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コラム

小西隆文『第3回 自分の子供をプロスノーボーダーに』

2020/11/04 tag: 小西隆文

Konishi Takafumi Photo
Photo by HeartFilms

自分の子供をプロスノーボーダーに、そんなことを考えたことがないわけではない。

スノーボードの歴史はまだ浅い。創成期のプロが多分60歳くらいで、スノーボードバブルの頃のプロが50に差しかかる感じだろう。今は10代前半の子供たちがコンペシーンで活躍しているから、その中にプロの息子、娘がいても全然おかしくないのだがそういう話は聞いたことがない。(もしいたらごめんなさい)
プロの子供がプロになってないのは、プロの厳しさを子供に伝えちゃってるからかもしれない。「頑張ってもほぼ食べていけないよ」って。

VOLCOMファミリーの吉野康人[ヤット]の息子アサヒが道具を提供してもらうライダーにはなっているが、プロではない。スノーボードはもちろん上手くカッコ良い滑りをするが、そもそもコンペティターではない。その他にも、レジェンドの玉井太郎さん、竹内正則さんの息子らもスノーボードを楽しんでいるようだが、コンペ志向ではない。

ウチの中2の長男も同じくコンペ志向ではない。小学3,4年の頃「プロスノーボーダーになりたい」と呟いた時はあった。その時長男に僕が言ったのは、「これからの時代、プロで生活出来るようになるには並大抵じゃないぞ。最低オリンピックに出るレベルじゃないとこれからの若いライダーがプロとしての収入だけで暮らしていくことは難しい」というリアルな話をしてしまった。

オリンピックに出るには、まずは絶対的な技術が無いとダメで、だから夏もジャンプ施設に通ってトリックの練習をしないと今のトップシーンにはついていけない。それでいて結果を残さないといけない。全日本で上位に入って、スポンサーがついて、ナショナルチームに入って、ワールドカップに出るようになって、その活動費をスポンサーが援助してくれるようになって、お金を初めてもらうことになる。
そしてオリンピックに出て(契約金up) X-GAMEに出て(契約金up) そのあと自分の好きなスノーボードを追求していく。
という流れが今頑張ってるキッズ達の多くが目指す道なんだろうな、と勝手に僕は考えている。[國母和宏や平野歩夢が彼らのヒーロー]

うちから最寄りのエアマットのジャンプ施設は40分で行けるから毎日通うことも可能だ。うちの長男にもそういう道を辿るチャンスはある。
「どうだ、やる気あるなら連れて行ってやるぞ」
「あんまりジャンプは好きじゃないから、、」
これでうちの息子がオリンピックに出て、プロスノーボーダーで飯を食っていくという道が途絶えた。その気にさせてやる気を出させることはできたかもしれないが、無理やりやらせたくはなかった。
「だよな、夏はスケボーしようぜ。サーフィンしようぜ」スノーボードを嫌いにはなって欲しくない。

幸いスノーボードは続けていて、休みの日はまず滑りに行く。パークでハードなトリックはしないし、レールもスルーしがちだが、フリーライディングはどんなとこに行っても付いて来れるようになった。
バンクドスラロームは好きで小4くらいから出るようになって、小学生の間はよく上位に入っていた。中学に上がると目立たなくなってしまったが、今年2月のJAPAN FREERIDE OPENの18歳以下のクラスで2位に入り、我が子ながらなかなかやるなと感心した。プロを目指さなくてもいいけど、大会に出て挑戦したり、同世代の仲間と絡むことは大事なことだ。長男のスノーボードに対する姿勢はそんなもんで十分。スノーボードの深みにはすでにはまっているしね。
次男なんか「パウダーじゃないと行かなーい」って贅沢なんだけど、パウダーの楽しさを分かってるだけでも大成功だ。

Konishi Takafumi Photo
スプレーをあげる長男

僕がプロライダーとして初めて金銭契約を結んだ頃は、大会のリザルトが1番重要視されていた。それからメディアにどれだけ出るかの方が重要になってきて、今は実際に影響力がどれだけあって、商品がどれだけ売れるか。という流れになってきた。
今はSNSの進化により、他人に頼らず自分で情報を発信し商品のプロモーションができれば金銭が発生する時代になった。これはインフルエンサーでプロとは言わないのかも知れないが、業界を盛り上げている彼らは評価されてしかるべきだと思う。

これからの子供達には、とことんスノーボードに向き合って、X-GAMEに出たい、すごい映像のパートを残したいってのも最高だけど、もっといろんなスノーボードの楽しみ方を知って、一生続ける遊びとしてライフスタイルの一つになる子が増えればいいなと思う。
親子で「次どのライン落とす?」なんて会話できるの最高だし、
「今年は雪少ないね、温暖化の影響かな」なんて環境問題についても敏感になるしね。

最近仲間たちと立ち上げたNPO法人リブラントは、横乗りスポーツを始めアクションスポーツを楽しむ家族を増やして地域を盛り上げよう、自然の中で遊ぶことによって環境問題に敏感になろう、という活動をしている。
https://librantnpo.wixsite.com/website

 

小西隆文プロフィール
1978年生まれ徳島県出身。息子を2人持つ現役プロスノーボーダー。
ハーフパイプ、BIG AIRなどフリースタイル種目での大会活動を終え、カナダやアラスカでのバックカントリー撮影に没頭すること15年。最近では激しい斜面のために鍛えた滑りで、天神バンクドスラロームや東野圭吾主催による賞金200万円の大会で優勝するなど業界ではリザルトを残す男として有名。

 

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