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コラム

徳永修一『第3回 環境問題とSFJの話』

2021/01/13 tag: 徳永修一

あけましておめでとうございます。
昨年からコラムを担当させてもらっている徳永です。
3回目は環境問題との関わりについて書かせていただきます。

前回までは自分の事と自社の話を書かせていただきましたが、環境問題に意識が向いているのは、これまでの話の中で時々出てくる、先代社長である自分の父親の影響が多分にあるからだと思います。
小さい頃から「ビニールは絶対捨ててはいけないが、バナナの皮ぐらい山に捨てても問題ない」と言われ、そこで、有機物の話や分解のような話を分かりやすく説明してもらい、「何がいけないのか?」といった本質的な事を教わったので、環境問題への意識は自然に芽生えたと思っています。

そして、アイランドブラザーズを始めたばかりの頃、SFJ:サーフライダーファウンデーション・ジャパンが千葉で発足、「沖縄から何かできる事があればお手伝いします」と申し出、当時、SFJが年会費制で会員を募っていたので、「うちの店でサーフボードを買うと自動的にSFJの会員になります」とボードの代金の中に年会費分も含めて販売していました。
一時は沖縄のSFJ会員が多いので不思議がられていた様です。
そうこうする内に代表が変わり、京都の守山さんから電話をいただきました。
「前の代表から紹介されたのだけれど、手伝ってくれ!」と言われましたが、その頃、色々な事が重なっていて時間的にアップアップしていたので、一度はお断りしました。
しかし、もう一度ゆっくり考えて、「沖縄に居ても出来る事なら」という条件で話を承諾したら、「じゃあ、副代表お願いね!」と言われ、「ええっー!?」となった事は今となっては良い想い出です。

それからは京都の守山さんを代表に、鎌倉の許さんと沖縄の自分で代表、副代表二名の三役体制でSFJの新しい組織が始まりました。
三人の役割については明快でやり易く、業界でも名の通っている守山さんが代表で総合的に組織を見てくれ、海洋学者である許さんには「お勉強系はお願いします!」と少し硬い所の話をお願いして、商売をやっている自分は「財務というか、資金作りを担当します」と三人がそれぞれの役割でスタートしました。
程なくして、東京の品川駅に近いJPSAのオフィスの隣の部屋が空いていたので、そこにオフィスを移し、アクセスも良いこともあり、様々な方々や企業との関わり合いができる様になりました。

東京にオフィスを移す前、三役体制がスタートしたばかりの頃、SFJにあった財産はいくらばかりの現金と、300枚のヘンプコットンのTシャツのみでした。そのTシャツにプリントをして売り出すという話がすでに進められていて、Tシャツのデザインについて議論されていました。
長い間、Tシャツの商いをしてきた自分は「まずはシンプルなロゴTを作るべきではないか?」と提案。それまでのデザイン議論に水を差すことになったのですが、メンバーが賛成してくれ、300枚のロゴTを作りました。
そして、タイミング良く、横浜赤レンガ倉庫で開催されたジャック・ジョンソンのライブ会場内に、主催者のサポートで2日間、グッズ販売をする場所が借りられ、その2日間で全てのTシャツを完売。その他の商品の売り上げも合わせて、当時のSFJにしては大金を手にする事が出来ました。それを資金として活動に拍車がかかり、多くの人たちの協力のおかげで売上も上がり、東京にオフィスも構えられる様になった訳です。

自分はその様な役割にいたのですが、2回ほどSFJの代表として会議に出席させてもらった事があります。
1回目はカリフォルニアで行われた国際会議の日本代表として。
そこでは、世界中のサーフライダーファウンデーションのメンバーが集まり、活発な議論がなされていましたが、常に「VSからVictoryを勝ち取る!」といった話でした。自分はそこになんだか違和感を感じ、「日本では、『和をもって尊しとなす』という教えがある」という話をしました。
「VSだと負けたくないから抵抗もすごい。だからお互いが徹底的に話し合ってUNITEというか協力し合うことが、お互いのVictoryなのではないか?」という、考え方の切り替えの提案をしました。
「妥協するのではなく、分かり合えるまで徹底的に話をする」というこの教えが、現代では特に必要なのではないかと今でも思っています。
環境問題を論じる時に、開発=ダメの前に「なぜそれをやるのか?」をしっかり聞いて、その必要が無くなる方向に持って行けないか?それをいつも考えます。だいたい金の話が裏に着いて来るので、なかなか難しいのですが。

2回目は宮崎の赤江浜の開発の問題が浮上した時に、オブザーバーとして参加させてもらいました。
そこで聞いた話は地元で暮らしている人にしか解らない、様々な複雑な理由がありました。それは自分が住む沖縄にもある本質的な問題です。
基本的に開発には反対というスタンスは揺るがないのですが、SFJがそれを直接解決できるポジションにある訳でもなく、その会議を終えて、SFJは各地域の事例などの情報を提供し、いろんな知恵やノウハウを持った人を紹介したり、各地の問題の手助けをする組織としてあるべきではないかという報告をしました。
ローカルがローカル自らその問題を解決する。そのサポートをする役割。今でもそう思っています。

SFJにいる時に作ったリーフレットに「誰かの問題ではなく、私たちの問題なのです。」と書いています。
サーファーの置かれている環境を守るのはサーファーでなくてはダメだと思います。
そして、それは「誰かの問題」でなく、自分も含めた「私たちの問題」であることを、当事者意識を持って、出来る事から始めて行くしかないと常々思っているので、これからも声を出していこうと思います。
それが、SFJの三役をさせてもらった6年間で一番勉強になった事です。

波乗りの後、ボードを抱えてない空いている片手で、拾えるだけのゴミを拾う「ワンハンドビーチクリーンアップ」を沖縄に帰った30数年前から続けています。
湘南や千葉、日本海、台湾、ハワイ、インドネシアにお邪魔した時も同じ様にやっています。
これでゴミ問題が解決するとは思っていませんが、意識は変わってくると思います。
意識が変わると次の行動に繋がります。
今すぐに「誰でも出来る簡単な事」を始める事で、大きな意識改革につながる可能性は十分にあると思います。
誰かの問題ではなく、「私たちの問題」なのですから。

Tokunaga Syuichi Photo
仲良しのハワイアンが色を塗ってプレゼントしてくれたトング。
先っぽにつけてくれた袋の "DAILY LIFE" の言葉が沁みる。

 

徳永修一プロフィール
1963年9月4日 沖縄県那覇市生まれ
中・高の6年間を大分県佐伯市で過ごし、その後、東京でグラフィックデザインを学び、現在、株式会社アドプロの2代目代表取締役。
1995年自社ブランド『アイランドブラザーズ』を設立。
サーフライダーファウンデーションジャパンに副代表として6年間従事。

 

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