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コラム

堀米亮太『第3回 This is 堀米亮太』

2018/11/07 tag: 堀米亮太

堀米氏との雑談も後半戦。
話が飛び飛びになる部分もご愛嬌ということでお付き合い願います。

Ryota Horigome photo

【ゴメさん、コンテストの事とかスケートの今後とか考えたりします??】
これからオリンピックも迎えるし、今はコンテスト中心って感じになってきてるけど、
スケートボードを育ててきたのは何と言っても映像だと思うんだよね。
どこから、どの角度から見ても映像がスケートボードを育ててきたのよ、もちろん写真もなんだけどね。
そのうちまたコンテスト中心って感じから映像の世界に戻ってくると思うんだよね。

もちろん、コンテストは出たいんだったらどんどん出ればいいと思う。
普段セッションしない奴らと滑るってのはすごい刺激になるしね。
結果や順位ばっかりに縛られないで、大会出ることはすごい意味のあることだと思うよ。

オレは若いころにあんまりコンテストには出なかったんだけど、
ユウトがコンテストに出るようになって、仲間と楽しそうに競い合ってるの見ると
オレももっと出とけば良かったなぁって思ったもんね。

その昔珍しくマップスでやったAJSAの大会に出たことがあったんだけどね、
練習だとバンクtoバンクでスイッチトレもスイッチヒールも100%メイクしてさ、
優勝候補なんじゃねーか?なんて周りに言われてたんだけど、、、
本番でね、いざ自分の番になって滑ったら、トレはポップになっちゃうしさ、
ヒールなんてプレッシャーフリップになっちまうし。。。笑
緊張なんかしてるつもりなんかなかったのに、気合入り過ぎて空回りしてリキんじゃってねぇ。。

そーいやこんな話もあったね、当時は結構いろいろな場所で大会が開かれててさ、
原宿のガッタガタの路面でやった大会にクリスマーコビッチが来てたことがあってね、
本当にプッシュするもの厳しい感じの路面でさ、マーコビッチが何の技だったか忘れたけど
失敗して板がサーって流れたのよ、でね、誰とは言わないけど身内の足元にその板が来たから
周りの連中が「おい!その板持って逃げろ!」ってふざけて言ったら本当に持ち逃げしてったんだよねぇ。笑

一応当時100人前後がエントリーしてた大会で最高5位くらいに入賞したこともあったよ。
まぁ、コンテストの結果が全て!って感じなるのはあんまり良いことじゃないと思うんだよね。
第一、そんなスケボーしたって面白くないでしょ。

コンテストにもたまには出てたけど、結局オレはビデオのトリックを追ってたかな?
1990年代になるとやっぱりコストンとかガールチームの影響がすごくてねぇ。
今ユウトがコストンとかマリアーノ達とツアーに回ったりしてるけどさ、
当然凄いことなんだけどね、オレにとってはコストンとかマリアーノなんて
神みたいな存在だからさ、怒らせたり失礼な事してないかって心配になっちゃうよね。笑

そういえばさ、ユウトのことで少しだけ嬉しいことがあってね、90年代の映像を見て、
コストンとかマリアーノの凄さが理解できて、オレと同じ気持ちを共感できるってことはちょっと嬉しいよね。

オレが映像映像って言ってるのはそういう事なんだよね、1990年代の映像を今の人間が見ても
スゲー!って影響を受けることができるでしょ、いくらコンテストの結果だけをさ、
何位だって言ったところで凄いかもしれないけど何かに影響を与えるって感じではないからね。

結局さ、スケートボードで成功したいならやっぱり映像!パートを残すことでしょ。
ケヤキにしたってパートを残してさ、もちろんいろんな人が協力してくれたってのもあるんだろうけど
そのパートがあったからX-GAMEのアマチュアに呼ばれたりしてるわけでしょ。

コンテストでさ、上に行ける人間なんてほんの一握りで、そこに行けなかったら終わりっていうのは
もったいないと思うし、いい映像を残せばそれだけチャンスも広がってくるわけでしょ。

そういえば、オレもこれだけはビデオに収めたいって!技が当時あってね、ロン・クリーガーがすごい好きでさ、
何かのシークエンスで見たんだけど、バックテールからのフリップアウト。
これだけはどうしても残したくて何回も練習して、何度もトライしてようやく映像に収めたって記憶が今も残ってるよ。
仲間内で作ったショボいショボショボなビデオなんだけどね。笑
101のFalling Downが好きだったからできるだけ短く編集してね。

今なんてさ、みんなスマホ持ってるからわざわざビデオカメラ買わなくていいし、
色々な角度から一度に撮影ができるし、編集するにしてもビデオデッキを2台繋げて
再生と録画ボタン押してなんてしなくてもいいしね。
その映像でさ、いろいろ認められるようになればさ、ちゃんとしたカメラマンと動くこともできるし、
ライダーにとってもカメラマンにとっても良いことだよね。

あくまでオレの意見だけど、コンテスト中心になるっていうのは業界的に見て
あんまり良いこととは言えないのかもしれないよね。
まぁ、オリンピック競技化ってなると親御さん達の熱が入るってのも分からなくもないんだけどさ。

ユウトなんかもコンテストばっかりの印象を持たれるんだけど、HIBRIDからも映像出したりしてるし、
あくまでコンテストはチャンスを与えられただけで、それに上手く応えられたってだけだと思うんだよね。

ビデオってのはさ、学校の教科書みたいに外圧的に見ろってものではないけどさ、
オレからするとやっぱりビデオは見た方が良いとしか言えないよね。
全ての答えがそこに詰まってる訳だからね。

チャンスって部分の話になるとさ、今女の子たちに関しては本当に宝の山だらけだと思ってるんだよね。
日本もさ、女の子のスケーターも注目され始めてきてるわけでしょ。
つまり、今の女の子たちはさ、オレらが過ごしてきた時代、90年代後半から2000年代初頭と同じくらい
そこら中にチャンスが転がってると思うんだよね。
だから女の子もコンテストコンテストしないでできる限り映像を残した方がいいと思うんだよね。

海外でフルパイプをメイクした女の子とかさ、エグいトラジション攻めてる子とかいるでしょ、
男と違ってさ、注目の度合いと話題性がやっぱり全く違うんだよね。
まぁ、フルパイプを滑る機会なんかは中々ないけどさ、例えば男が縦コーンをBSオーリーで飛んでもさ、
あ、上手いねぇ。で終わっちゃうけどさ、女の子が同じ動きしてみたと思ってみてよ。
しかもラインの中でカッコ良くそんな動きしたらさ、あっという間に世界中に広がると思うんだよね。

だから今まで女の子でやって来なかった動きをどんどんやって、女でもこれだけできるんだ!ってことを証明して、
それから真の意味でのコンテストの価値が出てくるんだと思うんだよね。

10年くらい前からさ、女の子のスケートボードって可能性がまだまだあるなって思ってたんだけど、
今もその頃からさほど変化してないのよ、ということはね、女の子の方がコンテスト中心になってる感じがするのよ。
自分のできそうな事からでもいいからさ、頭使ってパート残すってことの方がコンテストで好成績を収めるよりも
何倍も自分の目指す方向、成功への近道なんじゃないかって思うよね。

何回も言って申し訳ないんだけど、スケートボードを育てたのはやっぱり何と言っても映像なんだよね。
大会、コンテストってのも大事なんだけど、次につながりにくいと思うんだよね。
特に日本の女の子たちはさ、自分たちが今どれくらいチャンスがある世界でスケートボードをやってるかっていうのを
理解してほしいよね。

 

【ゴメさん、中年出戻りスケーターってどう思います?】
おじさん出戻りスケーター、すごいいいことでしょ!
若いころにガッツリやってた人ほどね、ブランク空いて滑るとその頃見えなかったものが見えたりするからね。
ただね、若いころのように身体は動かないけどね。笑

だからね、どんどんやるべきだと思うよ。オレたちの世代でさ、そろそろ子供の手がかからなくなって
時間に余裕が持てるようになってスケートボードをまたやりたくなったらやるべきだよ!
まぁ、復活した時ほど気持ちが高ぶってるから、気を付けて怪我しない程度にね。

オレも10年ぶりくらいだけど、最近みんなとバーチカルをちょこちょこ滑ったりしてるけど、
もちろんこれからどんどん滑ってさ、バートもストリートも。。。笑

とはいっても、まだ次男がこれから大学受験を控えてたりさ、仕事もおろそかには出来ないから
そこまでの頻度では滑れないけどね。。
やっぱりスケートボードから離れるっていうのは生活があるからかなぁ?

最近ちょっとショックだったのがさ、ユウトがまだ小さい時にね、毎週日曜に次男三男も連れて
一緒にスケートに行ってたんだけどさ、で、たまに次男や三男の友達とかも一緒に連れてったのよ、
だけどね、やっぱり仕事が忙しくなったりして一緒に行けなくなってきちゃったんだよね。
だからさ、自然に次男や三男の友達も連れていってあげられなくなっちゃってさ。。

でね、つい最近次男から聞いたらさ、その一緒に連れて行ってあげてた友達が最近スケートボード組んで
また滑ってる言うのよ。
そういうの聞いちゃうとさ、仕事ももちろん重要なんだけど、その時もう少し子供たちに時間かけて
一緒に連れてってあげればよかったなとも思うんだよね。

まぁ、スケートボードを知らない子たちにも楽しさを伝えれるとかさ、親子じゃなくても一緒に滑りに行けるとか
そういう環境がもっとしっかりできるといいよね。

次回最終回。スケートボーダーとして、父親として。
堀米亮太が語ります。

Ryota Horigome photo

 

堀米亮太(ゴメス・ゴメさん)プロフィール
世界のYuto Horigome(堀米雄斗)の父
お話好き(特に都市伝説系)

 

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