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コラム

佐藤亜耶『第2回 同じ道具、違う使い道』

2021/02/10 tag: 佐藤亜耶

皆さんこんにちは。佐藤亜耶です。
第一回は私がいかにしてスノーボーダーとなったかを知っていただきましたが、第二回は『同じ道具、違う使い道』というテーマでお送りします。

早速ですが、本題に移ります。
自由に歩けるようになる頃には雪国で生活しているので、スノーボードを初めて履いたのも私が3歳の頃でした。
そこから数えると23年ほどスノーボードをやっているわけですが、その23年間どんな時もスノーボードが大好きだったわけではありません。本気でスノーボードのない生活を送ろう思ったことが、何度もあります。でもその時滑ることを辞める事なく、今もこうしてライダーでいることができているのは「同じスノーボードを使って、今までと違うことをする」ことをしてこれたからだと思っています。

どういうことかと言いますと、パイプからスロープとか、大会からフィルミングとか、そういう移り変わりがある事で、私はスノーボードの面白さを再認識してきたという事です。
物心つく前にスノーボーダーとなった私には、自分でスノーボードを始めようと思った理由なんてもちろんないですし、初心者時代に訪れるであろうスノーボードの面白さに目覚める瞬間も記憶の中にはないのです。だから、スノーボードという同じ道具を使う中で、使い方を変えることで新たなことを始める面白さを知ることができました。

特にそれを実感したのは、スロープスタイルの選手を数年やったのちにバックカントリーを初めて体験したシーズンでした。冬季オリンピックが終わり、ちょうど早稲田大学を卒業した2018年のことです。その時まだ一緒に滑ったこともなかった藤田一茂くん(以下シゲくん)が軽いノリで誘ってくれた8月のニュージーランドトリップ。このトリップで初めて板を背負い、自分の足で山を歩き、歩いた分がだけ滑るというバックカントリースノーボードを体験しました。

Sato Aya Photo
滑ることよりも歩くことの方が断然疲れるじゃん…と毎日思っていたNZトリップ(笑)

大学4年の時、オリンピックにももう出ることが出来なそうだし、スノーボードから離れて普通の仕事をしてみたいと思い、就職活動をしたんです。でも就活しているうちに、学生でもない、会社員でもない、自由の身としてスノーボードをしてみてもいいかもしれない、と思いつき、せっかく買ったリクルートスーツをクローゼットにしまい込んで私の就活は内定をもらう暇もなく終了。だけど、スロープスタイル含め大会へのモチベーションはもうほとんどないし、何か新しいことを探さないと本当にスノーボードに飽きちゃう!という焦りがありました。そんな時に訪れたニュージーランド。初めてのバックカントリー。カチカチに硬くて滑ったこともないような急斜面…ターンを怖いなんて思ったことはほとんどなかったのに、怖くて次のターンが切れない…映像をみて、ガッカリ。なんだこの滑りは。全然乗れてない!だからこそ、「これだ!!」となりました。物心つく前にターンを習得した私が覚えていない、初心者の時の気持ちを体験できた気がしました。できないこと、まだあった!(当たり前なんですが笑)と分かった瞬間、「私、スノーボードまだまだ楽しめそう」と確信しました。そこからは、山に登るたびに1から何かを始める喜びを感じました。同じスノーボードなのに、こんなに違うことができるのか、と。
シゲくんはまさか本当に私が行くとは思っていなかったらしいんです。でも軽すぎるくらい軽い気持ちの二つ返事で「行きます!」と答え、数日後にはニュージーランド行きのエアチケットを買ったあの時の自分にありがとう!!って言いたいです。もちろんバックカントリーについて右も左も分からない私を誘ってくれたシゲくんには、本当に感謝です。

Sato Aya Photo
断崖絶壁にいるときは、ただ立っているよりも板を履いている方が怖くない不思議。

私が最終的に伝えたいのは、スノーボーダーに限らずたくさんの人がこれと同じようなことを体験できるのではないかということです。ずっと続けてきた大好きなことが嫌になったり、辞めたくなったりした時、そんな自分にがっかりしたり虚無感でいっぱいになったりしちゃいます。だけどそんな時こそ、新しいことを始められる絶好のタイミングだと思うんです。同じ使い方をずっと貫き通すのももちろんかっこいいけど、楽しく続けられなくなったら意味がない。だから、同じ道具だけど新たな使い方をすることで、これまで使い続けてきたことも肯定できるし、新たな気持ちでその道具を楽しむことができる。これってどんなことに関しても言えることなんじゃないかと思います。
私はスノーボードという道具を使って、バックカントリーを滑るということを1から始めましたが、それが滑るという使い道でなくてもいいわけです。例えば教えるとか、撮るとか、作るとか、そんな使い道も良いなあ。

皆さんもぜひ、今自分が使っている道具を、違う使い道だったらどう使うか想像してみてください。
その道具を使いはじめたばかりの新しい自分に戻れるかもしれません。
私もまたそのタイミングが来たとしたら、スノーボードの新しい使い方を模索してみようと思います!
以上、『同じ道具、違う使い道』のお話でした。

それではまた次回、楽しんでいただけたら嬉しいです!

Sato Aya Photo

2019年に行った二度目のニュージーランドトリップで作った作品です。ライディングとともに、私の言葉をお伝えできたら嬉しいです。ぜひご覧ください。
Supported by THE NORTH FACE, DEELUXE BOOTS, CRYSTALGEYSER JAPAN, PHARMACREA
Produce / Film / Edit / Photo : Kazushige Fujita (Forestlog)
Starring : Aya Sato (@aya_sato_49)
Music : KZTK (Drive Music / SEASON)
English translation : Runa Suzuki (@runasuzuki)
Special thanks : Air New Zealand / Thermarest

 

佐藤亜耶プロフィール
両親の影響で3歳からスノーボードを始める。小学生時代からハーフパイプの大会に出場。中学一年生でプロ資格を取得。10年間に及ぶハーフパイプ活動を経て。早稲田大学に入学後はスロープスタイルの全日本強化選手としてコンテストを転戦する。早稲田大学卒業と共に豪雪地帯の地元・新潟県津南町に戻り、現在はスノーボードを通じて雪の魅力やその輪を広める活動に取り組む。

 

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