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コラム

徳永修一『第4回 STAY FREEDOM』

2021/01/27 tag: 徳永修一

こんにちは。
昨年からコラムを担当させていただいている徳永です。
今回が第4回目で最後のコラムになります。

最終回は、日頃感じている事について書かせてもらいます。
私はアイランドブラザーズというローカルブランドを立ち上げてから、サーフショップも同時に続けています。
私が日頃いるのは本社事務所ではなく、green THE BOARD CULTUREというサーフショップです。ここで、サーフボードやスケートボードを探しに来られたお客様に接客をしながら、日々新しいデザインや企画の立案をしています。

そのような中、以前からずっと感じている事なのですが、「マーケティングって何だろう?」という疑問です。
昨今、多くのサーファーやスケーターが情報過多の世の中で、その情報をどんどん取り入れて、消化できずにいるのにも関わらず、さらに新しく発信される情報の処理に時間を割いてしまっていて、ゆっくりとその物について考えられずにいるように見えて仕方ありません。
簡単に言えば、「頭でっかち」になっている感じです。
まだサーフィンの経験も浅く体験が少ない人が、知識ばかり増え、その知識に対してリアルな体験が無いまま、分かった感じになってしまっている。
やたら、材料の話やリッター数などにこだわり、ロッカーやレールの形状やエッジといった事にはあまり興味を持たず、「浮力、浮力」と唱える。「浮力とは何だろう?」と考えた事は一度もなく。そんな感じがすることが多いのです。
そして、その情報にがんじがらめにされていて、本来、自由が真骨頂なはずの横乗り連中が、枠の中に勝手に入り込んでしまうというか、自分の周りに枠を作ってしまい、窮屈になっていることさえも気づいていない。そのように見えてならないのです。

例えば、サーフボードのリッター数にやけにこだわる方。色々な情報から「自分には〇〇リッターがベストだ!」と決めつけてしまい、ボード全体を見るよりも先にボードに書かれている数値を見て、数字が合致しなければ物は見ない。
時にはスケートボードを見に来て、「これはアレ用か?これはアレ用だ!」といった感じで、すごい知識があるんですが、最後には「コレをアレに着けるとどういう感じになりますか?」と正解を求めて来る。このようなやり取りをしていると「なぜ、正解を求めるの?」と聞き返すことがあります。
「感じ方は人それぞれで、経験しながら自分のスタイルとかを作っていけば?それまでは誰かの真似でも良いから。」とアドバイスし、「考え過ぎないで、まずは自分が感じるままやってみたらどうか⁉」という提案をしています。
そして「感じることを大切にして!ブルース・リーだよ!Don’ think feel!」と言うと、かえって訳が分からなくなってしまう事もしばしば。

また時には、「ファンボードって何フィートからですか?」という質問に対して、「楽しい板は全てファンボードだと思います。」と言います。
「なぜカテゴライズするのか?なぜ枠を作りたがるのか?」
これは我々業界のマーケティング手法の歪みだと思っています。
ファンボードという言葉があまり使われなくなってきて、ミッドレングスという言葉が出てきましたが、自分のように163cmしかない体の小さいサーファーと190cmを超えるサーファーのミッドレングスに対する感じ方は違うと思っています。
「自分の身長の〇%〜〇%までをミッドレングスとする。」とかの規定があれば判りやすいのでしょうが、そんな規定も何だか窮屈でいらないと思いますし。
「枠にはめたがるのは国民性なのか?」
「なぜ疑問を持たないのか?考えないのか?」
「なぜそんなに簡単に受け入れるのか?」
そう思う事もしばしばあって、行き着くところ「学校教育の問題なんじゃないか⁉」と仲間内で話しています。

横乗りの人達はもっと自由であって良いと思うのです。
特にサーフィンはルールとマナーを守って、人に迷惑さえかけなければ自分のスタイルで楽しめば良いのではないか?そう思うし、「基本マスターベーションだから。」と言っています。
「大会で成績を上げたい!」そういうのであれば、それなりの練習を取り入れなければいけないでしょうし、そういうための道具も必要でしょう。
上手くなりたいのは誰もが持つ欲求だと思います。それが前提だとしても、「ただサーフィンがしたい、波に乗りたい」のであればボードのチョイスも、もっと自由で良いのでは?そういう時のために必要なのがプロショップや経験者の教えだと思います。そして、その役割がインターネットの世界やメディアの世界に奪われたように見えても、実は経験の浅い人にとっては消化できない情報も多く、本当の身にはなっていないことが多い気がします。
とにかく、メディアの情報で何であれ、その情報を的確に判りやすくするには、やはり顔を突き合わせて話すことだと思っています。サーフィンやスケボーなんて基本はアナログですから。

最後に最近作ったサーフスケートを紹介します。
きっかけは、お店に来る若い子が経験はないけどあまりにも情報だらけで、ウンチクが多すぎるので、何だか腹が立ってきたので、「この足場板にサーフスケートのシステム着けても乗れると思う。それを俺が証明してやるよ!」と言って、お店の改装で使った厚さ30mmの杉板を自分の感覚の長さで切って、サーフスケートのシステムを着けて滑ってみました。コンケーブも無い、グリップテープも貼っていない、ただの四角い杉板。そういうことをしたことが無いので、やるまでは自分でもどうなるかは不安でしたが、今までの経験値で「行けるだろう!」と。自分がスケートボードを始めた70年代にはアメリカの雑誌なんかに、アウトラインは別として、ロッカーのない、ただの板みたいなスケボーはたくさん載っていましたから。
そして、出来上がって滑ってみたら以外にも調子が良く、板の厚みからか、踏み込んだ時に思った以上に力がウィールに伝わる感じがして、システムを提供してくれたメーカーの営業も呼んで、このフィーリングの新鮮さを満喫しました。なんでも無いことなのですがとても楽しくて。
そして、情報だらけの若い子の前で乗って見せたら、目が点になっていて、「それが欲しいです!」と言う始末。「システムは売るから板はホームセンターで買って!道具も貸すから。」と答えておきました。
そのままでも十分に楽しめるのですが、これに乗ってみると、コーンケーブやグリップテープの重要度も感じることができます。そういう事を感じるツールがあるだけでもやった甲斐がありますし、まだまだ改良の余地はあるので更に ”いじって” 行こうと思っています。

これで楽しんでいる時、ある一人の子が「角が怖い」と言うので、「もちろん自分の好きに角も丸くしたらいいんじゃないの?」と話をしたら、「この四角いスタイルが良いんだよ!」とかと言う人も現れビックリ。
「新たなカテゴリー現れる⁉︎」勘弁して欲しいです。
まあ、そういうウンチクを言っている間が楽しい時間でもありますけど。
基本的に思うがままやって、体験してみることを重視して作ったので、そんなにお金がかからないのであれば、思いついたままを思いついた時にやってみて、リアルな「感じ」を体の中に増やしていって欲しいと思っています。
特にコロナ禍の今、人気のない所に行ってそんなことで楽しんでいても害はないでしょうし、ステイホームばかりだと心も害されると思いますから。

概念的にならず、もっと自分の枠からはみ出て見ることを、これからも薦めて行こうと思います。
ちなみにこの四角いスケボー、この先どうなるかは分かりませんが、お店のオリジナルとして、
“KIRIPPA!” という商品名でそのうちリリースします。サブコピーには “STAY FREEDOM”。
楽しんだもの勝ちです!

4回も長々と取り留めもない話を読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。

Tokunaga Syuichi Photo

 

徳永修一プロフィール
1963年9月4日 沖縄県那覇市生まれ
中・高の6年間を大分県佐伯市で過ごし、その後、東京でグラフィックデザインを学び、現在、株式会社アドプロの2代目代表取締役。
1995年自社ブランド『アイランドブラザーズ』を設立。
サーフライダーファウンデーションジャパンに副代表として6年間従事。

 

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