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コラム

佐藤亜耶『第3回 EQUAL PAY FOR EQUAL PLAY』

2021/02/15 tag: 佐藤亜耶

こんにちは。佐藤亜耶です。
コラムももう第3回、後半戦となりました。

さて皆さん。EQUAL PAY FOR EQUAL PLAYってご存知ですか?
今回は、このEQUAL PAY FOR EQUAL PLAYについて書きたいと思います。

Sato Aya Photo
メンズライダーの腰パウダーは、私にとっての胸パウダー!

『EQUAL PAY FOR EQUAL PLAY』は、文字通り『同じ競技には、同じ支払いを』という意味の言葉です。つまり、大会賞金は男女同額に!ということです。
スノーボーダーやスケーターにとっては、競技というとあまりしっくりこないかもしれませんが、この『EQUAL PAY FOR EQUAL PLAY』は他の全スポーツに対応した言葉ですので、今回は私たちの“PLAY”のことは“競技“と呼ばせてください。

アメリカ カリフォルニア州では、20019年にアスリートに支払われる報酬を男女平等にするよう求める、通称「Equal Pay for Equal Play」という法案が提出されました。これは、カリフォルニア州で開かれるスポーツ競技の主催団体に対し、男女のアスリートに同等の支払いをするよう州が求める事ができる法案です。拒否した場合、州はイベントの許可や名義貸しを拒否できるというものになっています。この法案が提出されたのは、女性サーファーたちの長年の努力の結果だそうです。
ぜひこちらをご覧になってみてください。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/equal-pay-for-equal-play-california_jp_5c775e96e4b0d3a48b566e0b
これを読んだ時に、私は今こそ自分たちも行動する時だと、アメリカの女性サーファーたち勇気づけられました。そして、今回のこのコラムを書くまでに至っています。

そもそも、スノーボーダーの中のジェンダーギャップ(男女間の格差)のお話は賞金格差以前のところから始まっています。
皆さんは、もともとX GAMESのビッグエアーなどの種目に女子カテゴリーがなかったことをご存知でしょうか?「女子は男子と同じものは飛べない」と考えられ、はじめは男子選手のみのイベントとなっていました。その後、女子選手たちの働きかけによってやっと女子も参加できるようになりました。今となっては、女子の熱戦は多くの人を魅了し、大注目のイベントとなっています。女子にはできないだろうと思って参加資格を与えていなかった当時の人たちに、この盛り上がりを見せたいくらいです。
X GAMESの賞金が男女同額で開催されたのは2008年。今から13年も前のお話です。
今、スノーボードの国際大会で男女の賞金額が違う(男子の方が多くて、女子の方が少ない)というものは、私の知る限りありません。
数年前にビッグエアーの国際大会で女子の方が少ない賞金設定のものがあったのですが、その時は世界のトップ女子選手たちが賞金格差をなくすことを求めてボイコットし、結果大会側は男女同額を約束して女子選手も参加することになったことがあります。だから国際大会をやるならば、男女同額でないとイベント自体成り立たないなんてことが、世界では普通になっているんです。ご存知でしたか?
これを読んでいる人の中には、賞金額の差がないことに逆に違和感を感じる人がいるかもしれません。
それもそうです。日本のイベント・大会のほとんどは、女子の賞金が男子の半分以下で、みんなそれに慣れてしまっています。

賞金総額 40万円!
男子優勝 30万円
女子優勝 10万円
というイベントがあったとしても、なにも不思議に思わずに受け入れる方は多いかもしれません。実際、このような条件で開催されているものがたくさんあります。
ですが、男女が同じ日程・同じコースを滑るイベントで、男女の賞金に差をつける意味とは何なのでしょうか?
もしもスキルの差=賞金の差となるのであれば、各大会のレベルの差=賞金差になっているでしょうか?しかし、そういう仕組みになっているようには思いません。
競技にかける熱意とか、リスクとか、そこに行き着くまでの時間やお金。簡単に言えばかかる経費も同じで、バックカントリーで言えば登る山の距離も同じ。なにも変わらないのに、賞金という評価は半分以下しかもらえない。正直言って、悔しいです。うちらだって本気だよと、言いたくなっちゃう。
じゃあ男子と同じくらい回って、男子と同じくらい飛んでよという意見もあるかもしれません。だけど、そもそもそのイベントを盛り上げることに尽力する、自分の体でできる最大限のパフォーマンスをするという面から見れば、男女問わず同じようにそのイベントに取り組んでいるのではないでしょうか?
それにスキルだとか難易度だとかそういうことや、スポーツの世界に限らず、同じものに取り組んだ報酬に対して男女で差をつけるという事自体、今世界中で大きな問題となっていますよね。
だから私は、日本のスノーボード業界にも『EQUAL PAY FOR EQUAL PLAY』を求めます。昨今、世界で活躍する日本人選手が数え切れないほどいるのに、国内のイベントにジェンダーギャップが残っていることは、悲しくもあり、恥ずかしいことでもあると思います。

これから大事になるのは大会主催側がジェンダーギャップをなくした大会・イベントを開催する決断をすること、みんながそれを受け入れること、女性ライダーが性別に関わらずスノーボードを通して自分たちにもできることが多くあるということを自覚し行動していくことだと考えています。
私たちは“男勝り“などという言葉で評価される一方で、“女性らしさ“を求められたりします。誰かの価値観の中での“可愛らしい“格好をしたり、お化粧をしたり、ライディング写真ではなくゴーグルを外したポートレイト写真でのメディア露出を求められる。求められるから、やる。そうして私たち女性は自分たちで自分たちの首を絞めてきた面が多くあるのではないでしょうか。ライディングやバイタリティという面での影響力を蔑ろにしていては、いつまで経っても平等は勝ち取れないと思っています。これからは、もちろん私も含め、ガールズボーダーとしてではなく、1人のスノーボーダーとして活動していく必要があります。1人のスノーボーダーとして見せられるものがある、伝えられるものがある、そういう自覚と自信を持ってやっていきたいものです。
先ほど出た「蔑ろ(ないがしろ)」という言葉の意味は、「人や物事を、あっても無いかのように軽んずる事」です。
女性ライダーの真価を蔑ろにせずどんどん活かしていくことで、日本のスノーボード業界はこれからもっと盛り上がっていけるのではないかと思っています。
現に選手としての活動を終えた後、リポーターや解説者等としてスノーボード業界の外で活躍する女性も多くいます。これは男女問わず言えることですが、スノーボーダーとしてスノーボードをするだけではなく、元スノーボード選手という名刺を持ちながら業界の外で活躍する人も、これから先非常に重要になってくると考えています。女性ライダーの活躍の場をさらに増やしていくことは、このようなことにも繋がっていくように感じます。

これから、日本のスノーボード業界での『EQUAL PAY FOR EQUAL PLAY』を実現する為の活動を考えています。もしも賛同してくれるブランド、代理店、ライダー、スノーボードに関わる方がいましたら、ぜひご一報ください!特に、大会・イベントを主催する皆さん、そしてそれに協賛する企業の皆さん、男女の賞金格差をなくせるようご協力をお願いします!!
未来をよくする、明るい活動にしていければいいなと思っています。ピースな活動への応援、よろしくお願いします!

それでは!!

参考
アスリートに支払われる報酬を、男女平等に。カリフォルニアで法案が提出される
安田 聡子 HUFFPOST
https://www.huffingtonpost.jp/entry/equal-pay-for-equal-play-california_jp_5c775e96e4b0d3a48b566e0b

女性スポーツ選手の賞金額が男性よりも少ない理由
スポーツする権利を勝ち取ってきた女性の戦いとその歴史
山口理恵子 ログミーBiz
https://logmi.jp/business/articles/321948

Fight for Gender Equality Reaches X Games’ Slopes
Rolling Stone
https://www.rollingstone.com/culture/culture-sports/fight-for-gender-equality-reaches-x-games-slopes-119693/

女子サッカーのEqual Pay ムーブメント
S.C.P.Japan note
https://note.com/scpjpan/n/na1671c3cef02

 

佐藤亜耶プロフィール
両親の影響で3歳からスノーボードを始める。小学生時代からハーフパイプの大会に出場。中学一年生でプロ資格を取得。10年間に及ぶハーフパイプ活動を経て。早稲田大学に入学後はスロープスタイルの全日本強化選手としてコンテストを転戦する。早稲田大学卒業と共に豪雪地帯の地元・新潟県津南町に戻り、現在はスノーボードを通じて雪の魅力やその輪を広める活動に取り組む。

 

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