interstyle

INTERSTYLE 2025
開催:2025年2月12日(水) 〜 2月13日(木) 会場:パシフィコ横浜詳細 »
開催:2025年2月12日(水)〜13日(木)
会場:パシフィコ横浜詳細 »

アクセス

交通案内
宿泊案内

Youtubeチャンネル

INTERSTYLE movie

コラム

HOLHY a.k.a. Hayato Hori『第4回 What is your style?』

第4回のホーリーHOLHY Column、ついに最終回です。

あったかくなってくるととにかく外に出たくなるのは自分だけでしょうか?そろそろ旅に出たいなーと思っていると、色んな思い出が蘇ってくるので、その辺から記憶を辿りつつ書きたいと思います。海外に旅というか仕事にいって、ついつい探してしまうのが、スケートパーク。しかしこれが偶然なのか、なんなのか、とにかく散歩してるとめっちゃある。一つの街の中でも8つも9つも。スケートパークはほんとよく発見して、上がってました。

自分が行った場所は、バンクーバー、トロント、LA、NY、サクラメント、シアトル、ポートランド、フィラデルフィア、ロンドン、ベルリンなど、どこも都会でしたが、公園があればコンクリートパークが併設されているのが普通なのかと思うほどスケートボードは、ポピュラーな文化だったのが印象的です。東京でもここまではないような気がします。最近は増えてるとは思うんですが。

とりあえずそんな中で、今回は思い入れのあるバンクーバー、そこのパークや店を通して、自分のポートランドでの個展も含めカルチャーってこうして育つのかなと感じたことを話します。

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

スケートショップも多いですが、その店によって個性も違えば集まるスケーターも違います。また近くにイケてるレストランやBAR、ライブハウスやカフェなんかがあるかも大切で、やっぱり滑った後に夜までハングアウトするのが海外でも定番で、自分は職場が近かった今はもうなくなってしまったのですが、グランビルstにあった、UNDER WORLDと、家も近くてリック・マクランクがオーナーを務めるメインstにあるANTI SOCIALはオススメのお店です。

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

お店のロゴも雨季になると雨ばかりのバンクーバーを象徴するようなアンチソーシャル。ここは取扱いしている商品もバンクーバーのカルチャーを理解するのにいいかと思います。

またランプをやるならちょっと危険地区ですがヘイスティングスstにSBC restaurantというライブハウス兼スケートランプショップ兼ご飯も食べれる室内パークがあり、ここもオススメです。が、ホームレスやドラッグ更生施設、アーティストのアトリエやギャラリーが数多くあるこのヘイスティングスstは、年々クリーンになっていてはいますが、初めて行く人には衝撃的かもしれません。

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

家賃の安さからお洒落なカフェや美味しいご飯屋さんも増えて、発展途上な分、刺激的な場所ではあるので、バンクーバー行った際はぜひ色々散策してみると良いと思います。この街のカオスを体験できると思います。

バンクーバーは、トータルで2年ほど住んでいました。また、そういった経緯から自分が海外で最初にもらったコミッションワークも、バンクーバーなので特別な思い入れがあるんですが、それを抜きにしても、いくつか発見した自分の知っている概念とは違った事があります。それはストリートカルチャーに精通していなくても、レストランでも美容室でも、自分の絵を楽しんでくれる人がたくさんいる…という事でした。絶対値が多い。よく外国はアートを理解してくれるもんね?なんて言いますが、まさにそうでした。それをただ頭で理解している事と体験する事はめちゃくちゃ大きな差があると感じたし、アートにもスケートボードにも、世間的な価値があるんですね。その最初の感動は今でも覚えています。昨年バンクーバーで描いたこちらの猫と牛。これもレストランに描いたものなんですが、レストランに来るお客さんからもスタッフからもたくさんのメッセージをもらいました。そんな事日本では絶対ない。あってもインスタのフォロワーが少し増える程度でしょう。考えられない事です。自分のアートを楽しんでくれてる感がすごく伝わって来るあの感じで本当に刺激になりました。

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo
Canada BC Vancouver Richmond BBQ Restaurant Gyu-kaku壁画

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo
Canada BC Vancouver Richmond BBQ Restaurant Gyu-kaku壁画

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo
Canada BC Vancouver Metrotown Bisou Hair壁画 

日本にもある牛角ですが、日本の雰囲気とはかなりいい意味で違っていて、こういった壁画やデザインにも投資して店舗をガンガン増やしている会社(名前は同じでも日本とは別の会社なんです)で、近年はかなりお世話になっています。マネージャーもスタッフもみんな最高。早くまた戻りたいです。

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

だいたい1日の作業を終えると街をクルージングして飲みに行ってました。日が長いので、19時でもこれくらいの明るさです。いつも描いては、滑って、飲みにいってました。そこで一緒にいるメンバーから英語も習って。自分は英語の学校には行っていないのですが、こう言う時間を過ごすと行っている奴より話せるようになったりします。結局何事も経験値。 オススメのBreweryはブラスネックと33。ここは絶対行って損はないです。後は家でホームパーティー。思うといつも遊んでた記憶ばかり蘇る。

遊べてたのは、絵できちんと生計立てられたからなんですが、なんで、こんなアーティストを受け入れてくれて、お金もしっかり回って、生活することが楽しいのか?と考えていたら、まあ景気とかそういう事も多少もあったかもしれませんが、そもそもアートに対する需要が違います。それはなぜか?ちょうど今の時期にやっている一大行事がそれを理解するのにわかりやすかったです。それは「オープンアトリエ」というイベントでなにそれって感じかもしれませんが、まあ要はアーティストがアトリエを公開して、ワークショップをやるイベントです。
日本でも聞いた事あるかもしれませんが、バンクーバーやポートランド、海外のは日本のものとは規模が違います。基本的に、まず時期が決まっており、街全体でやっていて、各家庭、街中にポスターからパンフレットが配布されます。そうして子供は、まるでディズニーランドや遊園地に行く感覚で、小さい頃からアーティストのスタジオを、親や友達と朝から晩まで街中回ります。

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

自分も一通り見て回ってたのですが、まじ本気度がすごい。遊べてるし、人も超たくさん。スケートもそうですが、パークがたくさんあって、ショップがたくさんあって、とにかく盛りあがってる。理解し合える仲間が多いのはやっぱり最高っすよね?そういう意味では、常に刺激と希望をもらってました。この日も何万人とかの規模だったらしいです。日本でもアーティストをこういう風にカルチャーとして成り立つようサポートしてくれる街が増えたらいいなと思います。

こういった文化の発展により、結論として、自分らがもらう海外のコミッションは色々デカイです。上にのせた猫の絵も、縦が5m、牛の絵は横が、10mほどあります。また絵に対するリアクションもダイレクトで製作していてもかなりの人数が話しかけて来ますし、色々日本とは違う価値観がすごく刺激的で、勉強になることが多い。そして少し前ですが、アメリカ、オレゴン州ポートランドのCompound Galleryでの個展を行った時の事も忘れられない時間でした。

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

約一ヶ月ほどの展示でしたが、来場者はオープニングで五百人。無名な自分がいきなりそんな集客するのはもうカルチャー、ただただ有難いとしか言えませんでした。

コンパウンドギャラリーでは毎月アーティストが代わり、毎月最初の木曜日はファーストサースディというイベントで、町中のギャラリーがその時に展示をしているアーティストと一緒にイベントとしてライブペイントや公開制作、トークショーなどの催し、ワークショップを開催してるんですね。
子供から学生、絵を買いたい大人やイケてる人間を探し出そうとする企業の人間で溢れます。自分らもこのファーストサースディの翌日には、町中で友達が出来て、どこにいってもアートの話をしたり、その仲良くなった人のアトリエに行ったり、めちゃくちゃ最高な時間。ギャラリーのスタッフも全員スケーターだったし、ボスのカツさんにはほんとお世話になりました。

「なんで海外でやれたの?」とか、最近よく言われるのが、「どうして仕事があるの?どこから仕事が入ってくるの?」という事。それはこういった海外での仕事なんか含めて、「ラッキー」が大きい。もちろんコネクションではあるのですが、ここは柏のTIMESHOCKから紹介してもらったギャラリーでしたし、そもそもアーティストは生きる方法にマニュアルがないから、みんな不思議なんだと思うんですが、そんなふとした所からチャンスは巡って来てました。だからやっぱりラッキーなのかなと思うんです。唯一の指針と言えば、バイヴスと上がる人と一緒にいたいというのみ。

にしても自分はアーティストの中でも特にジャンルレスな方だと思います。あまりどこのシーンでも重鎮、みたいな感じではなく、ただただ好きな人と、ライフスタイルの合うところで生きていきたいというだけなんで、特に特化してこのシーンにずっといる人、って感じではないんです。どこにいても絵なんて何を描いててもいいと思う。スタイルは重要ですが、結局いい絵は心だし、絵を買う人が欲しいものは、その心だと思ってるからです。ブランド力も、ハイクオリティかつ斬新という研ぎすまされた心だし、先駆者はいつも独自のスタイルを築いてきたけど、実際はその心の有り様が絵に出てるんだと考えています。

 

前回でも告知したのですが、ちょうど先週までELEMENT SKATEBOARDのUSから「TIMBER!」というLAのアーティストが来日していました。
今回は自分は海外から来た人をケアする側で動いたのですが、それがまた刺激的だったので、紹介したいと思います。

アーティスト「TIMBER!」本名はチャド・イートンさん。歳は自分と一個違いの35歳。今回はELEMENT SKATEBOARD JAPANの仕事として、映像製作や一緒にペイントしたり、東京を回ったり、フェスに出演したりして。合計1週間ほどですが、ほんと最高の日々でした。何が最高かって、彼の人間らしさや、作家としての紳士さが素晴らしくって。なんつーか穏やかなのにめっちゃ熱い。その絵に対する執念には、感銘すら受けましたし、「スタイルよりも自分自身を信じる事が大切で、ライフスタイルや心が絵になってる。」と言っていたことは自分もかなり共感できて嬉しかった。LAでも絶対再会しようと熱く楽しい最終日で見送りを終えて、とにかくこれは絵よりも人なんだなーと思ったので紹介させてもらいました。是非エレメント今!コレクションが出てるので、チェックしてもらいたいです。
https://www.billabongstore.jp/specialpage/element_timber.html

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

外国から来ている人って、それなりにタレントだし、来ているだけですごい人なんですが、実は本人は異国で誰も知らない環境。はっきり言ってめっちゃ孤独。それが分かるから、自分で出来る事は協力したつもりでした。いつも周りに気を使って、なんでも自分でやろうと、チャドはめちゃくちゃ頑張ってた。ショップも7件回って、各店舗一枚のデッキを1時間ずつくらいで絵を仕上げて回ってた。超ハード。だし、日本人は英語も話せない人が多いから苦労もしたろうに、最高だった!とずっと言ってた。そういう意味でも、贔屓目なしで最高のアーティストなので、是非エレメントのコレクションは現在チャドのデッキやTshirtが出てるので、チェックお願い致します。

 

そんなこんなで、自分は国内外どこにいてもとても恵まれた環境で活動させて頂いているのですが、今回は最終回という事で、最後に一つ。

自分は15年前にバンドマンやってました。スケートもしてたけど、バンドもやっていて、その頃の夢はフジロックフェスティバルに出る事でした。そしてアーティストになろうと決心したのが13年前。大阪の太陽の塔へヒッチハイクで辿り着き、そこでフジロックでたい、アーティストになりたい!祈ったのは青春時代のいい思い出。

それが昨年かなってライブペイント、そしてオフィシャルTshirtデザインまでやらせてもらえるようになりました。

HOLHY a.k.a. Hayato Hori photo

フジロックは3日間のフェスなんですが、なんと2日目の午前中で1000枚が完売。感無量。こんな事ってあるんですよ。

はっきり言って、高卒の自称アーティストがここまでこれたのは本当に奇跡だと思っています。
エレメントの件も、高校時代はずっとデッキ買ってたので、ただただ最高としか言えません。
だから、どんな学歴でも、芸大いかなくても、願えばゼッテー叶うって事だけは、こんな俺でも言えます。
まあ人生色々ありました。金がない、絵ばっか描いてて彼女にフラれる、友人の結婚式にも絵の方が大切でいけない。なんて最低な経験はたくさんあります。
でも叶った後は全部許してもらえたし、こっからが恩返しだと思ってますし、それでそんときに悪い事したなーと思う友人からも「むしろ最高だよ」とようやく言ってもらえたり。

そして、裏切ってしまったと感じていた友人からも、そんな言葉ももらえるようになり、先日、感謝の意味も込めて、大阪、太陽の塔に13年振りに行って来ました。

人生は色々あるけれど、こんな感動した瞬間はなかなかなかったです。フジロック1000枚完売。海外での個展。

最初はうまくいかない夢もあります。でも13年越しで、叶う夢もあります。でもこれを読んでくれて、もしやりたい夢がある方は、絶対Keep Going継続して下さい。
奇跡は絶対、ちゃんと見たいに未来はあります。

そんな訳で、インタースタイルHOLHYホーリーコラムはこれで終わります。最後はなんともざっくりしてますが、言い切れないことは是非今後とも活動は続けていきますので、その都度語りたいと思います。最後に紹介してくれたアベナオヒロさん、インタースタイル関係者皆様ありがとうございました。アートもスケボーももちろん続けて行くし、現場で会う方はそちらでもよろしくお願い致します。ありがとうございました!!

感謝を込めて

HOLHY Hayato Hori ホーリー

HOLHYプロフィール
日本石川県小松市出身、1983年生まれ。「循環」「神秘」をテーマに、 Nikeやレッドブル、NYのホテルから、国内最大級のミュージックフェス、FUJIROCK FESTIVALのオフィシャルTshirtと幅広く活動。また個展ツアーやワークショップ、壁画、キャンバス、デザインに加えて、トークショー、PV出演、TV出演など、自分にしか出来ない事で生きる「アーティスト」という職業で、家庭を養い、潤った生活ができる状況を広めるべく、精力的に活動。オレゴン州ポートランドで開催した初の海外個展を皮切りに、ニューヨーク、ポートランド、サクラメント、バンクーバー、トロント、ロンドンにて作品を発表。現在は千葉県松戸市のアトリエにて作品を制作。
HP:https://www.holhypaintworks.com/
Instagram:https://www.instagram.com/holhy/

INTERSTYLE magazine

INTERSTYLE magazine

2024/4/17 配信

「インタースタイルマーケット」出店ブランド 続々決定!

2024/04/17

COLUMN

COLUMN

SURFCOLUMN

柴田康弘

「海の癒しと仲間のつながりでハッピーに~サーファーズケアコミュニティ~Nami-nications」

SKATECOLUMN

WAGU (和栗公祐)

「マロン・H・ジョニーからの改名」

SNOWCOLUMN

堀井良輔

「第2回 寝ても覚めても夢。」

INTERSTYLE MARKET 2024
Thailand Amusement & Attraction Parks Expo(TAAPE) 2024
GOCAF