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コラム

古川尚子『第1回 アダプティブサーファーとの出会い』

2024/02/12 tag: 古川尚子

「アメリカ、一緒にいこうよ!」彼らの誘いで私の世界は大きく大きく広がった。

2018年、伊豆下田で開催されたJPSAの大会のアナザーイベントで、車いすを使っている子どもたちがサーフィンを体験する企画があり、私たちは車いすが砂浜に埋まってしまうのを防ぐため“ビーチマット”を設置しに行った。そこには、アダプティブサーファーもデモンストレーションで招待されていて、彼らの「サーフスタイル」に驚いた。

当時の私は、NPO須磨ユニバーサルビーチプロジェクトのボランティアメンバーとして、車いすを使っている人に海水浴を楽しんでもらえるよう、須磨海岸を拠点に、全国のビーチに“ユニバーサルビーチ”を届ける活動を始めた時だった。この活動の様子は、次回お伝えします。

アダプティブサーファーには、義足を使っていて義足のままサーフィンをする、片足(両足)欠損で座った状態でサーフィンをする(ニーボード)、車いすを使っていて座った状態でサーフィンをする(ニーボード)、車いすを使っていてテイクオフとゲッティングアウトは誰かにサポートしてもらい波に乗るときは腹ばいでサーフィンをする、全盲でバディーと一緒に海に入って声でうねりやテイクオフのタイミングの情報をもらってサーフィンをする、片腕でサーフィンをするなど個人に合った様々なスタイルがある。
簡単に言うと、波に乗るために道具を工夫したり、乗り方を工夫したり、手伝ってもらうなどして、自分の身体機能に合わせた特徴的なサーフスタイルを持っているということ。さらに言うと、タンデムライドやタンデムの中でも抱っこして波乗りを楽しむスタイルもある。これらのベースがあって、その日の波に合わせて道具を選んだり、入るポイントを選んでいく。
自分に合ったサーフスタイルで楽しむ至福の時。


このアダプティブサーフィンも、一定の基準を設けてコンペティションが開催されている。クラス分けをして競技を行う場合、「パラサーフィン」と呼ばれることが多い。
私が出会った多くのアダプティブサーファーの中には、パラサーフィン日本代表選手がいる。中でも“マサさん”こと小林征郁選手、“ケンちゃん”こと伊藤建史郎選手、“川上サン”こと藤原智貴選手が、いつも何かと誘ってくれる。
そんな彼らが2022年も世界戦に出場すると聞き、教員からフリーに転向したばかりの私は「アメリカへ応援に行きます!」なんて言っていたら、「応援だけじゃなくて、一緒に行こうよ!」と声をかけてくれた。“ちょっとしたこと”をやり、誰かが助かった!と思ってくれるような活動をしていこうと思い転向した私にとって、とてもうれしい誘いであった。私は、今までの様々な活動を通して、パラの世界はちょっとした手が必要だと知っているから、今回も一緒に行動して、選手が大会に集中してもらえたら、それはうれしい。大会会場では、車いすを使っている選手の移動を時々手伝い、海に入る時は他の仲間や現地ボランティアと一緒にビーチチェアーを押していく。ウエットスーツの着脱や、サーフボード等の持ち運びなど、必ずサポートが必要な場面・選手と、誰でも助けてもらったら助かる!という場面と、その時々をいろいろな選手と過ごすことができた。私がいることで、身体機能上自分ではどうにもできない「障がい」がクリアされていたと思う。そこに自分のやりがいを感じ、2023年も一緒に世界戦へ向かった。
この2年、同行した私は、アメリカでの車の運転にも慣れたし、アメリカでの“ユニバーサルビーチ”をはじめショップなどのハード面の様子も知れたし、パラサーフィンの選手に必要な“ちょっとしたこと”もわかってきた。さらに、ヒートが始まると全員ライバルになるけれど、海から出たらハートフルな国境を越えた仲間たちとの出会いは何よりも財産になっている。彼らと友だちになれたのも3人の選手のおかげ。
また、カリフォルニア在住の日本人のみなさんの応援が心強い。大会に足を運んでくださったり、必要なことがあれば気軽に言ってくださいね!と声をかけてくれたり、現地のエールは選手の緊張や不安を戦うエネルギーに変えてくれる。サポートで行っているだけの私もパワーをもらっている。
手伝っているようで、私のスキルアップの旅。

2023年は第1回全日本パラサーフィン選手権大会が開催された。
日本では、少ないといえども選手をサポートする人がいるので、私は、会場づくりにエネルギーを注いだ。大会会場に“ビーチマット”を設置して、選手が会場内を移動しやすいようにした。波打ち際に近いところにタープをはったり氷を準備して、体温調整ができない選手が少しでもバテにくいようにした。ボランティアメンバーがサポートしやすいように、ビーチチェアーを用意した。
身体障がい者がアウトドアシーンに出ていった時、道具があるだけでクリアされる障がいが多くある。どの場面で何が必要なのか、パラサーフィンの世界戦や国内大会を通して、多くの人に知ってもらえたらと思う。今回の大会でも、普段サーフィンはするけど、パラサーフィンを知らない人たちに知ってもらうことができた。手伝ってもらうことで、サポートの輪が広がっていった。こうして、障がいがあっても「サーフィンやってみたい!」と思っている人たちに楽しんでもらう機会が増えていけばいいなぁと思う。

 

古川尚子 FURUKAWA MASAKO プロフィール
中学校教員からフリーに転向。
海や雪山などのアウトドアシーンで障がい者のサポートを行う。
ちょっとしたことを手伝いながら、共に楽しい時間を過ごす。
「誰かの心に残る時を共に過ごす」5M8まちゃ
INSTAGRAM:@macya_58

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