキッズだったとしても
親がメーカー側に取り入る様ではライダー本人の意思や熱量は伝わらないでしょう。
どんなに上手くてもタダで物がもらえるだけと考えているのであれば
サポートしてくれる所は極端に少ないでしょう。
スポンサーがついた時点で満足し、成長しない人はすごくかっこわるいでしょう。

だからいろんな場所に行って、いろんなスケーターと滑りましょう。
ホームスポットがあるのはいいことですが、休みの日は普段行かないパークやスポットに行くことで、
いろんな出会いがあり、いろんな経験ができ、いろんな影響を受けるでしょう。
経験値は高ければ高いほど対応力が増して、いろんなスケートボードができると思います。
今はSNSやyoutubeで簡単に全世界の人の滑りを観ることができ、同時に観てもらうことができます。
パークやストリートでたくさん映像を撮影して、たくさん動画を配信するだけで、
あなたのファンは自然に増えるかも。その評価をみたメーカー側がサポートしたいと言ってくるかも。
自分より上手い下手ではなく、スケートボードが好きな気持ちを共有し合い、お互いを認め合いましょう。
みんなスケートボードが好きな気持ちは同じ。
だから自分の方が上手いからと奢るのではなく、一緒にスケートボードを楽しみましょう。
いろんなスケーターを見てこんなスタイルになりたいとイメージしたり、
自分の映像をみてここがダサいから直そうと努力することはかっこよさに繋がると思います。
スタイルの追求は永遠の課題です。
パークではかなりのメイク率なのに、ストリートに行くと全然できないという経験をした人も多いはず。
路面や環境、歩行者、車、警察など、ストリートにはパークにないプレッシャーがたくさんあります。
だからストリートでできた時の嬉しさや、かっこよさはパークの何倍も得られるでしょう。
パークで修行してストリートに繰り出す。
これを続けていくだけで経験値が上がり、レベルアップし続けるでしょう。
大会で優勝しました。いつも上位です。と言われても上手なんですね!で終わってしまいます。
大会はあくまでスキルアップの目標、自分試しの場であって、
その結果でスポンサーがつくという訳ではありません。
もちろんスポンサーミービデオが良くて、大会で結果を残していればそんなに良いことはないですが、
大会の結果だけでは難しいでしょう。
最近とても上手なキッズがたくさんいます。
ものすごく嬉しいことですが、メーカー側にキッズの親が
「うちの子はこんなに凄いですよ、スポンサーになってください」と声をかけているのをよく見受けます。
あくまでスポンサーがついて広告塔になって滑るのは本人であって親ではありません。
本人がこのブランドに憧れていて、こんなライダーになって宣伝したいというビジョンを自ら話すべきで、
親はその架け橋になってあげるべきだと思います。
物品提供だけだったとしても、物品はお金と同じです。
キッズでもスポンサーがつくからにはプロ意識を持ってもらわないと、サポートする側に利益はないでしょう。
上手でスタイルがあり、何か光る物があるキッズは、
自ら売り込まなくても周りのプロスケーターが放っておかないかも。
「スポンサーがついたらタダで物がもらえるんでしょ?いいなー」と思っている人は多いはず。
僕も昔はそうでした。
スポンサーをつけたいと思うスタートはそこでもかまいませんが、
どんなに上手になって映像や結果を残しても
タダで物がもらえるだけと言う考えのままでは、
いい条件でサポートしようと思うメーカーは少ないかもですね。
スポンサーがついてから意識が高まる人もいるので
それを期待してサポートしてくれるメーカーはたくさんあるかもですが、
そこで満足してしまう人も少なくないのかもしれません。
スポンサーがつくということは
自分がそのギアを使うことでそれがPRになり、
その人に影響を受けた人がそのギアを買うことで
初めてメーカー側とのギブアンドテイクが成り立つのだと思います。
そのためにスポンサーがついてからもいろいろな場所でいろいろなスケーターと滑り、
日々スキルアップするために努力し、たくさん映像や写真を残し、
たくさんのファンを作ってサポートしてくれているメーカーへ貢献すべきだと思います。
先ほども書きましたが物品=お金です。
スポンサーがついて意識が高まるといろいろなプレッシャーがあり、
ノースポンサーの時とスケートボードに対する姿勢が変わってしまうかもしれません。
時にはスケートボードが嫌いになって辞めてしまう人もいるぐらいです。
なので自分はただ楽しくスケートボードがしたいだけという考えのノースポンサーで
めちゃめちゃ上手な人もたくさんいます。
ですが僕はサポートしてくれているメーカーがあって、
その気持ちに応えようという意識から今の自分があると思っていて、
サポートしてくれるメーカーにとても感謝しています。
なのでこれからももっと上手くなって自分にできることを楽しみながら返していきたいと思っています。
ここまで長々と散々偉そうなことを書いてきましたが、
僕にもまだまだ足りないことだらけで、
実際に尊敬出来る人たちを見て思ったことを書かせて頂きました。
そしてあくまで僕の意見なので
そうは思わない人や、不快に思う方もいるかもしれませんが、
一つの考え方として読んで頂けると幸いです。
次は3月18日です。最後のコラムになりますが良かったらまた読んで下さい。

skate column菊池真吾
1回目 2015/2/10 『初めまして』
2回目 2015/2/16 『Que』
3回目 2015/3/4 『スポンサー』
4回目 2015/3/18 『彼女』
 
 
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