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コラム

栗原誠(MA.)『第2回 リアルシェイパーとフェイクシェイパー』

2022/09/07 tag: 栗原誠(MA.)

僕は自身の名前(→誠)の影響なのか、仕事においては本物志向で嘘が嫌いです。
そして物づくりが職業なので常に高いレベルで技術を高め探求しています。

そこで今回のコラムのテーマは「リアルシェイパーとフェイクシェイパー」本物と偽物。
どのジャンルでも必ずあるこの二極の光と影。残念ながらシェイパーの世界にもそれはあります。
今フェイクシェイパーは世界的に多いとの事であちらコチラにいると聞いています。

先ずは僕から見たシェイパーの種類。
1.ハンドシェイプしかしないシェイパー

2.ハンドシェイプが完全に出来てマシンも併用できるシェイパー
(マシンを使ってもフルハンドでも同じボードがシェイプ出来できる。
マシン×シェイピングソフトをプレーナーの如く操れます)

3.ハンドシェイプが完全に出来てマシンも使う。作業時間短縮の為に自身のボードをスキャンしてマスターボードデータを作成しシェイプ。
ボードカットは他社に依頼マシンの操作などはしないがマシンを使ってもフルハンドでも同じボードがシェイプ出来ます。

4.ハンドシェイプが完璧に出来なくて(技術不足)マシンに頼ってボードをカット、そしてスムージングしかしないシェイパー。
(しかしボードデザインは完全に自身のオリジナル)

5.もちろんハンドシェイプが出来なくて、マシンに頼ってボードをカットしスムージングをするシェイパー。
一見3と同じですが、そのボードデザインは他社大手ブランドや他人のボードをスキャンしたデータだったり、
それらを掛け合わせたものだったり、ようは盗作品。

もっと種類はあるかもだけど、簡単にあげると上記の1~5です。
じゃあどこまでが本物でどこからが偽物か?答えは簡単です。
世界的基準でみればハンドシェイプを完璧に出来ない時点でフェイクシェイパーです。僕もそう思います。
僕は世界のサーフィンビジネスの第一人者達と話す機会が多々ありますが、彼らもその感覚でした。

項目1~3は作業手順や工程が違うだけで同格のリアルシェイパーです。
そして、残念な事に項目5のシェイパーが意外に多いです。
まだ項目4のシェイパーの方が数倍マシでまだまだこれから技術高めましょうって感じに思える。

それなりに有名な売れてるブランドのシェイパーにさえもフェイクシェイパーは存在しています。
2000年以降マシンが世界的に普及した時多くの著名シェイパーはスムーザーを雇い育成しました。
ハンドシェイプをせずにスムージングをしていた彼らの殆どがその後独立しました。
その後更にマシンが普及するとハンドシェイプが出来なくてもサーフボードをシェイプ出来る時代が到来して多くのフェイクシェイパーを生みました。
そしてハンドシェイプの技術不足の人たちもマシンシェイプに頼るようになりました。
そして日本国内の場合、スムーザーを雇いサーフボード製造を行うような大きなブランドはありませんからスムーザー上がりのシェイパーはいないように思います。

ですから世の中には、
・ハンドシェイプ出身のシェイパー(シェイパー)
・スムージング出身のシェイパー(スムーザー、そして日本人にはいない?かな?)
・マシンシェイプ出身のシェイパー(かっこよく言うとサーフボードデザイナー?ようはスムーザー)がいますね。

あなたのサーフボードのシェイパーはリアルシェイパーですか?
決してマシンシェイプが悪ではありません。
ハンドシェイプが完全に出来て、自身のデザインが確立されていて、生産数を上げるためにマシンを併用する。
そして超一流のシェイパーなどはマシンを使いスムーザーを雇用したり、世界各地のシェイパーなどと連携して
現地生産などのライセンス生産を行なっています。僕のサーフボードも例外ではなくアメリカで現地生産されています。

実際、僕自身は上記項目1~5でいうと、項目2に該当します。
僕はWRVに加入するまでは16年間ハンドシェイプしかしてませんでした。
WRV加入後にマシンを併用することなりました。
理由はアメリカでの滞在日数の割にシェイプしなきゃならないボードの数が多すぎるからアメリカではマシンを使うようになりました。
しかしデータの作成などは自身で日本で行わなければならない為、日本でもほんの少しだけ使うようになります。
そこでの収穫もありました。ハンドシェイプ、マシン併用と散々繰り返し
シェイピングソフトでデータ調整を繰り返すうちに飛躍的にシェイプスキルが向上しました。
どうスキルがあがったかというと、シェイピングソフトのデータ通りハンドシェイプできるようになりました。
これを習得することにより、ボードのモデル数が20以上ある中からオーダーのサイズにサイジングしてデータを作成、
そしてそのデータ通りにハンドシェイプ出来るのでハンドシェイプがかなり正確ですし、自ずとリッター数も把握出来ます。
逆の方法だとニューモデルを考える時はソフト上でデザインを作成して、そのデータを元にハンドシェイプ出来ます。
ボードシェイプでマシンを併用して使うようになり、全てにおいて技術がかなり向上しました。
そして現在は僕自身が所有するマシンが手元にあるので、更に上の段階に進めています。
世界の一流シェイパーなら当たり前にこの段階の技術、ノウハウを持っていますが、
ここ日本のシェイパーの中では数パーセントじゃないでしょうか?何人かはいると思いますが不明。。。

あなたのサーフボードのシェイパーはどうですか? 
シェイパーは技術や長年の経験などが集約されて初めて最高のサーフボードを提供出来ます。
そしてそれはサーフボードの価格にも反映されています。
あなたなら
・シェイプ歴2年のシェイパーのマシンシェイプ価格13万円のサーフボード
・シェイプ歴25年のシェイパーのマシンシェイプ価格13万円のサーフボード

どちらを購入しますか?
僕がユーザーなら、どのシェイパーも上記の1~5に当てはまると仮定するなら間違いなく後者を選びます。
より本物を選びたいです。シェイプ歴以外は同条件でほぼシェイプ歴判断になると、シェイプ歴2年でマシンを使用してる方がフェイクの可能性が高いです。
実際25年前はマシンシェイプはほぼ無い時代です。しかし僕のアメリカ人の友人でシェイプ初めて2年足らずでフロリダのシェイプコンテストで優勝した人がいます。
必ずしもシェイプ歴が浅いから良いボードを削れないとは限りませんが、彼はマシンは使いません。
センスがあれば技術の上達が早いし、感性があれば思い通りのものを形に出来ます。

僕は元々、子供の頃から物作りが好きでそれに長けてたと思います。周りの人もそれを知っているぐらい物作りは得意でした。
子供の頃からサーフィンに人生かけて頑張りましたが怪我をきっかけにサーフィンを辞めた時期がありました。
その時に就職しようとしましたが、学歴足りず就職すら出来ず、自分で物作りで生計を立てようと思いサーフボードを作るか飲食店をするかを考えました。
そうなんです料理も得意なんです笑 でもサーフボードを選びましたね。
でも作り方は一切知らなかったし誰も教えてくれないので一から独学で作り始めました。
VHSのジョンカーパー(JC)のシェイピング101を見て笑
今で言うところのYouTubeでシェイプ始めました的な笑
20年以上前だったので情報はかなり少なめで大変でしたがなんとか現在に至ります。
シェイプを初めて数年後にジョンカーパーと話す機会があり「あなたのビデオを見てシェイプ始めた」と言ってやりましたよ笑
そしてその昔ジョンカーパーもWRVのボードをシェイプしていた時期ありましたね。
僕は独学のガレージシェイパーからスタートして本物を求めて探求し続け努力をし挑戦を続けています。
目標まではまだ程遠いですが、更に高みを目指します。
その目標もWRVのバックアップもあるのであながち実現できなくはない目標にはなってきました。
もちろんまだまだですがとりあえずやるだけです。アメリカでは30人以上のチームで活動しているので僕はシェイプのみですが、
日本ではまだチームが確立されていません。同じような志で一緒にチームとして展開してくれる人材は常に探してますので、
これを見て興味ある方は直接連絡下さい。スムーザー(シェイパー)やファクトリー作業全般はいつでも募集しています。
ガレージシェイパーの方もOKです。あとブランドのプロデュースや運営、営業宣伝活動などなどサーフビジネスに興味ある方、
更に選手やテストライドスタッフなど、WRVなら世界を舞台に活動し活躍できます。
応募資格は本物を追求出来る方で自分自身の為に努力出来る方です。
まぁ話は長くなりましたが僕はどこまでいっても本物でいたいという話でした。

 

 

 

栗原誠(MA.)プロフィール
アメリカ大手サーフボードブランドに在籍しワールドワイドに活動するシェイパー。
その経験から日本、海外の波は勿論、様々な体格のサーファー、
そしてあらゆるニーズに対応できる実力派シェイパー。
最先端のデザインを取り入れながら自分の形に反映させ、
ショートボードからロングボードまでオールジャンルでシェイプでき、
全てのモデルで乗りやすく扱いやすいボードだと定評あり。
<WRV japan>
Web:https://www.wrvjapan.com/
instagram @wrv1967_japan
<MA.>
BLOG https://shaper-ma.blogspot.com/
instagram @shaper_ma

 

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