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コラム

林睦益『第3回 世界のサーフシーン 中国編』

2018/06/06 tag: 林睦益

皆様、 こんにちは
私のサーフコラムも残すところ後2回となりました。
今回は中国の南の島、海南島(ハイナン)をご紹介致します。

海南島はベトナムとフィリピンに近い中国の南部に位置しています。 そのトロピカルな機構の故、中国のハワイと呼ばれています。海南島は漢民族だけでなく、少数民族がいくつか存在していることや、海南方言という言葉が現地の人々の間で話されているなど、中国本土とは一味違った文化が伺えます。実は私の母が海南島出身で、小さい頃から家族に会うために何回も訪れたことがありますが、ここでサーフィンをするのは初めての経験でした。

hayashi tomomi photo
(私の母が生まれ育った村とココナッツの原生林)

hayashi tomomi photo
(街中の青空市場)

私がこの島に滞在する間、サーフィンをしていたのは海南島の主要サーフポイントである日月湾(リーユエ湾)です。

日月湾では基本的にメローなロングボード向きの波が立っており、今年の1月にはISAのロングボードの世界大会が行われました。とはいえ、日月湾にはリーフやロック、ビーチと様々なブレイクが存在する為、場所によって波もそれぞれ違い初心者から上級者まで楽しめる場所です。そして何より普段は混んでいなく、のびのびとサーフィン出来るのが一番の良いところ。

 

海の前には3つほどのサーフショップや、フルーツスタンド、ホテルが一つある程度でとてもこぢんまりとしたコミュニティーがここにはあります。

hayashi tomomi photo
(地元のカフェ:大会でここを訪れたサーファーたちのサインが飾られている)

今回は日月湾に住むサーファーの1人、アチャオにインタビューしました。

hayashi tomomi photo
(サーフィンするアチャオ)

私:まず初めに、アチャオがここでやっていることを教えて。

アチャオ:僕はここでシャカサーフクラブっていうサーフショップとカフェをやってるんだ。ボードとウェットスーツのレンタルもやっているよ。

私:なんでここでビジネスを始めようと思ったの?

アチャオ:まずは、僕自身がサーフィンを中心にしたライフスタイルを確立したかったからなんだ。あとは、中国のサーフィンはまだまだ若くて中国人でサーフィンをする人は少ないのが現状。何年か前にここに来た時、日月湾にはサーファーのための設備が少なかった。それでここでみんなが集まってサーフィンの交流が生まれる場を作りたいと思ったんだ。僕のビジネスが中国のサーフィンの発展に少しでも貢献できたら嬉しいよ。

hayashi tomomi photo
(アチャオが経営するサーフショップとカフェ)

私:日月湾の良いところは?

アチャオ:サーフィンに心から浸るのに良い場所だと思う。シンプルで純粋な場所だから。海南島のサーフィンのシーズンは冬だけど年中できるし、日月湾は海南島だけでなく中国の中で1番のサーフポイント。それから人もとても穏やかでフレンドリーなんだ。世界大会の時には世界中から色んな人が集まるからここの人達は外から来た人もすんなり受け入れてくれる。

私:サーフィンは中国ではまだ比較的新しい文化だと思うんだけど、将来の中国のサーフィンに何を期待したい?

アチャオ:サーフィンのナショナルチームの将来が僕は楽しみ。彼らは日月湾にたまに合宿に来るんだけど、10歳から中学生くらいのとても若い選手ばかり。だから時間はかかるだろうけど将来、彼らが中国においてサーフィンを引っ張っていってくれる存在になってくれると期待しているよ。

私:最後に、あなたにとってサーフィンとは?

アチャオ:僕の生活の全て。海にいるときだけじゃなくて、僕がお店にいるときもサーフィンの一部だと思ってる。年寄りになってもサーフィンをしていたいね。

(インタビュー終わり。)

インタビュー中に中国のサーフィンのナショナルチームの話題が登っていましたが、実際に私は日月湾でサーフィンしているときに彼らも練習していました。全員10代くらいの男女のサーファーで、1番若い子だと8歳の選手がいるそうです。彼らは海の中で歌ったり励ましあったりして常に賑やかな空間を作り上げていました。比較的男性が多く、年齢層が高めな日本の海とは全く違った雰囲気がここにはがあります。

最後に私事ですが、日月湾でのサーフィンを通して今回は波に乗る以上に大切なことに気付かされました。
過去も現在においても、日本と中国は政治的、歴史的にいい関係が両国の間に築けているとは言えません。日本と中国のハーフとして、日本で生きていく中でその敵対心や差別的な感情に身をもって体感することもしばしばあります。そんなわけで今回、中国で1人でサーフィンするのは少し不安がありました。果たして受け入れてもらえるだろうか...。帰省する時は、家族や親戚と一緒にいて現地の人との交流はあまりないという理由もありましたが。そんな私の一抹の不安とは裏腹に、日月湾のローカルたちは想像以上にオープンマインドでフレンドリーでした。

hayashi tomomi photo

一緒に波乗りするのはもちろん、いつの間にか朝ごはんを作ってくれたり、みんなで鍋を囲んだり、スケボーで遊んだり、ウクレレと共にみんなで歌ったり...。とても心地よい時間を過ごすことができました。

世界を旅する中で気づいたことがあります。それは世界中のどこにも差別はありふれていることも、人間は自分とは違うものを時には受け入れられない弱さを持っているということです。

しかし、海南島で私が今回経験したように、国籍、人種、価値観、宗教など異がうまく交わって調和が生まれる瞬間も大いにあると思います。サーフィンないしスポーツはその起爆剤となる大きな潜在力があると私は確信しています。

これからの中国のサーフィンの発展に伴って、日本のサーフィンとの交流も深まっていくのではないでしょうか。今後に期待です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

林睦益(はやしともみ)プロフィール
1997年1月10日大阪生まれ 現在、国際基督教大学(ICU)3年
2017年の4月からスペイン語を学ぶ為一年間大学を休学。休学する直前にハワイでサーフィンに出会いその魅力の虜になった。
休学中には、ラテンアメリカやスペインでスペイン語を勉強する傍ら、現地でサーフィンを楽しむ一年を過ごした。
サーフィンに出会う前から旅が好きで今までに20ヶ国訪問。

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