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skate columnSNOW COLUMN 2012/1/8

 

和賀誠
1969年4月生まれ 42歳 岩手県生まれ東京都育ち現在埼玉県在住
20歳でスノーボードと出会いムラサキスポーツにアルバイトとして入社。
スノーボードに魅了され、アルバイトしながら草大会をまわっていました。
趣味も仕事もスノーボードといった約20年間。
八王子店→上野本店と経験を積み、現在は営業本部の株式会社ムラサキスポーツ
スノーボード部門商品部マネージャー。
2年前からスノーリゾート店舗初出店で川場スキー場店店長として兼務。
1回目 2011/12/7 『スノーリゾート初出店』
2回目 2011/12/21 『顧客コミュニケーションの必要性を実現する』
3回目 2012/1/18 『現場から店舗への情報発信』
4回目 2012/2/1 『ホームゲレンデの確立』

『現場から店舗への情報発信』

皆さん!今シーズンは冬型の気圧配置が続き、上質なPOWDERと戯れていることと思います。
2012年、いい日が続いております。

こんなときはゲレンデのライブカメラを見入ったり、WAX仕上げて休みのイメージをしたりと
【仕事】と【RIDE】の切り替えが大変な時期でもありますね。
私の【仕事】と【RIDE】のバウンダリー(境界線)は曖昧。
しばしば、バウンダリー(境界線)を越えております。

(↑川場スキー場店スタッフ 山口明洋)

■今回お伝えしていくことは【現場から店舗へ、店舗から現場への情報発信】について。
実は仕事のバウンダリーも良く越えております。
山と街で仕事を兼務しています。
雪のシーズンが始まると週の後半は、ムラサキスポーツ川場リゾート店で勤務。
週の前半は、スノーボード商品部マネージャーとしてムラサキスポーツ全体の窓口となり、
日本全国に広がるムラサキ店舗スタッフ、また多くのメーカー各社の方々とコミュニケーションを取り、
エクセルと奮闘し、会議でマシンガンに打ちのめされる様な思いをしたり…
そして、部内の仲間と夢を語ったり、大笑いしたりと。
スキーリゾートという「現場」においての情報は、
以前まではプライベートでしか取得することが出来ませんでした。
自分の足でリゾートへ行き、その時に感じ、触れた事をイメージし、
SIA(SnowSports Industry of America)等の展示会へ海外に出張させて頂いた時に、
ユタ、コロラド、カリフォルニア、ワシントン州のリゾートへ足を運び、
本場で掴んだ情報を仕入れに活かしていました。
しかし、「川場という現場」での勤務で、
今までの感じていた事実と大きく異なることも多いことに気づき、
リゾートへ勤務して初めて得られる事実に出会うことができました。

■気づいたのは、こんな事:
ユーザーが使用している「自分の」スノーボードギアの状況を把握していない人が大半であると云うこと。
メンテナンスという概念を持っていない方が、こんなにも多くいるとは、正直驚きでした。
ハイバックを止めるビスがなくなっているバインディングや、
ソールが劣化により取れ落ちてしまったブーツ達。
芯材が完全にむき出しになっているボードや、スポンジ部分が穴だらけのゴーグル。
そんな例を挙げたらキリが無いほど。
週末になれば少なくても30人は、お店へ駆け込んで来られます。
懐かしい90年代の道具もよく目にしますし、
買い換えるきっかけや自身のスノーボードを診断する機会が無いのだと云う事実に出会うことが出来ました。
やはりこのスポーツはインターネットだけはではなく、
お店へ足を運んでいただき、お客様とギアの話で盛り上がったり、
ギアに対しての問題を聞き出し、その問題へのアドバイスすること。
お客様とお客様のギアに関わりをもっていく事が、品揃えや販売価格以前に重要な事だと痛感。
現場で得たリアルな情報を、各店舗へ発信し、お客様との関わりについて、
もう一歩先へムラサキスポーツ全体が進めるキッカケになった事は大きな収穫であったと思います。

■現場と各店舗の橋渡し
ムラサキスポーツ川場店は限られたスペース、またシーズン中しかオープンしていない為、
リゾートという現場で出会ったお客様を、既存店へ橋渡し出来ることが意義のある事だと思っています。
東京から来られたお客様は都内のお店、神奈川県、埼玉県、群馬県、新潟県、山梨県、
それぞれお客様の都合の良い、アクセスの良いお店をスタッフレベルで紹介してあげる。
高崎店へ来店されるのが都合の良いお客様には、
スタッフでありプロである林正久(MAGUN)に聞けば間違いないとかね。
お客様も知らなかった近隣のムラサキスポーツを紹介させて頂く。
同時に、各ムラサキスポーツ店舗から来られたお客様を、
スキーリゾートという現場でおもてなしさせて頂く事で、
「モノを売りっぱなしにはしない」というアフターケアをきっちり出来るということは、
小売店としては、この上ない幸せだと思う。

(↑おもてなし:2012年 新企画ファーストトラック http://www.kawaba.co.jp/
お客様がギアを使う現場とお店との橋渡しというのは、ムラサキスポーツにおいてスノーボードだけではない。
サーフィンの場合、
千葉県の一ノ宮市のビーチ沿いにムラサキスポーツが経営するTHE SUNSというお店があり、
シャワーがあって駐車場があって、必要なギアへの対応も行っています。
スケートも同様、東京都足立区千住にMAP’S TOKYOというスケートパークを運営し、
スケートの現場とお店の橋渡しを行っています。
橋渡しという行為が、情報発信の二方向通行。
このお店と現場の橋渡しが、日本全国の各店舗、現場でいろいろな形で行われています。
今後ムラサキスポーツとして、この橋渡しが更に広がり、強化されて行く事が理想であります。

■イベントいう形での情報発信
2010年3月。
ムラサキスポーツが川場リゾートへオープンした1シーズン目。
M&M BANKED SLALOMという大会を企画し、多くのライダーをホストしました。
詳しくはSNOWSTYLE、2012年2月号に掲載させていますが、
唯一スノーボードから派生したバンクドスラロームと云うコンテスト。
年齢、性別、全てのスノーボードレベルのライダーが参加することの出来る大会。
バンクがあるコースをどれだけ早く滑れるかというシンプルなタイムレースの日本開催を模索していました。
過去、ニセコでアンダーグラウンドな形で開催され、
またMountain Streamというタイトルにて、関温泉で行われていました。
日本に馴染の無いバンクドスラローム大会形式を取り入れ、この大会コンセプトを情報発信する事に、
いち早く共感して頂いたMervin Manufactureの代理店であるAdvance Marketingの宮沢社長。
SNOWSTYLE誌には記載されていませんが、真っ先に共感してくれたもう一人(団体)があります。
大会の現場、会場である川場スキー場です。
いち早く大会コンセプトに「YES」と首を縦に振って頂き、開催に当たって多大なご協力を得ることが出来ました。
その成功があり、「こういうイベントもあるんだ」と情報発信する事ができました。
このコンセプトが波及し、
多くの方々がシンプルにスノーボードの楽しさに出会って頂く機会の一つとして確立し、
更に多くのスノーボードファンを作ることに貢献できたらいいなと思っております。
(↑一昨年開催したバンクドスラローム)
昨年は、震災後に予定していた為、バンクドスラロームをキャンセルし
「JAPAN NEVER EVER GIVE UP」というチャリティーイベントを行いましたが、
2012年、第二回M&M BANKED SLALOMは、3月31日(土)、4月1日(日)に開催されます。
今年もまた、多くのライダーの参加をお待ちしております。
大会詳細は以下のブログにて更新されます。
http://mmbankedslalom.blogspot.com/



snow column和賀誠
1回目 2011/12/7 『スノーリゾート初出店』
2回目 2011/12/21 『顧客コミュニケーションの必要性を実現する』
3回目 2012/1/18 『現場から店舗への情報発信』
4回目 2011/2/1 『ホームゲレンデの確立』
 

 
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